スーパービジョンを受けてみませんか?

 こんにちは、ビジョン・クラフティング研究所 所長の松本桂樹です。

 スーパービジョンとはスーパーバイザー(指導者)とスーパーバイジー(指導を受ける人)との間で行われるセッションです。 スーパーバイザーは、スーパーバイジーがクライアント(来談者)に対して、より効果的な支援を行えるように関わります。

 働く人のキャリアやメンタルヘルスの支援では、様々な人の様々な心のあり様に接します。 しかしクライアントの心の中は外から見えず、また分かりやすく外に現れてくれるとも限りません。 そこでカウンセラーは、自らが「鏡」となってクライアントを映し返すことで、クライアントの自己理解を促進し、クライアントが問題点の整理や解決を目指せるように支援していきます。

■プロセスを鏡にうつす

 カウンセリングのプロセスでは様々な技術や知識が用いられます。 例えば、話を聴く非言語的スキル、話を引き出す質問スキル、理解を示す感情や内容への反射スキル。 加えて、クライアントを理解するための知識や理論など。 これらはカウンセラーが「鏡」としてクライアントを映し返す技術的要素といえます。

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 ただし、「鏡」になると言っても、カウンセラーはすべてを正確に映し返せるわけではありません。 「鏡」の表面には凸凹があるもので、どうしてもある程度は歪んで映し返してしまうものでしょう。 つまり、個々のカウンセラーによって映し返し方は異なるといえます。 クライアントと同様、カウンセラーにも個性があって、「鏡」はみんな等しく同じではありません。

 クライアントをより適切に映し返すためには、カウンセラーは自らの「鏡」の特徴を捉えることが必要です。 自分の鏡のどこに凸凹があって、どこに曇りや傷があるのか。 自分が理解しやすい現象、共感しにくい内容、得意領域やそうでない問題など、カウンセラーもまた自らの傾向を把握し、クライアントに向き合う必要があるのです。

■自分を知る

 自己理解の過程では、ときに目を向けたくないものと出会うこともあります。 認めたくない嫌な自分に出会うこともあるかもしれません。 しかし、自分が気づいていない自分を知るという試みは、自分の可能性を広げることにつながります。 このカウンセラーの成長は、クライアントの成長とパラレルにつながっているものと考えます。

 カウンセラーが安心して自分自身を点検し、自己理解を促進するためには、やはり自分自身を映し返してくれる第三者の「鏡」が助けになると思います。 それがスーパーバイザーです。


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■ 所長プロフィール

松本 桂樹(まつもと けいき)
株式会社ジャパンEAPシステムズ 取締役
神奈川大学人間科学部 特任教授

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精神科クリニックにて心理職として勤務後、ジャパンEAPシステムズにて相談サービスの立ち上げを担う。 現在もEAPコンサルタントとして、勤労者の相談を数多く受けている。 
臨床心理士、公認心理師、キャリアコンサルタント、1級キャリアコンサルティング技能士、日本キャリア・カウンセリング学会認定スーパーバイザーなどの資格を保有。

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