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両眼視検査6【AC/A比】/眼精疲労・頭痛ストップ!球面度数で斜位コントロール

私たちは、遠くから近くを見るためには、輻輳運動(ふくそううんどう)繰り返しています。

【輻輳力・調節力チェック方法】・・・予備検査編1

■ 4大輻輳

輻輳とは4つあります。(緊張性輻輳・調節性輻輳・融像性輻輳・近接性輻輳)合わせて4大輻輳と呼ばれています。

この中で、視力検査で十分注意する輻輳は、調節性輻輳(AC)で、この輻輳はその個人特有なもので、調節と連動して起こります。

最初の1D(デイォプトリー)に対しても最後の1Dに対しても同じ値の調節性輻輳が起こることが臨床データから証明されています。

そこでAC/A比という値が重要になります。

AC/A比は「単位調節量あたりの調節性輻輳の起こる量」ということで定義されるように、1D調節が起こるとそれに合わせ何△(プリズム)調節性輻輳が起こるかをあらわした値のことです。

私たちが、テレビを1mの距離で見て、スマホを40Cmで見ると1mの距離で1D調節し40cmの距離では2.5D調節してピントを合わせています。

計算は、簡単です。

テレビ 100/100cm=1D調節します

スマホ 100/40cm=2.5D調節します

実践では、AC/A比が即座に計算できるように眼図を右脳にイメージさせることです。公式の丸暗記をさけて即座にAC/A比が出せるように繰り返し暗算トレーニングを行うことでです。

【水平眼位の計測方法】


■ 植村式AC/A比計算テクニック

外・内
頭上からの眼図、視線の方向と斜位

頭上から見たイラストです。眼球右・左があります。黒い真っすぐに伸びた線が遠方視線です。上記テレビの視線です。内側に向いた黒い線が近方視線です。スマホの視線です。

左右の目の距離(瞳孔距離=PD)は、人により長さが違います(男性、女性、子供)例えば、PD60mmの人が1m先のテレビを見るためには、6△(プリズム)となりますね。なぜ?

*1プリズムとは、1m先のものが1cmずれて見えますね。

ゆえに理想的な視線の向き調節性輻輳(AC)は、PD60mmであれば遠方、近方の斜位がなければ、AC/A比は、6△/1Dとなります。

遠方黒線視線1m先(テレビ距離)1Dの調節をいれてピント調節します。この時のACは6△ですね。近方黒線視線は、40cm(スマホ距離)2.5Dの調節を入れて調節します。この時のACは15△になります。

PD55mmの人は、遠方5.5△で、近方14△になります。

PD65mmの人は、遠方6.5△で、近方16△になります。

PD70mmの人は、遠方7.0△で、近方17△になります。

実際の即座の暗算では、小数点以下はカットもしくは切り上げます。

上記が理想的な調節性輻輳値ですが、人の目は斜位が大なり小なりありますのでここからが重要になります。

例をだしながら考えてみましょう。

○ 例1(遠外斜位/近内斜位)パターン

PD60mm 

遠方水平眼位/3△BIベースイン

近方水平眼位/6△BOベースアウト


このパターンの人のAC/Aを上記イラストにあてはめて考えてみましょう。遠方水平眼位は、3△BI/外斜位ですね。外斜位は安静位になると眼位は外側にずれてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで青線ライン、プラスになります。近方水平眼位は、6△/内斜位ですね。内斜位は安静位になると眼位は内側に向いてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで赤線ライン、プラスになります。この斜位データとこの眼図を右脳でイメージさせ暗算で計算します。

【計算式】

15△+3△(遠外斜位/外+)=18△

18△+6△(近内斜位/内+)=24△

24△÷2.5D もしくは(×0.4)=9.6△

AC/A比=9.6△(High)となる。

このパターンの眼位の人(高AC/A比の特徴は、眼精疲労、頭痛、近方時の複視、老視の症状(文字のピンぼけ、カスミ)などです。

〇 例2(遠外斜位/近外斜位)パターン

PD60mm 

遠方水平眼位/1△BIベースイン(外斜位)

近方水平眼位/10△BIベースイン(外斜位)

外斜位/外斜位

このパターンの人のAC/Aを上記イラストにあてはめて考えてみましょう。遠方水平眼位は、1△BI/外斜位ですね。外斜位は安静位になると眼位は外側にずれてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで青線ライン、プラスになります。近方水平眼位は、10△/外斜位ですね。外斜位は安静位になると眼位は外側に向いてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで赤線ライン、マイナスになります。この斜位データとこの眼図を右脳でイメージさせ暗算で計算します。

【計算式】

15△+1△(遠外斜位/外+)=16△

16△-10△(近外斜位/外ー)=6△

6△÷2.5D もしくは(×0.4)=2.4△

AC/A比=2.4△(LOW)となる。

このパターンの眼位の人(低AC/A比の特徴は、近方時の輻輳不全、文字のだぶり、極度の眠気、集中力低下、スポーツではスピードに対する反応の遅れ、運転では深視力の低下)などが主な症状です。

〇 例3(遠外斜位/近外斜位)パターン

PD60mm 

遠方水平眼位/4△BOベースアウト(内斜位)

近方水平眼位/7△BOベースアウト(内斜位)

内斜位/内斜位

このパターンの人のAC/Aを上記イラストにあてはめて考えてみましょう。遠方水平眼位は、4△BO/内斜位ですね。内斜位は安静位になると眼位は内側にずれてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで青線ライン、マイナスになります。近方水平眼位は、7△/内斜位ですね。内斜位は安静位になると眼位は内側に向いてしまう眼ですね。すなわち上記イラストで赤線ライン、プラスになります。この斜位データとこの眼図を右脳でイメージさせ暗算で計算します。

【計算式】

15△-4△(遠内斜位/外ー)=11△

11△+7△(近内斜位/内+)=18△

18△÷2.5D もしくは(×0.4)=7.2△

AC/A比=7.2△(High)となる。

このパターンの眼位の人(高AC/A比の特徴は、遠方・近方時の開散不全、テレビ視聴やPC・スマホなど常に眼精疲労があり頭痛に悩まされる人のパターンです)などが主な症状です。

詳しい対応方法など続きは下記PDFを参照してください

両眼視のしくみ/ 実践暗算計算方法とAC/A比(調節性輻輳)からの判定と対応方法

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