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【祝!総合1位】一度は試してほしい逸品!地道な研究の積み重ねで生まれたとんぼ農園のほうれん草

2024年1月17日(水)に株式会社ビビッドガーデンは「2023食べチョクアワード」を開催いたします。

今年の食べチョクアワード1位は佐賀のほうれん草の生産者さんであるとんぼ農園さん。
去年のアワード圏外からの、大躍進を支えた農作物との向き合い方を聞いてみました。
(インタビュアー:生産者サクセスチーム/伊藤)


質に自信があるからこそ直販で。食べチョクとの出会い

--まずは食べチョクアワード総合1位、野菜部門1位の受賞おめでとうございます!受賞を知った時の感想を教えてください。

とんぼ農園 中島さん:
妻が受賞をお知らせする電話を受けたのですが、最初は信じられず思わず「なんでですか?」と聞いてしまいました笑 
直接事務局からお電話がかかってくることなんてあまりないので、クレームか何かあったのかな?と思ったくらいでした。
去年も一昨年もアワードを受賞された方を見ながら、「どうやったらこういうふうになれるんだろう、すごいな」と感じていたのでただただ驚くと共に嬉しかったです。

空に向かって元気に育つほうれん草の秘話とは

--ありがとうございます。食べチョクでの販売を開始したのは2年前、2021年の11月からですよね。
どのような経緯で販売を開始したのでしょうか。

とんぼ農園中島さん:
卵の生産者さんである本間農園さんがご近所にいらっしゃって、その本間農園さんにネット販売の相談をしたところ紹介してもらったのが食べチョクでした。

それまでは主に農協へ出荷していたのですが、せっかくこだわって質の良いものを作っていて、他のほうれん草とも味も違うし生でも食べられるのだから、しっかりとわかってくれるお客様に「とんぼ農園のほうれん草」としてで販売したほうがいいんじゃないか、とアドバイスをもらい出品することに決めました。

質の違いは土にあり。研究の上に実現したとんぼ農園のほうれん草

--私も先日注文させていただいたのですが、本当にこれまで食べていたほうれん草と明らかに違っていて驚きました。
どういったこだわりを持ってほうれん草を作っているのか教えていただいても良いでしょうか。

とんぼ農園中島さん:
ほうれん草は苦味が出やすい農作物です。
その苦味をうまくコントロールできるよう土づくりには特別にこだわっています。

一年中ハウスで生産するためには、土壌消毒といって、土の中の悪玉菌、善玉菌、虫などを一旦全部リセットしてしまう栽培方法が一般的です。土壌消毒をしないと特に夏は病気が出やすいです。

でもとんぼ農園では、土壌消毒をする農法だと持続性がないので、土壌消毒を行わない農法にしています。せっかく私を手伝ってくれた微生物たちが、一生懸命仕事をしてくれているのに殺してしまうというのは違うな、という思いがありました。
そのため微生物を土に定着させて、年々増やすような栽培方法が実現できないかと試行錯誤してきました。

こだわり抜いた土づくりから生まれる、とびきりのほうれん草

--なるほど。そういうこだわりから味が普通のほうれん草とは違っているんですね。

とんぼ農園中島さん:
ただ、この農法を話すのは簡単なんですが、実現するのがめちゃくちゃ難しいんですよね。
微生物を定着させるのも難しいですが、なによりも周りに同じような農法を行っている生産者がいなかったのでもう手探りでここまで辿り着くのが大変でした。

私は就農してから20年くらいが経つのですが、ある程度味も安定して収穫できるようになってきたのが5年くらい前からなんです。
それまでは手探りで土づくりをやっていました。微生物を定着させるために実現したい方向性は決まっていたのですが、その塩梅、微生物の動き方や有機物の量、材料の量がその方向性に向けて正しいのかを一つ一つ全部検証してきました。

いろいろ試しながらやってきたので、ものすごく時間がかかった。
他の生産者さんがお勧めする既存の農法も「本当にそれでいいのか?」と考えながら、有機物を入れて、微生物を育ててというのを15年、16年続けてきたような感じです。

研修時代。ここからとんぼ農園のこだわりが始まる。

--そこまでやっているんですね。すごい・・・!就農した時からずっとほうれん草一筋なんですか?

