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若桜鉄道全駅経由非公認ハーフマラソン大会を続ける理由(ひとりが消えた第2回 後編)

毎年のゴールデンウィークに鳥取県東部の里山を走るローカル線若桜鉄道の沿線を走る「若桜鉄道全駅経由非公認ハーフマラソン大会」というイベントを開催しています。今年2024年で9回目を迎えるこのイベントへの思いを綴ったシリーズ第2話の後編です。

8年前の2016年のGWに若桜鉄道の始発駅の郡家駅からすべての駅を経由して終着駅の若桜駅までひとりで走ったのがすべてのはじまりでした。

2017年4月30日に開催した第2回はたくさんの出会いがあった忘れられない大会でした。

前編では初の参加希望者と応援者が現れて、声援を受けながら3人でスタートするまでを書きました。

中編ではスタートしてから各駅で地域の人に歓迎を受けたり、沿線の景色を楽しみながら中間地点の八東駅に到着するまでを書きました。

今回はその後編です。


八東駅でも大歓迎

「わかてつハーフ」のほぼ中間の11キロ地点にあるのが八東駅です。
八頭高校からは約10キロで、高校一年まで顧問だった森下さんを育てた漆原先生の練習メニューでの最長距離の往復20キロ走でここまで走ってきていました。

八東駅では踏切で声をかけていただいたKさんご夫婦が歓迎してくださいました。

八東駅の証拠写真にはKさんも映り込んでます。

当時Kさんは八東駅を借りて活動をはじめられたところでした。その活動の中で作られている干し柿を振る舞っていただきましたが、相当おいしかったことを覚えています。道の駅で一個100円で売っていると言われていましたが、その何倍も価値のある味でした。

Kさんは実はその日、泊まりがけで行っていた県外の研修からわざわざこの大会の応援のために急いで帰ってこられたと言われていました。「面白そうだから」という理由だけでそこまでしていただけたことは感謝しかありません。

Kさんから「このエリアにもこんな面白そうなことをやっている人がいるんだと思った」と言われた時はうれしくなりました。

自転車のご家族との出会い

八東駅では自転車で若桜駅に向かわれていた3名のご家族とも一緒にお話をしました。ほぼ同じ時間に郡家駅をスタートされていたのを郡家駅で見かけていましたが、八東駅にもほぼ同じタイミングに到着したので、話しかけて自然と同じ輪の中で話をすることになりました。岩美町から来られて若桜駅まで自転車で向かわれているそうでした。とても仲のいいご家族で話がとても話しが盛り上がりました。

話をしていると駅に列車が入ってきたので、みんなでホームに出て出発する列車に手を振って見送りました。

さくら1号がまだ現役だった頃
自転車のご家族とさくら1号を見送りました。

その後、Kさんご夫婦は名残惜しくお別れして八東駅を後にし、徳丸駅に向かいました。徳丸駅までは自転車のご家族と一緒に向かいました。

八東駅でくつろぎすぎて。。。

実は一旦因幡船岡駅でお別れしたFさん親子は若桜駅で待っていてくれていました。ゴール予定時刻をお伝えしていたのですが、八東駅でのお話が楽しすぎて大幅に遅延してしまい、あまりに遅くてFさんから連絡がきました。あの時は申し訳ありませんでした。

丹比駅からはペースアップ

終着駅のひとつ前は丹比駅です。

丹比駅の証拠写真はまだ元気そう。

丹比駅までは駅の間隔は2〜3キロですが、最後の丹比駅から若桜駅までは5.7キロと6キロ近くあります。さらに長い直線があり上りもキツくなるので、もう一度気を引き締めて丹比駅をスタートしました。

残っている記録を見ると、そこまではキロ5分台後半で走ってきていましたが、最後の区間はキロ5分台前半までペースアップしていました、最高はキロ5分19秒でした。
3人ともほぼ同じ走力だったので、最後はがんばってペースを上げてしまったのだと思います。走りながらの会話も少なくなり、時々「がんばろう!」と声を出して励ましながらひたすら走った最終区間でした。

若桜のまちに入ると声援が!

若桜町に入ってからの直線が終わって、若桜のまち中に入るゲートをくぐるとラスト約1キロとなります。

城下町若桜宿のゲート

若桜のまちに入って少し走ると、どこかから「Facebookで見ました!がんばって!」という声援が聞こえてきました。写真を撮ってくれていたので、声援に応えながら進んで行きました。声援のおかげで最後の走りに力が入りました!

