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週給5千円からプレミア王者 ヴァーディ選手のキセキ

本日のテーマはFAカップで52年ぶりの決勝進出し、初優勝を飾ったレスター・シティからです。

このレスターですが、2015年-2016年シーズンで下馬票を覆して優勝。ミラクルレスターと呼ばれ、岡崎選手も在籍していたことから、この快挙を覚えているリスナーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その後も、着実にチームを強化してきており、中堅から強豪チームへ進化を果たしている途中といったところです。

その中でも、2012年からクラブに在籍しているジェイミー・バーディ選手について、今日は取り上げたいと思います。

このヴァーディ選手、今でこそ得点王に輝いたりイングランド代表選手として活躍していますが、プレミアリーグデビューは27歳と遅咲きです。

また、キャリアのスタートは工場勤務からとかなりの苦労人で、努力して這い上がってきた選手といえます。

今日は、ヴァーディ選手のキャリアから、努力し続ける、諦めない力について考えていきたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部を文字に起こしたものです。

ヴァーディ選手の経歴と挫折 キャリアのスタートは7部で工場勤務との掛け持ち?

まず、簡単にヴァーディ選手の経歴について。
1987年1月11日生まれの34歳。ポジションはフォワードです。

サッカー選手としてのキャリアは、7部リーグのストックブリッジ・バークのリザーブチームから。
当時の給料は週休30ポンド、現在の日本円にすると5000円。それではもちろん生活できないいけないということで、工場勤務を余儀なくされ、最初はアマチュアという扱いでした。

ただ、そこから活躍をし続けて、7部、5部、4部、2部と少しずつカテゴリーをあげていきます。2012年から当時2部だったレスターシティに在籍、2014年についにプレミアリーグに昇格しました。

そして、2015ー2016シーズンに下馬票を覆してプレミアリーグ優勝に導きました。当時のオッズは5001倍で、宇宙人が見つかる対するオッズ1001倍よりも高く設定されていることから、いかに快挙であるかがわかるかと思います。

そして、今シーズンは、世界で最も歴史のあるサッカー大会であるFAカップ優勝にも導きました。

続いて、プレイスタイルについてです。
身長178センチメートル、76キロと、屈強な選手たちが集う、プレミアリーグでは平凡な体格ではありますが、得点を量産できています。

それを可能にしているのが、
・圧倒的なスピードとシュート能力
・判断力に優れている味方のパスに抜け出してゴールキーパーと1対1になっても冷静に得点を決められる
・さらに戦術理解力の高さ
です。

こちらはYoutubeチャンネル、ドッピエッタTV の抜粋です。

「彼のランニングは完璧で、正しい位置で動きを止めることもできる。本当に特別な選手なんだ」と現在のレスターの監督 ロジャースも称賛します。

また、戦術理解度、天性のスピードに加えて、闘志も全面に押し出すので、モチベーターとしても機能しており、チームとして欠かせない選手といえます。

レスター時代の活躍から見れば、なんでこんなに優れた選手が、7部リーグからキャリアをスタート、工場勤務を余儀なくされたのかさらに掘り下げたいと思い、Youtubeチャンネル ドッピエッタTVやプレミアリーグトークショーを調べてみました。

まず、ユース時代に遡ります。
当時2部であった、シェフィールドのユースチームに在籍、小さい頃から大好きでサッカーにすべてを捧げて、プロのサッカー選手を目指していました。
ただ、15歳を迎えるころ、「身長が低い、身体の線が細い」という理由で退団を余儀なくされます。
皮肉なことに、その後、20センチメートルと一気に身長が伸びましたが、一時期は愛するサッカーに向き合うことができないほどの挫折を味わいます。

