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【番外編】10選を語る【2017】

昨年の暮れに書きためていた撫子色ハートの感想noteを誤削除してからというもの、膨大な文を一から書き直したくない気持ちと、それでも形に残したい気持ちとのジレンマに揺れていました。そしてやっと結論に辿り着きました!

ということで!今回は番外編!撫子色ハートを含めた10選をまとめて語って、次からまたナンバリングの感想noteを書いていくという大筋の流れでいく予定です!去年の暮れみたいなペースでは出ないと思いますが、できるだけ頻度維持していきたい!

それで、10選を語るといってもいつもみたく好きなことを好きなだけ書き綴っていたら数万字必要になりかねないので今回は各曲のポイントを一つだけ上げつつ紹介していくという形式でいきます!さあ語るぞ〜

※画像はハウリング・マイハートのスクショを用いています!

ハウリング・マイハート/のぼる↑P

🅿️oint! 当時の面影をそのまんま残したのぼる↑のロックサウンド

他所でもよく喋るのですが、僕が今まで聴いてきたボカロ曲の中でゴーストルールに次いでハマったと言ってしまっても過言ではないのが、のぼる↑Pの「ショットガン・ラヴァーズ」です。そして、この曲はそのショットガンを初めて聴いたときと似たような衝撃を僕に与えてくれました。

特にラスサビ直前のBメロからラスサビに掛けての怒涛の展開はショットガン・ラヴァーズを彷彿とさせるというよりもむしろ、瞬間風速でそれを上回ったと言ってもいいだけのものでした。ラスサビの何がすごいって、転調が大胆です。普通あんなにがっつりキーを上げる挑戦的なこと出来ないです。上手く繋がらなくて不自然になりかねないので。だから度肝を抜かれた。

あとこの曲はオフボがいい。のぼるさんのギターはストレートで、聴いていてとてもスカッとします。

デンノウス・キルズ/cosMo@暴走P

🅿️oint! もはや別な曲?原曲「電脳スキル」との比較

cosMoがデビュー作「電脳スキル」を10年越しにリメイクしたこの作品。正直な話、電脳スキルの面影は探そうとでもしないと分からないかもしれないです。Bメロのメロディラインは「消失」のイントロなどにも用いられているcosMo曲お馴染みのフレーズをそのまま形として残していますし、曲を通して伝えようとしている事はほぼほぼ同じものだと思います。ですが歌詞は全く違うし、癖もかなり変わっているし、曲の中でも印象に残りやすいイントロやサビは大胆に作り変えられています。これが今のcosMoと過去のcosMoの交錯するところ、10年という時の重みなのだなとしみじみ思わされます。

撫子色ハート/ユリイ・カノン

🅿️oint! クライマックスのカノン進行を刮目?せよ!

今は亡き幻のvocanoteでは、歌詞と構成とコード進行の3つの観点でこの曲について語りました。中でもこの曲のどこが好きかと聞かれれば間違いなくこう答えます。『「生まれた意味なんて」以降のクライマックス部分である』と。非常に前向きで力強いそれまでの歌詞が「生まれた意味なんてわからない」という本音をより強調し、今までほぼ「AメロBメロサビ」の鉄則に沿ってきた曲構成が明らかに雰囲気の変わるこのパートを強調し、それまで「和風」を貫いてきたコードとメロディーがカノン進行による洋風で聴き心地の良いことこの上ないサウンドを強調する。この完成度の高さと最後の盛り上がりがこの曲の真髄だと思います。

ひとごろしのバケモノ/和田たけあき(くらげP)

🅿️oint! まるで泣いているかのような調声と物語の調和

物語調の楽曲というのはボーカロイドにおいてはかなり初期から光を浴び続けているジャンルなのは間違いありません。この曲が特異なのは、この曲が初音ミク10周年を祝う記念盤の「Re:Start」への提供曲であることと、初音ミク自身は一切ストーリーに登場しないのにも関わらず、自身の歌として感情を込めて歌っているように聴こえる神がかった調声です。

存外明るく軽快なギターリフから始まったかと思えば、初っ端から「みすぼらしい人生だった」という衝撃な始まり方をするこの曲。独特の雰囲気にグッと心を掴まれるんだけど、泣きはラスサビ。「泣かないでいいよ」と歌うミクの歌声は確かに泣いてるかのように震えている(ように聞こえる)んですね。で、バケモノ視点に戻るラストのAメロの声色からは泣いているような感じはしない。でも哀愁は物凄く感じるんです。理由はまず一番最初のメロに回帰して、こいつが「ひとごろしのバケモノ」と呼ばれているという説明を想起させてることが一つ。それからもう一つ確信できるのは転調の妙です。泣きのラスサビのキーのままAメロに戻る、これが感動的な曲展開をめっちゃくちゃ助長してると思います。

元気でいてね。/カルロス袴田(サイゼP)

🅿️oint! 90秒に詰め込まれた優しく暖かいサウンドに惚れる

ふざけんな!ふざけろよ!(大歓喜)というのが初見時の感想。アニメのEDかの如く90秒に纏め上げられた、明るい、でもどこか寂しげなサウンド。恐らくこれ、BPM落として、ウナの声をSWEETにして、スティックのカウントとカウベルの音を抜いて、キーボードを普通のピアノの音にするだけで相当しっとりなバラードになります。多分ね。

でもこの曲は上記のような要素があるから切なさの中に明るさを感じられる。だからこれが最適解なんですね。実際はおまけだからってだけなのかもしれませんが、ワンコーラスだからこその良さが活かされてきているサイゼPのおまけ曲の中でもこれは少し異なるスタンスがとられているように感じます。「これ以上歌い続けたら泣いちゃうからワンコーラスだけ歌うよ」みたいな。良くないですか?

