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フォーレ:パヴァーヌ Op.50、シチリアーノ Op.78、ラシーヌ讃歌 Op.11

G.フォーレ (1845-1924) フランス
フランスの作曲家でサン=サーンスにピアノと作曲を師事。パリのマドレーヌ寺院などのオルガニストを務め、パリ音楽院の作曲家教授、後には院長となった。

♪パヴァーヌ Op.50


フォーレの名を一躍世に広めた作品である。パヴァーヌとはスペインに起源を持つといわれる16世紀の宮廷舞踊。孔雀(Pavo)の優美さを真似た踊りであることからこの名前が付いたともいわれる。ゆったりと威厳のある舞曲。1887年にバレエ付きの管弦楽曲として書かれたが、モンテスキューの詩に基づく合唱が付け加えられたため、本来のパヴァーヌの性格は薄れたといえる。

♪シチリアーノ Op.78


フォーレ中期の作品で、もとはモリエールの戯曲≪町人貴族≫のための付随音楽として書いたものだが、後にチェロとピアノのための作品に書き直し出版した。フォーレは1898年にメーテルリンクの≪ペレアスとメリザンド≫Op.80の付随音楽を作曲する際、忙しく時間がなかったこと、そしてこのシチリアーノをとりわけ気に入っていたことから、第5曲目として使用した。劇中では庭園の中の泉のほとりでペレアスとメリザンドが戯れ、不安のない幸せなひと時を過ごす場面の曲である。

♪ラシーヌ讃歌 Op.11


フォーレ18歳の時の作品で、17世紀フランスの劇作家ラシーヌの宗教的な詩に基づいて作曲された合唱曲である。型通りの対位法や旋律表現も見られるが、澄み切った響きと和声の流れ、そして詩との見事な調和は高く評価された。すでに独自の世界観も垣間見ることができる作品である。

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