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モノの価値を知ることは文化を知ること〜高額トルコ絨毯を日本で査定〜

こんばんは。Vinoです。

トルコで、100万円の10倍は価値があると言われた絨毯。
返品交渉が出来なかったため、仕方なく日本に帰り、
売りに出すことにしました。

帰国して気づいたことは、
日本は、じゅうたん文化ではない=流通が少ない、ということでした。

日本は、湿度が高いので、たたみのよう素材の方が住宅には合うのです。
絨毯には不向きな国だなんて、当時、まったく考えもしませんでした。

まずは、買ってしまった絨毯の資産価値を調べてもらうために、
国内の絨毯屋さんに持ち込んでみました。

結果は、100分の1以下の買取価格でした。

絨毯屋さんの話によると、良い絨毯というのは、手織りで、表から見ても裏から見ても同じデザインになっていることが大事だそうです。

そして、縫い目が揃って細いこと、素材はシルク、トルコならヘレケ産が高級ということでした。

わたしの持っていた絨毯は、カイセリ産というところの絨毯で、手織りのウール素材でしたが、縫い目や裏を見たら一目瞭然でした。

お店の方々は、お気の毒にという表情をされていました。。。

モノの価値を知らず、自分の感覚の声よりも誰かの口コミで決めてしまう日本人とは、まさに自分のことでした。。。

わたしは、「良いモノだよ」、と言われるがまま口車に乗せられて
買ってしまったのです。

いま振り返ると、自分が自分の直感の声や感覚を信頼できずに他人の意見に流されやすかったから、周りにもそんな自分を投影して見てしまっていたのだと思います。

当時は、そんなこと全然気づきませんでしたが。。。

ある日本のトルコ絨毯屋のオーナーが、こんな提案をしてきました。

「この絨毯を買い取る代わりに、このヘレケ産のシルクの絨毯を50万円で買うのはどうだ?ちゃんと証明書があるし、売りに出す時、80万円で売れるよ」

少しでも良いからお金を取り戻したいと思っていたので、相手の話術に惑わされそうになりました。

今度は資産価値のある絨毯だと言う。どうしよう。

しかし、一緒に付き添ってくれていた友人の引き留めのお陰で、
さらに出費を重ねることは防ぐことが出来ました。

もう返済で頭の中がいっぱいで混乱して、計算が出来なくなっていたのです。

トルコ人は、つくづく商売上手だなと思いました。

相手の感情や心理を読み、巧みな話術で錯覚を起こさせる達人だなと。

損したくない、少しでも良いから出したお金を取り戻したい。

こんなくすぶりは、その後、何年にも渡って、わたしの中で悶々と渦巻いていました。

100万円ちょっとのお金を諦めて、粛々と返し始めていれば、今ごろ、こんな状態にはならなかったのに。

負債がふくらむ次の転機は、この後、数年後に訪れました。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!




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