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J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV906

J.S.バッハ (1685-1750) ドイツ
♪幻想曲 ハ短調 BWV906
幻想曲とは作曲家の自由な発想に基づく器楽作品である。バッハ自身、この曲はクラヴィーア作品として作曲したが、今回演奏される2台ピアノ版(*)では、オルガンのような響きや厚さを持ち、2台のピアノならではの掛け合いを味わうことができる作品となっている。自筆譜は2つ残っており、一つは1729年の初稿。もう一つは1738年のもので、48小節で中断された未完のフーガが含まれている。曲は一陣の風のような下降する2オクターブのアルペジオに始まり、上昇するアルペジオと交錯する。中間部は対照的に和音の響きの変化に富み、その後冒頭が再現されるため、ソナタ形式のようにも感じられる。

*Lois von Haupt編曲のものです。

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