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SBIRでも使える取得資産の管理方法!〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜

こんにちは!

本日の〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜では、「SBIRでも使える取得資産の管理方法!」と題して、国プロの事業で取得した取得資産(取得財産)の管理方法についてお話をしていきたいと思います。


1.「適切な管理」とは?

国プロでは、一定以上の金額で購入した設備や機器は取得資産(取得財産)に該当します。

購入した設備や機器が取得資産に該当する場合、事業者は、省庁や地方自治体等の国プロ事務局に取得した旨の報告をするとともに、事業実施期間(事業によっては事業終了後も)において「適切な管理」が求められています。

ここで、「適切な管理とは一体どういうことか?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
本日は、取得資産の管理のポイントについて説明をしていきたいと思います。

(1)報告通りの場所で管理をしているか?

まず、取得資産の管理のポイントの1つ目は、取得資産の設置場所が国プロ事務局に報告した設置場所通りであるか否かという点です。

この点について、「そんなことは当たり前だ」と思われる方も多いかと思いますが、取得資産が移動しやすい物であったりした場合は注意が必要です。
というのも、国プロ事務局に報告する設置場所は、住所のみならず、棟や階数、部屋番号まで指定しなければならないケースがあります。この場合、例えば、実験で一旦取得資産を別の部屋に移動させ、うっかりそのままの状態にしてしまったなどが発生すると、適切に管理されていないと判断されることがあります。

このように、移動しやすい取得資産などは、現在管理されている場所が本当に適切な場所であるかを定期的に確認することがオススメです。

なお、国プロの事業にもよりますが、設置した部屋を変更した場合であっても、移設届等の提出を求めている場合がありますので、この点は事前に担当の国プロ事務局に確認しましょう。

(2)他の設備と混同していないか?

取得資産の管理のポイントの2つ目は、取得資産が他の設備や機器と混同するような管理になっていないかという点です。

具体的には、例えば、遠心分離機等の研究機器を購入し、研究室に設置をした場合、どの遠心分離機が国プロで購入したものかが、一目ではわかる状態になっているかということです。

本来であれば、国プロで購入した取得資産は、原則、国プロの事業目的に沿って使用しなければならず、その他の用途で使用してはならないことになっています。
しかし、他の設備や機器と見分けがつかない場合、国プロのみに使用するように管理しているとはいえず、適切に管理されていないと判断される場合があります。

このような場合、国プロで購入した取得資産であることがわかるように、国プロの事業名等を記載した標示シールなど貼付し、他の設備や機器と区分けできるようにしておくことが有効です。

(3)物理的な管理体制ができているか?

取得資産の管理のポイントの3つ目は、取得資産が物理的な管理体制が整っている場所で管理をされているかという点です。

物理的な管理体制とは、例えば、施錠管理や入室制限等といった区域制限がされており、権限のある従業員のみが使用できるような管理体制のことです。

取得資産は、前述の通り、国プロの事業目的に沿って使用しなければならないため、持ち出し管理等にも気をつける必要があります。
そのため、誰でもが持ち出せ、使用できる状態ではなく、施錠等をし、権限のある従業員のみが持ち出し・使用できる状態にしておく必要があります。さらに、持ち出し記録や使用記録が残せるような管理体制にしておくと、より良い管理体制であるといえます。

少なくとも、入手制限がある部屋もしくは、施錠できる保管場所(キャビネット等)に設置・管理しておくのが良いです。

2.取得資産以外の機器・備品の対応は必要か?

ここまで、取得資産の管理のポイントについて説明をしてきましたが、実は、取得資産以外の機器・備品についても気をつけたいポイントがあります。

それは、PCやタブレットといった汎用性の高い消耗品の管理についてです。

PCやタブレットといった汎用性の高い消耗品は、取得資産に該当しないケースがほとんどであるため、上記の取得資産のような管理は求められていません。
しかし、これらの消耗品を複数購入している場合、購入した全ての消耗品が漏れなく国プロの事業目的に使用されているか否かを確認するため、設置場所等の説明を求められる場合があります。

そのため、PCやタブレットといった汎用性の高い消耗品を複数購入した場合は、それらがどこに設置・管理されているのかを一覧表にまとめ、誰が、どこで、どのような目的で使用しているかについて、説明できるように準備しておく必要があります。

3.最後に

いかがだったでしょうか。取得資産の管理については、国プロの事業ごとでルールが決まっていることが多いので、すでに事業を受託している方は、その内容をしっかりと把握する必要があります。一方で、本日お話しした内容は、どの事業でも共通する内容になっておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

また、国プロの取得資産の管理についてどうしたら良いかわからないなどといったお困りごとがあれば、ぜひ弊社までご連絡ください。国プロに関する豊富な知見を持った担当者が皆様のお困りごとをサポートいたします。
>>https://vlightup.studio.site/


ここまで、読んでいただき、有難うございました。
今後も、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、様々な角度からスタートアップ×国プロの説明をしていければと思いますので、次回もぜひ読んでみてください。

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