その後は生きるために、1日12時間の工場勤務、肉体労働に従事します。

ただ、サッカーへの情熱は途絶えていなかったようで、勤務先の同僚のツテで当時7部や8部を行き来していたストックブリッジ・バークの熱心な勧誘に会い入団を決めます。

控えであるリザーブチームからスタートして、腐らず努力をしてトップチームに昇格します。

また、仲間思いで闘志を全面に押し出すバーディ選手を象徴することとして、当時からこんなエピソードもありました。

工場勤務後に、友人たちとバーに出かけますが、難聴の友人が馬鹿にされたことが原因で、他のグループと喧嘩を起こし暴行容疑で逮捕されます。

執行猶予付きで釈放はされますが有罪が確定。
そして、イングランドの風習として、電子タグをつけられ監視され、門限があるのですが、電子タグをつけてプレイ、試合後家に帰ったとのことです。

こんな感じで、やんちゃな一面もありますが、得点も量産していき6部リーグ、5部リーグのチームへの移籍と着実にステップアップに成功。

この移籍を機に、工場での労働への見切りをつけて、サッカー一本で生計を建てることを決意しました。
前向きに練習に取り組むことで、ストライカーとしての基礎も着実に積んでいきました。

こんな感じで、成果を積んでいき、5部リーグに在籍していたチームでもMVPクラスの活躍をして4部昇進の立役者となります。
活躍が認められ、ついに2012年当時2部だったレスターに引き抜かれました。

次のチャプターでは、引き続き、どんな感じでステップアップしたのか、どのように奇跡を果たしていったのかについて触れます。

ヴァーディ選手の"奇跡"と"軌跡" 成功の要因とは?

さて、前のチャプターでは、ヴァーディ選手の簡単な経歴、そして、キャリアのスタートが工場勤務と過酷な環境でありながらも着実にステップアップしていったことに触れました。

ここからは、さらにこの奇跡を起こしてきた、エピソードについて大きく3つ取り上げたいと思います。

1)史上初のFAカップの全ラウンド出場
7部のリザーブチームから天性のスピードと野生味あふれるプレイで結果を残します。
そこから、6部リーグのハリファックスタウン、5部のフリートウッドタウンそこで、4部への昇格を果たし、2012年、当時2部リーグのレスターに移籍ここからプレミアリーグに昇格、リーグ優勝、FAカップ優勝となりあがったて行きました。

そんな成り上がりなので、FAカップでは史上初の全14ラウンドに出場したという記録を残しています。

まずFAカップとは何かというと、フットボールリーグ10部までの全チームが出場可能で、今シーズンは736チームが参加。このトーナメントは予選も含めて全14ラウンド行われます。
8月にスタートして年末から年明けごろにプレミアリーグの1部や2部リーグが参加するというレギュレーションです。

バーディ選手は、キャリアのスタートは7部のリザーブだったので、予選1回戦から戦い、さらにレスターに移籍してからは、準決勝、今回の決勝まで進出しました。
一番下のカテゴリー、週給5,000円の時代から、プレミアリーグへステップアップ、ついにイングランドの全サッカークラブが集うFAカップで優勝という快挙を達成しました。

これ、日本の歴史を例に出しますが、農民から戦国武将となり、天下統一を果たした豊臣秀吉のサッカー版とも言えます。


2)ミラクルレスターの実現、最年長での得点王
ミラクルレスターについては多くのリスナーの方もご存知ではないでしょうか?

2015年-2016年シーズン、レスターは当時プレミアリーグの残留が現実的なラインで、優勝オッズも5001倍。この下馬評を覆しての優勝を果たします。
このシーズンでも、バーディは圧倒的なスピードを生かして優勝の立役者になりますが、得点ランクでは1点足りず得点王を逃します。

翌年以降も主力が抜けながらも、バーディ選手はクラブに残り続けて、クラブの象徴にまで上り詰め、ついに昨シーズン、得点王を獲得。
34歳での得点王は、史上最年長記録のようです。

