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人生の 終わる時

 7月に、実家の父が亡くなった。主人の父も、もう6年前にあちらへ逝ってしまった。

 主人の父は、多少ボケてきてはいたものの、最期まで一人暮らしを貫き、最期も一人でいってしまった。自立心の強いしっかりとした人だった。その義父が亡くなる数ヶ月前のこと。夏休みで訪れていた時の、何気ないお喋りの中で

「いや〜、振り返ってみると、いい人生だったよ。」

と、義父は話してくれた。主人の母は、今の私より若い歳に癌で亡くなっている。子どもたちもそれぞれ独立し、それから30年近く、一人で生きてきたことになる。

 おそらく、息子には照れ臭くて言えなかったのだろう。嫁の私と2人で雑談していた時に出てきた言葉であった。

 私の父は、どうだったのだろうか。

 最期は言葉を交わすことが難しくなっていたが、いつも穏やかだった父である。ずっとそばにいた母とは、「いい人生だったよ」という話はしていたらしい。

 自分は、どうなるだろうか。そして家族は。

 こんなふうに、「いい人生だった」と思える人生を送りたい、と、ふと思う朝であった。

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