昇段試験後の雑感

全日本居合道連盟の昇段試験に無事に合格し、3段になった。

これまで長続きしなかった習い事や趣味はたくさんあるが、この結果は『石の上にも三年』を実践できた努力の賜物だ。
とはいっても、「何だ、あのへっぴり腰の居合は!」と、試験の後に師匠に指摘された。

ここまで来たら、何としても一端の居合人として、人前で華麗な業を披露できる侍になるつもりだ。
まだ技の基本もできていなかったり、修得していない業も多かったり、そもそも業の理合いも分かっていなかったりするが、それでも、これまで教わった業の一つ一つを日々の稽古で何度も繰り返し鍛錬し、頭よりも身体で覚えていくしかない。

居合は、力よりも姿勢の美しさが生命線だと分析する。
今の丸っこい体を絞ることができれば、もう少しマシな見た目になるかもしれないが、なかなか絞れない。
減量を諦めたわけではないが、道程は険しい。

今日の稽古の休み時間に、師匠が道場に持って来ていた真剣を振らせてもらった。
長さは、普段使っている居合刀より一寸長かった。
重さはさほど感じなかったが、身体にビリビリとシビれる感覚があった。
それは、刀が真剣なだけでなく、見た目の拵、デザインがとても気に入ったものだったからだ。
もし、長さが普段の居合刀と同じだったら、師匠に値段交渉をお願いしていたかもしれない。
いや、自分が真剣を手にするのはまだ時期尚早か。

今日の稽古は勉強会といった感じで、実習より座学中心といった内容だった。
正・速・強・威の正を得るには、座学も大事になる。
目付、刀の運び、切っ先や鍔の位置、足や膝の角度などはルールで決められている。
ルールに即した居合でないと、競技大会では勝てない。

また、居合は武道だからといって、ルールを守ることを疎かにしていると、結局は我流の居合になってしまい、変な癖が身に付く恐れがある。
無双直伝英信流の居合を会得したいのなら、やはり、師匠の教え通りに、達人の居合を完コピできる程度に間の取り方や速さ、緩急の付け所などを盗んで、自分の居合に昇華していくことが肝要に違いない。


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