また、資金力やスター選手が集うメガクラブに比べると劣ってしまいますが、レスター及びヴァーディは奇跡や快挙を達成し続けています。


3)天性のスピードや闘志で駆け上がりますが、2部、1部リーグで一度壁にぶち当たっても克服し続けていること。

2部リーグの初年度は26試合4ゴールが、2年目では37試合16ゴールと改善、プレミアリーグ昇格へ貢献。

1部昇格の初年度は、34試合5ゴールが、2年目では36試合24ゴールと改善、プレミアリーグ初優勝に導き、個人でも得点王にあと1点と大活躍。

トップリーグで身体能力だけでは勝てないと課題を感じ、不屈の精神で取り組み、更にきちんと対策をして克服をしていきました。こんな感じで取り組むので、次のシーズンでは順応して必ず活躍します。

それを象徴するコメントがこちら。
今シーズンのFAカップ準決勝で、ライン側でクロスをあげて、決勝点をアシストするのですが、チームメイトのオルブライトン選手もこのように称賛していました。

「ジェイミはーイヘアナチョの決勝点をアシストしてくれた。ライン側で競り勝ってクロスを上げるのは近年上達していると思う。
レスター入団当初はできなかったと思う。彼はスピードだけでなく、非常にテクニカルな選手でもある。

このようにヴァーディ選手のキャリアは、下部のチームから成り上がっていき、様々な奇跡を起こしていったシンデレラストーリーに見えますが、成功の要因は諦めないマインドをもっていたことかなと思います。

そのヴァーディ選手のマインドの話にはなりますが、
・キャリアの序盤では、大好きなサッカーを諦めそうになった
・でも遠回りながらもサッカーに取り組むチャンスを掴んだ
・だからサッカーができているだけで幸せだし、大好き、好きを仕事にできている、
・そしてレスターというチームを愛している

ということ。
それが、壁に乗り越える原動力になってるんだと思います。

このバーディ選手のサッカーに対する姿勢、仕事に活かせるポイントはあるのではないでしょうか?
次のチャプターで考えていきたいと思います。

遠回りこそが、俺の最短の道だった

さて、ここからはTipsについてです。

ヴァーディ選手の、生き方や諦めないこと自体が参考になるのですが、放送の元となったドッピエッタTVでチャプターの切り替えで使っていたコメントが印象的で、ヴァーディ選手を表しているなと思ったので、今回はこちらを引用します。

「遠回りこそが、俺の最短の道だった」

ちょっと補足すると、この言葉はジョジョの奇妙な冒険の名言のようです。

このドッピエッタTVですが、チャンネル運営者が漫画「ジョジョの奇妙な冒険」が好きな方みたいでして、ちょいちょいこの漫画のシーンが引用されます。

さて、話を戻します。
ヴァーディ選手ですが、シェフィールドのユース在籍時に退団を余儀なくされ、サッカーを一時的に離れ挫折。その後、7部リーグのチームのリザーブと下のカテゴリからキャリアをスタートします。

そこで培った、反骨心があるので、闘志を全面に押し出せるプレイにつながっています。
ただ、上のカテゴリに行けば、行くほど、天性のスピードや闘志だけでは通用しない、ということで戦術についての理解、上のカテゴリーでの戦い方を少しずつ身につけていった。

結果として、反骨心があるので、なんとしてでも克服してやりたいという思いがエンジンとなり、着実に階段を登っていき、克服していったそれが今につながっている、そんなヴァーディ選手を見て周りの選手も奮起される、結果として奇跡につながっているんだろうなと思いました。

また、月曜パーソナリティのバミューダさんの4月26日放送回で、NBA渡邊選手を取り上げたときの「正しい努力」というのも参考になるなと思います。

この回では、NBA契約を今期勝ち取った、渡邊選手の努力に注目した回で、監督から求められる評価に収まるだけでなく、正しい努力というのは自分が課題に感じたことに対して上積みをする努力ということです。

あとは、世界のホームラン記録を樹立した王貞治さんが残した名言
「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。」
ということでしょうか。

つまり、努力には最短ルートは存在しないということです。

そんなことを踏まえると、今回のTipsですが、実践的なTipsというよりも思考的な教訓ということで
「キャリアは一本道ではない、遠回りすることで身に付くこともある」としたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部を文字に起こしたものです。
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併せて以下のnoteもご確認ください

今回の放送で、例に出した過去の放送回のnoteはこちらです。


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