NFTをMINTする際に早押し競争やクリック競争とよばれるものがあります。
海外だとFCFS(first-come first-served)。早いもの勝ちといった意味です。

早押し競争は正しい言い方ではない可能性があります

『早押し競争』という表現で会話がされることがありますが、
ブロックチェーンを介在する場合、正しくない可能性が高いです。

ミントの流れを絵にしてみました。
一般に早押し競争が行われているのはフロントサイトです。

フロントサイトを図にしてみました。
多くのケースだと値段、個数、そしてトランザクションを実行するためのボタンがあるのではないでしょうか。
このMintのボタンを早くクリックすることが早押し競争であるといわれています。
ですが、実際の流れとしては最初の絵の通り

①Mintのボタンを押す
②Metamask(ウォレット)が起動する
③サイト側の指定したコントラクトの許可、発行
④(ガスの設定)
⑤発行したトランザクションがブロックチェーンに承認される
⑥ミント可否

ミントができるか否かで大切なことは早押しではなく
自分の発行したトランザクションが人より早く承認されることです。
早く押すことはもちろんですが重要性はブロックチェーン上の速さの方が上です。
早く押しているのにミントができない人は最初の絵図の赤いブロック(在庫が残ってない)に遅れてトランザクションが飛んでいるような可能性があります。

人より早くトランザクションを承認させるにはどうするのか？

ブロックチェーンで人より早くトランザクションを通す方法は人より多くガスを使うことです。

ガスの設定を見てみましょう。
こちらの画像はEtherscanのGastrackerというページです。

https://etherscan.io/gastracker

ガスはBaseFee(基本手数料)とPriorityFee(優先手数料)の2種が存在しており私たちは普段の取引でも意識せずにこの2種類の支払いを行っています。
BaseFeeは2021年6月に行われたイーサリアムのアップグレード「ロンドン」でBurn(焼却)される手数料となりました。
PriorityFeeはマイナーに支払われます。

ブロックチェーンは分散して管理されておりバリデータは複数存在しています。
彼らは合理性を基にブロックチェーンを維持管理しているので利益となる美味しい案件(高額の依頼)ほど素早く処理します。
つまり早押し競争に勝つにはガスを他の人より多く支払うことが大切になります。
先ほどのEthscanの画像では25Gweiの人よりも27Gweiの人の方が早く処理されます。
早押し競争と言われているものもわかりやすく日本語で話されているだけで実際の多くのケースではガスの多寡できまっています。

ガスを多く支払う方法

スマートホンの場合

MINTボタンを押した前提で説明を進めていきます。

推奨ガス代の編集ボタンをタップ

提案されているガス代の青色部分をタップ
そうするとガスの編集画面が表示されます。

低い、マーケット、アグレッシブ
(恐らく英語だとLow、Medium、High)
の三段階のガス設定。
高度なオプションをタップするとさらに細かい数値が設定可能です。

PCの場合

Metamask起動後、市場のボタンをクリック

低、市場、積極的、高度な設定から選択できます。

高度な設定を選択した場合

これらの新しい値を「高度な設定」のデフォルトとして保存ボタンを押すと次回以降のトランザクション発行時にそのガスの設定で起動します。
なお、残したままにすると他のトランザクションを高額で飛ばしてしまう可能性があるので管理は注意が必要です。

高度なガスの設定は？

ガスの計算式以下の通りとなります
Gwei×ガス限度額(ガスリミット)＝ガス代となります。

1Gwei＝0.000000001ETH
Gwei＝最大基本手数料(BaseFee)＋優先手数料(PriorityFee)で計算されています。
ガス限度額(ガスリミット)は一度の取引で使う最大量の設定となります。
トランザクション毎に決まるので基本的にはいじらないで良い場所です。

仮に25Gwei(24BaseFee＋1PriorityFee)
一般的なトランザクションの21000をガスリミットとすると
25Gwei×21000(ガスリミット)＝0.000525ETHとなります

計算式は難しいので覚えなくて大丈夫です。
実際に高度な設定で利用するのはBaseFee(最大基本手数料)とPriorityFee(優先手数料)の数値を変更することが大切です。

BaseFeeはブロックチェーンを利用する際に使うFeeです
大きければ大きいほど早くトランザクションが通ります。
その分ガスも多く使いますが、使われなかったガスは戻ってきます。

PriorityFeeはマイナーに直接支払われるFeeです。
こちらも大きければ大きいほど早くトランザクションが通ります。
マイナーに多く支払うから早くトランザクションを通してねとお願いする手数料です。チップとも呼ばれています。
直接マイナーに支払われる費用となるため、最大基本手数料と違い返ってきません。

最大基本手数料は優先手数料よりも必ず多い必要があります。
ガス戦争となっている場合最大基本手数料だけでなく、優先手数料も上げないとトランザクションは通りづらいです。

ガスの値は何にすればいいのか？

参加者が多いほどガスは必要となり、ケースバイケースとなります。
国産でミントできる人が限られている場合のようなものはHIGHにするだけで通ることも多々あります。
(参加者が少ないことや海外の人の大量ミントが制限されていることでガス戦争が起きにくい)

今の時点でのガスの状態を確認し
可能であれば過去のガス戦争の値で推察しましょう。
他の方がどのぐらいの値に設定するのかはコミュニティで相談してみるのも良いかと思います。教えてくれた方よりも多くすれば通りやすいです。
(それぐらい重要な数値ですので言わない方も多くいらっしゃいます)
人気のミントの際などはCRYPTO流星街ではどうしよう？といった話もされていますよ

早押し競争とはガス戦争のことです

早押し競争と呼ばれるものは、ガス戦争GASWARと呼ばれています。
ですが実際には早押し競争ではありません。

この違いがあることを理解することでNFTのミントの際などに少し優位に立つことができると思います。
はじめは多くお金がかかることに恐怖を感じると思いますが
自分で許容できる範囲の中で色々と試してみてください。
試しておくことが次の＋になるかと思います！

書いた人：ネオエクスデス瀕死(@viwashi_)