とんぼ農園中島さん:
就農した時は何か「赤い作物」を育てたかったんですよ。いちごとか、トマトとか。それで、修行時代はいちごを狙いました。あとは住んでいた地域の特産物がほうれん草やピーマンだったのでほうれん草もやろうかな、と。

当時はいちごもこだわって作っていたので、かなり美味しいのができていたんですよ。ただ実が大きくなりすぎて、当時は農協にしか出していなかったので全部規格外になってしまった。食べチョクに出していたら1粒1000円くらいで売れたんじゃないですかね(笑)

就農した20年前は農業界はもう底打ちの状態だった。その状態をチャンスと捉え就農を決意しました。だた既存のやり方をやっても未来はないと思ったため、こだわってこだわって生産していくことに活路を見い出していました。ほうれん草は葉物野菜なので1年間に何回も繰り返し生産することができるから、とにかく回数をこなしてデータも取得できる。

いちごやトマトだと、こだわって生産する方もいるのですが、葉物野菜で味を極めて生産する人は少ない。だからこそ誰よりもこだわって生産することにしています。

何度も何度も失敗を重ねた。その先の旨みを求めて。

こだわりの先に。とんぼ農園が目指すほうれん草と接客のこだわり

--ご自身のほうれん草の味やこだわりをご自身で評価するとしたら、一定の到達点まではきているものでしょうか。

とんぼ農園中島さん:
まだまだ先はある。
ただ、「ここまでは真似できないんじゃないかな」というところまでは来れたと思っています。
今の栽培方法は、相当覚悟がないとお金があってもできることじゃない。トライアンドエラーの積み重ね、もう研究研究研究の成果です。

試したいことはまだあります。
生産が難しいと言われる夏場にどう味をのせるのかとか。また味がのる秋冬ももっと上がある。
今までで一番良かったほうれん草は、収穫後ハサミで根を切ると、ほうれん草から染み出す糖分でハサミがベタベタになってしまうくらい甘いものだった。またそれを毎年実現できるようになりたいですね。

--こだわりの話が面白すぎてもっともっと深掘りして聞いてみたいところですが、それはまた別の機会にします(笑)。
食べチョクを始めてみて変わったことはありますか?

とんぼ農園中島さん:
そうですね。登録してすぐに佐賀県さんのキャンペーンとして取り扱ってもらいました。
その時はグッと売り上げが伸びました。そして何より、リピーターさんが多かったことが一番嬉しかったです。
私たちはホームページを持っていないので、食べチョクをホームページがわりにして販売しています。食べチョクにはこだわりなども書いているので、説明しやすくなりましたし、周囲の方にも理解してもらいやすくなりました。 
あとは妻がインスタを始めたりもして。食べチョクを軸にしながら色々派生していってインターネット上でも販売しやすくなりました。

--注文確定通知や、みんなの投稿の投稿欄をみてみると一つ一つの熱量がすごいですよね。どういったところに気をつけているのでしょうか。

とんぼ農園中島さん:
基本的にほうれん草自体は庶民的な野菜です。そのほうれん草に送料を支払って、価格もスーパーで買うよりは高い値段で買ってもらえる。これはとてもありがたいことです。

その上投稿では感想やお礼まで書いてもらえる。これはもう表現できない気持ちになります。
その気持ちを表現したのが通知のメッセージや投稿への返信です。本当はもっとありがたい気持ちを伝えたいのですけど、ちょっとあんまり多くてもお客さんも引いちゃうかな、という心配もあるので今くらいになっています(笑)
投稿が来るとやっぱりすごく嬉しいので、時間がかかっても最低限伝えたいことは返信したいなと思っております。

この時、あんまりかしこまりすぎると普通の業者のような形式ばった感じになりますし、馴れ馴れしすぎるのも失礼にあたる。
お客様が心地いいコミュニケーションが取れたら嬉しいです。

リピーターさんが多いのは、こだわりととんぼ農園さんの温かさ。

ピンチの裏にチャンスあり!「自分ができること」を打ち出していく未来

--ありがとうございます。最後になりますが、今回食べチョクアワードでは「#ともに創る」というテーマを掲げています。
そこには一次産業の未来も生産者さんたちと一緒に作っていきたいという想いがあるのですが、とんぼ農園さんから一次産業に携わる若い世代や、一次産業に興味を持っている方にメッセージをお願いします。

とんぼ農園中島さん:
農業の高齢化は、それはもうすごい勢いで進んでいて、もともと想定していた5年後10年後の農家が減った世界が、佐賀県ではもう2〜3年後には来るんじゃないかというくらい危機的状況です。ただやっぱりね、悪い状況の時ほどチャンスもあると思っています。
そのチャンスをしっかり掴んでほしいなと思っています。

やはりお客様あっての生産者なので、なんとなく物を生産してお客さんに販売するんじゃなくて、こだわりと気持ちを込めて一つ一つの商品を作ってほしいと思っています。

時間はかかるかもしれませんが、きっとお客さんも応援してくれるはずです。

私たちの商品は結局ロボットが作るわけではないんです。
人間にしかできないこと」、「自分だけができること」をやっぱり打ち出していくというのを若い世代にもやってほしいなと思います。

まあ、そうは言っても私たちもまだまだなんですけどね….汗

--自分が良いと信じたほうれん草を作ることに手探りの中、時間と情熱を注いだ中島さんのお話はとても刺激的で、1時間のインタビューの時間はあっという間にすぎていきました。
実際にほうれん草を食べてこの記事を読み返すと、より味わい深いものになるかと思います。
一人でも多くの人がとんぼ農園さんのほうれん草の感動を味わってくれますように!

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