早過ぎたラブロマンス/ラマーズP

🅿️oint! なんなんだー!?なんなんだー!?おまえは一体なんなんだー!?

どっからツッコめばいいんでしょうね!?ショートバージョンの時点でかなり高評価を受けていたこの曲だけれど、ラップとその前のコーラスパート、台詞パートと落ちサビが加わって相当パワーアップして戻ってきたフル版を一度でも聴いたが最後、悔しいけどヘビロテしてしまいました。

ラスサビで上に転調するんじゃなくて落ちサビを「下げる」手法を取ったのはこの曲に関してはかなり正解だったと思います。それを置いておいたとしても、こんなにリズミカルに語録並べてしっかり意味の通る歌の詞(?)として成立させてることと、ラマーズPの可愛い絵柄で可愛いロリ娘4人を描かれていることだけでもリピーターになるには十分だったと言わんばかりです。

リバースユニバース/ナユタン星人

🅿️oint! 歌詞に詰め込まれたナユタンのボカロへの、そして初音ミクへの愛情

たくさんのミク曲のタイトルや歌詞に始まり、果てはsippotanの名前のようなコアなファンにしか伝わらないだろうニッチなネタまで緻密に仕込みながらちゃん一つの歌の形として繋がりを持ったナユタンの珠玉のお祝いソング。伴奏にエイリアンのリフ入れたり、分かりやすいんだけど非常に繊細な、泣かせにくる芸が多すぎてもうダメですね。

この曲からはボカロPナユタン星人だけでなく、古参ボカロリスナーナユタン星人が垣間見えてとても嬉しく暖かい気持ちになりました。アルバム版と歌詞を変えて砂の惑星に対するレスポンスをしてるのも良かったな。改めて気付く、僕こういうストレートなのに弱いんですね…

ネイビーブルー/水町涼

🅿️oint! シンプルに爽やかロック…かと思えばかなり独特の展開?

この曲、流れだけで言えばAメロ、Bメロ、サビを2巡してCメロ、落ちサビ、ラスサビというシンプルイズザベストな王道の展開なんです。でも、2サビで早くもラスサビさながらの転調をするその展開は決して平坦なものではありません。落ちサビでは僕の好きな「下げる」転調が来て、その突飛な展開にしっかりと道筋を与えています。そしてラスサビにはそれまでのサビのメロディーから大幅なアレンジが加わっており、終わりを実感させる構成になっています。

「構成」とは一口に言っても、Aメロ、Bメロのような大まかな構成を見るだけで終始せず、同じAメロ、Bメロ、サビでも「小節数、調、メロディラインの変化」を見るとさらに面白いんだよというのを教えてくれた曲の一つです。

Hatsune/1640mP

🅿️oint! ブランクなくずっと曲を出し続けた二人が今のボカロ界隈に抱く気持ちとは?

164も40mPも今年2018年でデビュー10周年を迎える古株のPさんで、その中でもコンスタントに曲を発表し続けた二人です。2017年は色々な人が「初音ミク」「ボーカロイド」「ニコニコ動画」などに対して思っていることを曲にしたためてきたと思います。この曲もタイトルから二人の思う「初音ミク」を音楽に昇華したものというのは分かると思います。

淡々と「何も変わらないままに」過ごせることを願ってきたけれど、気付けばそれじゃ物足りなくなっていく。広がり続ける世界に向けて、「自らの存在」を自らの歌声で証明したい。そうしてその名前を大衆の記憶に刻めたならば、そんな素敵なことはない…という明るく前を向いた強い意志を感じられる一曲。

四角い地球を丸くする/TOKOTOKO(西沢さんP)

🅿️oint! 奇を衒うこともない、いつも通りの西沢さん。なんだけれど…?

最後の一曲は雪ミク2018のテーマソング!ささやかな冬感は添えられつつも、聴いただけじゃ雪ミクテーマソングであると気付けないくらいには平常運転の西沢さんPという印象でした。軽快なギターのカッティングに、とても印象に残るメロディ。

独特の歌詞回しと跳ねるようなリズム感が魅力のこの曲。その理由はkeiseiさんがTwitterで言っていたのを見てなるほどと思いました。受け売りさせていただくと、「1音に2音節以上を詰め込むセンス」が最先端。

あと「アイデンティティお持ちですか?」って歌詞めっちゃ好きです。僕も僕なりのアイデンティティ持って生きていきたいです。

…という感じで早くも(?)10曲終わってしまいました!これで僕の2018年が始められますね!

あけましておめでとうございます!(大遅刻)

2018年もぐりーんは相変わらずな感じで自由に色々やってくのでよろしくお願いします!終わり!

追記:本記事中にて取り上げた「ハウリング・マイハート」ののぼる↑Pが本noteを一読してくださり、(Twitter上で)拡散とコメントまでしてくださいました!嬉しさが天元突破してしまったので、ここにそのことを追記させてください。

#vocanote #VOCALOID #曲紹介 #感想 #2017ボカロ10選

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