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感想:羽ばたきのバースデイ【天使の3P!】

────いつの間に天使が現れたの?

どうも!「TVアニメ『天使の3P!』SPECIAL LIVE~ファンとのくさび♪~」を終えて天使ロスになってしまい、久々にボカロ以外の音楽にどっぷり浸かったぐりーんです。今回は、この気持ちを熱が冷めやらぬうちにnoteにしたためてしまおうという目論見です。

で…普通ならライブレポートを書くところなのかもしれないのですが、今回はぐりーんらしく1曲にスポットを当てて語っていきたいなと思います!取り上げるのはTVアニメ『天使の3P!』OPであるBaby's breath羽ばたきのバースデイ」※です。ライブでは最初と最後に計2回演奏された、まさにコンテンツを代表する1曲になっています。

はじまりの合図はキミの歌さ

アニメそのものの内容には深くは触れず、楽曲についてひたすら語りましょう。この正に「羽ばたき」を感じさせるような詞から曲は幕を開けます。萌えバンドアニメのOPらしい爽やかさ、キャラのソロユニゾン直感的にカッコいいシンプルな演奏が耳にとても残ります。曲は歌(サビ)とバッキングのブリッジミュートから始まります。このあとベースとドラムとギターリフが一緒に流れ出してくるんだなあと予感出来る、ザ・王道の盛り上げ方。そして予感にしっかり応えてくる曲展開には分かりきっていても唸らざるを得ません。

さて…このペースで話し続けるとかなり止めどないことになってしまうので、いくつかのポイントに絞っていきますね。まずは「歌詞」です。バンドアニメのOPらしい、みんなで明るく前を向いていこうというテーマ性は「羽ばたきのバースデイ」というタイトルにも表出しているとおりです。しかし、ところどころでなんというかこう…表現が滅茶苦茶カッコいいんですよね。

たとえば1番Aメロ「流れる音 鼓動揺らしたよ まるで革命前夜のように」。音楽に衝撃を受けるというバンドアニメでありがちな情景を「鼓動揺らし」「革命前夜のように」なんて表せないですよ、普通。たぶん。それから、何よりCメロと落ちサビのところです。

どんなとこかな天国って
雨も風もない静かな場所かな
あぁ でも心に 音が聞こえなきゃね
つまんないよね多分(奏でなきゃシンフォニー!)

怖がらずPlay Music
ひたむきさ音色に変えよう
ステンドグラス揺らすぐらいSing
いつの間に天使が現れたの?今!

『天使の3P!』というアニメのタイトルに違わないように天国なんて言葉を使ってますが、結局どこにいたって死んだって音楽がないとつまらねえ!ってことを歌ってます。

そして落ちサビ最後の一節「いつの間に〜」ってとこですね。正直、歌詞の繋がりだけを考えると「??」ってなる気がします。僕が思うにここだけはある意味で独立してるのかなと感じます。曲を聴いててもそう思います。このアニメの主人公である貫井響(ぬくい きょう)は、彼女たちbaby's breathをプロデュースするのですが、この一節はそんな彼の気持ちであり、そして我々ファンの気持ちを代弁してるような、そして一緒に「今!」と叫びたくなるような尊い一節なんです。

怖がらずPlay music!

次に「コード進行」の話をしましょう。久しぶりですね。とはいえ全部やると長くなるので、特に好きな場所の話を。この曲のどこが特に好きって、迷わずサビなんですよね。むろん先述の落ちサビも含めて。

サビは大きく前半部と後半部に分かれます。前半部は歌い出しを除く各サビの頭の部分で、後半部というのは歌い出しの「始まりの合図は〜」や落ちサビの「いつの間に天使が〜」から始まる部分に該当します。

まず前半部。
│D    │A/C#  │C    │Bsus4 B  │
│G    │DM7/F# │Em F#m G │ Bb A  │
…とまあ、オンコード(分数コード)があったりsus4があったりと説明するにもかなり複雑なんですけど、着目したいのが各コードの構成音の基音になっているところです。4小節ひとまとめで見たときに、その構成音はコードが進むごとに半音ずつ動いてます。上だとD→C#→C→Bといった具合でしょうか。こういった進行を半音階進行、またの名をクリシェ進行なんていいます。その楽曲のスケールを無視するのが特徴で、その滑らかさとエモさ故にバラードなどに多々見られる進行と言えます。

