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実は大変!「経理検査」の準備とポイント!第2回 〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜

こんにちは!

前回の「実は大変!「経理検査」の準備とポイント!第1回」では、経理検査とは何かや経理検査の観点などについてお話ししました。そして、第2回では、実際に経理検査の受験を控えている方などに向けて、経理検査の当日の流れについて、お話ししたいと思います。

1.経理検査の当日の流れ

経理検査には、大きく分けて「実地検査」と「書面検査」の2つがあります。
「実地検査」とは、検査担当者が国プロの受託者のオフィスなど(検査場所)に赴いて実施する検査であり、
「書面検査」とは、検査書類を指定された場所に郵送し、書面のみで実施する検査になります。

ここでは、「実地検査」の流れについて、説明していきたいと思います。
(なお、以下の流れは、あくまで一例であり、省庁・自治体によって、流れが異なる場合がありますので、その点ご留意ください。)

まず、検査担当者が検査場所に到着したら、一般的に、以下のスケジュールで検査が進みます。

(1)事業の実施内容の説明及び事業の進捗状況の説明(担当:国プロ受託者)
(2)社内の規程類の説明(担当:国プロ受託者)
(3)経理書類の確認(担当:検査担当者)
(4)購入資産・設備の現物確認(担当:検査担当者)
(5)検査の講評(担当:検査担当者)

以上のスケジュールについて、各項目がどのような内容なのかについて、説明をしていきたいと思います。

(1)事業の実施内容の説明及び事業の進捗状況の説明

まず、「(1)事業の実施内容の説明及び事業の進捗状況の説明」では、当該国プロの事業内容の説明と進捗状況の説明を、国プロ受託者から説明します。
検査担当者は、事業実施中に連絡を取っていた担当者とは限りません。省庁によっては検査専門の担当者がいる場合があり、そのような場合、経理検査の際に初めて事業内容を聞くという検査担当者もいます。
そのため、「(1)事業の実施内容の説明及び事業の進捗状況の説明」では、実施計画書等を用いて、1からしっかりと事業説明をする必要があります。また、必要に応じて、進捗がわかる資料等も準備すると、検査担当者もよく事業内容を理解することができます。
なお、検査担当者は2〜3名で来られることが多く、説明資料も検査担当者の人数に合わせて準備しておくと良いです。

(2)社内の規程類の説明

次に、「(2)社内の規程類の説明」では、自社の規程類について、国プロ受託者から説明をします。
国プロの経理処理ルールによっては「社内規程に準ずる」というルールにしている場合があり、そのような場合、社内でどのようなルールで処理を行っているかを確認するために説明が必要となります。
従って、社内の全ての規程類の説明をする必要はなく、今回の経理検査に必要な範囲のみの説明で基本問題ありません。

(3)経理書類の確認

次に、「(3)経理書類の確認」では、実際に準備した経理書類を、検査担当者が確認します。この「経理書類の確認」は検査書類のボリュームによって、数時間かかるケースがあります。
確認中は、国プロ受託者の担当者は同席を求められるケースもあれば、退席して構わないケースもあるので、この点は、検査担当者に確認するのが良いです。
なお、退席をして構わないケースの場合でも、検査担当者からの質問を受け付ける体制(内線番号等を伝えておくなど)を整えておくことによって、経理書類の確認がスムーズに進みますので、その点配慮することがポイントになります。

(4)購入資産・設備の現物確認

次に、「(4)購入資産・設備の現物確認」では、購入した資産・設備について、実際に現物を目視で確認する現物確認が行われます。
この現物確認は、国プロによって実施するか否かは異なり、実施する場合は事前に連絡がある場合がほとんどです。
現物確認の観点は、
 ①実際に納品されているかや、
 ②どのような環境で使用されているか、
 ③適切に管理されているか
などの観点で確認が行われますので、この観点に留意して、現物確認の準備を進めると良いです。

(5)検査の講評

最後に、「(5)検査の講評」では、検査を通して、確認した内容や懸念事項・指摘事項・修正事項等の共有、総評等がされます。
この時、次回検査までに修正点等を説明される場合があるので、メモを取れる準備をしておくのが良いです。


このように、検査当日は上述のようなスケジュールで進み、早くて1時間、長くて終日検査が実施されます。
なお、経理検査は、基本的に、1日(1時間〜数時間)で検査が完了するケースがほとんどですが、証憑書類のボリュームによっては数日かかるケースもあります。

ここまで読んでいただき、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、経理検査は事前の準備が非常に重要になってきます。この準備を怠ると、終日でも終わらず、追加の検査を求められることにもなりかねませんので、次回第3回では、経理検査に向けた準備のポイントを説明していきたいと思います。

2.最後に

いかがだったでしょうか。ここまで読んでいただき、実際に経理検査がどのように行われるのかについて、具体的なイメージができてきたのではないかと思います。
次回「実は大変!「経理検査」の準備とポイント!第3回」では、実際に経理検査の準備を進めていく上でのポイントやテクニックなどについて、お話ししたいと思います。

また、経理検査など準備が大変でサポートをしてほしいなどといったお困りごとがあれば、ぜひ弊社までご連絡ください。国プロに関する豊富な知見を持った担当者が皆様のお困りごとをサポートいたします。
>>https://vlightup.studio.site/

ここまで、読んでいただき、有難うございました。
今後も、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、様々な角度からスタートアップ×国プロの説明をしていければと思いますので、次回もぜひ読んでみてください。

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