若桜のまちの中を走って行くと左に若桜駅という看板があり、そこを左に曲がると若桜駅が見えてきます。そのまま近寄っていくと、Fさん親子がゴールテープを持って待ってくれているのが見えました。

最後は3人で手をつないでゴールテープを切りました!

後で聞くと、若桜駅で働かれていたFさんの知人にテープを貸してもらったとのことでした。

ちなみに若桜鉄道のFacebookページにもゴールの様子が取り上げてもらいました!掲載していただきありがとうございました。

ちなみにこの記事に香港の旅行会社の方から来年は参加したいとのコメントがありました。次の年にプレゼン資料を作成して送りましたが、実現することはありませんでした。

県外の方や海外の方がこのイベントに参加するためにこのエリアに来ていただけるようなイベントにしていきたいと考えています。そうなるように引き続き取り組んでいきます。

ゴール後にも驚きの出会いが!

この第2回大会のゴールの後にはさらに驚きの出会いがありました。

ゴール後に若桜鉄道の方と話をしていると、当時の若桜町長さんが歩いてこられました。郡家駅から走ってきたとご挨拶させていただくと、なんと町長さんも陸上をやられていて米子鳥取間駅伝も走ったことがあるという話を聞きました。さらには八頭高校陸上部の先輩で、僕や一緒に走った女性の大先輩であることまでわかりました!これには本当に驚きました!
来年は最後の直線だけでも一緒に走りましょうと話をしてお別れしました。

自転車のご家族ともゴール時間がほぼ一緒になり、若桜駅の前で一緒に記念撮影をさせてもらいました。若桜鉄道のFacebookページにも一緒に写った写真を載せてもらっています。

若桜駅にゴール後の記念写真は自転車のご家族と一緒に

若桜鉄道で郡家駅に帰るまでが「わかてつハーフ」

ゴール後は若桜駅周辺を楽しんでから、若桜鉄道に乗って郡家駅まで帰りました。

ひとりで走った初回大会の時には「往復でのフルマラソン」についても視野に入れていましたが、第2回の時には「帰りは若桜鉄道に乗ること」も目的のひとつと考えるようになっていたので「往復でのフルマラソン」の考えは消えていきました。

地域の公共交通を守るためには乗ることが一番の支援手段です。このイベントを楽しむことが自然に地域の公共交通を守ることにつながればいいと思いはじめていました。

ただひとりで楽しむためだけにはじめたイベントでしたが、その後継続する中でこのエリアの未来について考えることも趣旨として考えるようになっていきます。

第2回大会まとめ

ひとりではなくなった第2回の若桜鉄道全駅経由非公認ハーフマラソン大会について前中後編と3部構成で書かせてもらいました。

その後の大会でもお世話になることになるFさん親子、Kさんご夫婦にはこの第2回大会から参加いただきました。
「応援の方々も同じ参加者として一緒に楽しむ」というコンセプトはこの時にできあがりました。何もお願いしていないのに、勝手に応援して、勝手に協力して、勝手に楽しんでくださいました。コロナ禍でも継続して協力いただけた方もありました。今後はその恩を返すことを考えて行きます。

沿線のガイドをすることもこの時に自然と始まっています。
この頃はまだPTA活動の中で知った情報が多かったですが、さらに楽しんでもらえるように勉強しはじめるきっかけにもなりました。新編八頭郡誌などの資料を集めて「八頭郡誌を読む会」も開催することになります。

「ひとり」が取れただけではなく、本当にたくさんの人とのつながりができた第2回大会でした。

参加していただいたおふたり
応援していただけたFさん親子、Iくん、Kさん夫妻
若桜の町の中で応援していただいた方
若桜駅で出迎えていただけた若桜鉄道のKさん
たまたま居合わせて歓迎いただけた八頭高校陸上部の大先輩の前若桜町長
Facebook上で興味を持って見ていただいたみなさん
本当にありがとうございました。

イベント名:第2回若桜鉄道全駅経由非公認ハーフマラソン大会
開催日:2017/04/30
Facebookイベント:参加者2人・興味あり8人
実際に走った参加者:3人

さらに盛り上がりを見せた第3回(未公開)につづく


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