ちなみにsus4はまとまりの結びの直前に持ってくることでちょっとドラマチックな展開を曲に与えるアクセント…という感じですね。

そして後半部。
│G   │A    │D  A/C#│Bm A  │
│G    │A    │Bb   │C    │
│ Dsus4 │D    │(Dsus4) │D
クリシェもめっちゃ使われてますが、出だしの部分では使われてませんね。G→A→Dまでの進行は、いわゆる「王道進行」のそれです。王道進行の中でもSDT進行に類されるこの進行は、あるフレーズを引き継いで終わりへ繋げていくという特徴があるのですが、それをクリシェに繋いでsus4も使いながらドラマチックに、滑らかに落としていくというのがこのサビの特徴です。聴いていてとても癒される、正に天使のコード進行、天使のメロディです。

───────── 今!

最後に「ライブ映え」の話を、実際にライブに参加してきた身としてここに綴らなければ終われません。冒頭でも触れたかもしれませんが、この曲は同ライブ中において二回、それも一番最初と一番最後に演奏されました。最初の方はbaby's breathのメンバー、つまり声優さん達による生演奏生歌唱。そして最後の方は声優さんたちに楽器を教えた先生…すなわちプロのミュージシャンによる演奏で声優さんたちは前に出てきてタオルを回しながら歌うというものでした。

最初の声優さんの演奏は拙さこそあったものの、この次元の演奏力を、本業である声の仕事の合間に習得したと思うと感動が込み上げてきます。最後のプロ演奏、通称「先生の3P!」の演奏はCD音源を遥かに上回るエモさを持ち合わせており、声優さんたちも歌いながらステージを駆け回ることができるその自由度ゆえにまた違ったよさがあり…

そしてキャスト陣がファンに一緒にタオルを回そうと煽ってきてくれたこと、サイリウムを振ってコールを打つという従来のアニメソングの在り方よりもバンド音楽であることを強調してる感じがしてとても好きでした。アニメ系のイベントでマフラータオル買わなかったことを初めて後悔しました。

一番好きだったこともあり、最初に終わってしまったから、もう生で「羽ばたきのバースデイ」を聴けることはないんだなあ※※と少ししんみりな気持ちだったところ、最高の不意打ちを最高の演出で喰らわせてくれました。改めて「TVアニメ『天使の3P!』SPECIAL LIVE~ファンとのくさび♪~」、最高のイベントでした。天使に心から感謝を。

最後に一つだけ。このnoteを投稿した翌2018年2月22日に、当該ライブ後初となる、そして同時に最終回となる公式ニコ生があるので良ければ是非!baby's breathの3人に加え、主人公の貫井響を演じる井上雄貴さんがゲストに登場します。ステマで終わるクソっぷりですね!ぐりーんでした!

リンクはTV版

※※天使の3P!baby's breathのベース担当、紅葉谷 希美役のキャストである遠藤ゆりかが2018年6月1日をもって芸能活動から引退することを発表しており、少なくとも「現メンバー」でのライブはもう行われないことになっている。ちなみに本ライブはコンテンツの集大成(原作は続いているが)と銘打たれていたため、キャスト変更の線も薄いと考えられる。

追記:Baby's breathが遠藤ゆりかの引退が迫る今のタイミングで期間限定復活を遂げ、新曲を提げて5月6日の『徳島マチアソビ』、27日の『Baby's breath.ライブ 〜もうちょっとだけ一生懸命奏でますっ in 東京〜』にてライブを実施することが決まりました。
参戦は叶いませんが、最後の最後まで駆け抜けてくれたBaby's Breathに心から感謝を伝えたいです。

※※※このnoteは2月の頭、当該ライブの直後に書き始めたものに加筆を加えたものになっています。

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