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沖縄とベトナムの共通点②

前回の続きとして、沖縄とベトナムの共通点を様々な分野から見ていきたいと思います。

各トピックの概要を簡潔にまとめていますので、個々の興味深い分野があれば、それについてさらに深く掘り下げることで、より幅広い知識を得ることができるでしょう。

円錐カルスト(núi đá vôi)

美ら海水族館がある本部町には、日本唯一の円錐カルストが存在します。この特異な地形は、中国の桂林やベトナム北東部の熱帯カルスト地形に似ており、沖縄はこのような地形の北限に位置しています。

沖縄北端付近を走行すると、ベトナム北部の風景が重なってくるような感覚が体験できます。

ベトナム村と枯葉剤

参考:https://blog.goo.ne.jp/chuy/e/061f22cce475fe155b022cbb2ab98f88

世界遺産となっている沖縄北部のヤンバル地域には、米軍の訓練場が存在します。

ベトナム戦争時には、米軍はここで沖縄の住民を雇い、ベトナム人役としてゲリラ戦の訓練を行っていました。そのヤンバルの森には架空の「ベトナム村」が作られていました。

また、当時は雑草除去のためにベトナムで使われたものと同様の枯葉剤を沖縄に散布したとも言われており、一時期沖縄では問題となっていました。

しかし米軍基地跡で枯葉剤が大量に廃棄されたダナンやビエンホア周辺で重大な健康被害が出ていないことを考慮すると、現在の沖縄の枯葉剤問題は杞憂に過ぎないと思われます。

ホーチミン市戦争証跡博物館と沖縄平和祈念公園

ベトナムには数多くの戦争系博物館がありますが、展示思想は「北ベトナム賛美、米軍絶対悪」のよくある単調なパターンの展示ばかりです。

しかし、ホーチミン市の戦争証跡博物館だけは視点が大きく異なります。この違いは、館長のVân氏が沖縄を訪れ、沖縄平和祈念公園をはじめとした民衆目線、被害者目線の記録や展示の方法を参考にしたからです。

この博物館は、その特異な視点から世界中の観光客が訪れ、人気の観光スポットとなっています。

石敢當(いしがんとう)とbia thái sơn thạch cảm đương

石敢當とは、直進する魔物「マジムン」の侵入を防ぐために、沖縄のT字路の突き当たりに置かれる魔除けの石碑です。これはベトナムにも存在します。

ベトナムでは「bia thái sơn thạch cảm đương【碑・泰山・石敢當】」と称し、有名なところではハノイのホアンキエム湖のtháp bútに置かれています。

写真の石敢當はダナン市郊外の廃墟となったビーチリゾートで偶然発見したものです。

ベトナムと沖縄に共通する食べ物や植物

以下の食べ物や植物は日本本土では見かけることが少ないものの、ベトナムと沖縄では日常的に目にします。

・ゴーヤー(khổ qua)
・ヤギ鍋(lẩu dê)
・ミミガー(tai heo)
・パッションフルーツ(chanh dây)
・ドラゴンフルーツ(thanh long)
・グァバ(ổi)
・マンゴー(xoài)
・サトウキビ(mía)
・ハイビスカス(hoa dâm bụt)
・ガジュマル(cây đa)
・ポーポー(bò pía)

hóa vàngとうちかび

「hóa vàng」または「đốt vàng mã」とは、ベトナムの陰暦の1日と15日に行われる儀式で、偽のお金や贅沢品を紙で作り、それを焼いて死者があの世で豊かな生活を送ることができるようにします。

この習慣は沖縄でも行われており、清明やお盆などの際に紙銭(うちかび)を焼いて先祖供養を行います。

沖縄の「ベトナム通り」

沖縄市には、毎週土日の朝に開催される「ベトナム通り」と呼ばれるフリーマーケットがあります。

ここは非合法の場所で、非合法的に商品が売買されています。なぜなら周囲の土地は「黙認耕作地」と称され、米軍の土地ではあるものの、米軍が使用していないために地主が勝手に使っている状態だからです。

ここでの販売状況は無秩序で、その様子はベトナムの市場を彷彿とさせることから、「ベトナム通り」と名付けられたようです。

2019年の訪問時には、主に売られていたのは古いCDや作業着、その他は拾い物のようなガラクタばかりで、販売者のほとんどが高齢者でした。ベトナムの市場のような活気は全くありません。

しかし、そのディープな雰囲気が、沖縄の未知なる一面を探求したい人々には魅力的に映るかもしれません。

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