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『詳解ベトナム語辞典』と私

「外国語を学ぶためには、良い教科書、良い教師、良い辞書の三つが揃っていることが望ましい」

千野栄一『外国語上達法』p42

最近アマゾンでふと『詳解ベトナム語辞典』をチェックしたところ、前回の購入日が2013年4月10日と表示されました。そう、この辞書を買ったその日から、私の本格的なベトナム語学習が始まりました。

『詳解ベトナム語辞典』は2011年に出版されました。私のベトナム語の先生が「向こう50年はこれを超える辞書は現れない」と言わしめた程の脅威のクオリティーを持つ辞書です。

確かに出版から13年が経とうとしていますが、その言葉通り、他のどの辞書も寄せ付けない圧倒的な収録語彙数と網羅性、訳語の正確性を現在も誇っています。

約3万円という非常に高額な辞書ですが、値段が出版時から一切変わらない(むしろ少し上がっている)ことが、この辞書の価値を示しています。ベトナムで海賊版が出回っていてもおかしくないのですが、ベトナムの書店で見かけたことは一度もありません。

この辞書は1.6kgという重さで持ち運びには不便なことが唯一の欠点でしたが、私はベトナム留学中どこへ行くにもこの辞書を頑張って持ち歩いていました。学校で昼寝する際にはこの辞書を枕代わりにして寝たこともあります(笑)。

『詳解ベトナム語辞典』形態の遷り変わり

その後、数年経ってページが擦り切れてボロボロになってきたため(②)、全てをデータ化してiPadに入れました(③)。そしてさらに持ち運びやすくするため、スマホに移しました(④)。

今ではあの分厚く重たかった辞書がポケットに入り、どこでも調べることができるようになりました。ベトナム語を勉強し始めてから今に至るまで、形態は変われど様々な場面でお世話になっています。

ちなみに、『詳解ベトナム語辞典』は本来の辞書機能だけでなく、最後の章にある「ベトナム語簡説」も非常に読み応えがあり面白いです。専門用語が多く難しいですが、各単語を調べながら読み進めるだけで、ベトナム語の歴史と発音の知識が深く身につきます。

『詳解ベトナム語辞典』はもはや私の人生の一部である

私がこの辞書を購入してから11年近く経ちましたが、未だに毎日使っている唯一の書籍です。私はこの辞書を世界で一番使っていると自負していますが、引いても引いても終わりがないベトナム語の世界にいる私はまだまだこの辞書のお世話になりそうです(笑)。

この辞書を引くたびに新しいことを学んでいるという感覚が常にあります。この辞書を初めて手にした時の重厚感とワクワク感、これからベトナム語の学習を始めるんだという初心を忘れてはいけません。まだまだ私もみなさんと同じようにベトナム語学習をこの辞書と共に続けていきたいと思います。

なぜベトナム語ができるようになるのか、それは単純にベトナム語学習を続けているからです。私はただベトナム語学習をやめていないだけで、多くの話せない人は途中でやめてしまっているだけだと思っています。

11年近く毎日のように使っている『詳解ベトナム語辞典』は、もはやパートナーや宝物という枠を超え、私の人生の一部になっています。

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