見出し画像

はたらくくるま (ボイスサンプル裏話)

読み聞かせの時間が好きだった。でも時に苦痛でもあった。

なぜなら、「これ読んで~」と持ってくる本が「働く車図鑑」一択だった日は、自分が読み上げる車の名前が呪文に聞こえ、睡魔との闘いになるからだ。

短くてもいいから、せめて説明の文でもあればいいのにと何度も思った。子供は、大きな写真を指差しながら車の名前を次々と読み上げてもらうのがお気に入りのようだった。

しばらくすると、抗しがたい眠気が私を襲ってくる。ろれつが回らくなる。瞼が落ちてくる。何とか開けようとする。トムとジェリーのアニメによく出てくるシーンにあったように、短い棒で支えたくなる。

結局いつも途中で数秒眠りに落ちる。絵本(図鑑)と私の顔の間に、息子が顔を滑り込ませニヤニヤしながら見上げている。

はっ!
今日も寝てしまった。

「ねー。早く読んで~。」「また、寝てる」


当時を思い出して、原稿を自分で書いてボイスサンプルを作った。
読み聞かせではなく、子供番組の中の一部分といった感じに仕上げた。

https://www.youtube.com/watch?v=6EHSJUYST74

今まで作ったボイスサンプルは30秒前後の長さがほとんどなのに、これだけ、少し長め。これぐらいの説明文があれば、寝落ちせずに読めたのにと言い訳が入っている分、長くなってしまったのかも。

いや、本当のこと言うと楽しかったのだ。原稿を書いているときも、読み上げているときも。はしご車とミキサー車だけじゃない。実はあと1,2台分の原稿があった。でも、整音が大変なので、2台分の「はたらくくるま」になった。


まあ、説明文があったとしても寝る前の読み聞かせは、やっぱり私が一番に寝ていたのかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?