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ドラフト回 カープのスカウトから学ぶ目利き力を養う方法

このところ連続でプロ野球を取り上げていますが、正にレギュラーシーズンは佳境を迎え、今年は同時にドラフト会議も行われている今週はプロ野球に注目せざるを得ないでしょう。

そのなかでも自分にとってはドラフトと言えばカープなんです。各チーム名スカウトと呼ばれる人がいたり、昨日のミネさんの回のようにチーム全体で人材を確保しに行くストーリーがあったり数々のドラマがありますが、カープのスカウトのエピソードを紹介させてください。今日のテーマは「カープのスカウトから学ぶ目利き力を養う方法」です。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

カープ鈴木誠也 誕生に繋がった2012年のスカウトの努力

さてドラフトと言えばカープを連想してしまう理由は、以前どこかで耳にしたスカウトチームでクロスチェックをしないということが印象に残っているからです。

クロスチェックをしない、12球団の中でも珍しいです。

それもそのはず組織としてリスクを確認するという観点からは当然と言えるでしょう。カープはあえて、各スカウトの自立性と責任感を促すためクロスチェックをしない、スカウトの力量が試される(目利き力と社内上層部を説得するプレゼン力)

先週月曜日の回でご紹介した達川光男さんの「広島力」という著書の中にでも、当時コンタクトレンズのキャッチャーはあり得ないとされていた時代に達川さんを指名したカープスカウトのことが書いてありましたが、そんな個人レベルで勝負するスカウトに支えられてカープの人材獲得はなされていたんですね。

先日10/18のNumberWebの記事に正にそのことが書いてあり、このことを思い出すことになりました。
記事のタイトルは「カープスカウト“鬼のプレゼン”「4位じゃ絶対取れません」 無名だった鈴木誠也、ドラフト2位のウラ側」

カープの名スカウトと言われる「尾形佳紀(おがた・よしのり)」さんが2012年鈴木誠也選手をドラフト2位で指名することになった裏話が語られている記事です。2012年のドラフトと言えば、阪神藤波投手、巨人菅野投手、楽天則本投手ら実力者ぞろいの中、カープは当時ほぼ全く無名の鈴木選手を2位指名したのです。

これはクロスチェックを行わず、スカウトの裁量に委ねられているカープ尾形氏にとって、上昇部を説得するのは容易ではなかったことが容易に想像されますよね。

誰が見ても分かり易い結果を残した選手ではなく、甲子園出場していなくてしかもピッチャーだった選手を野手として2位指名する。記事には上層部を説得することがいかに難しかったか、いかにプレゼンを工夫したかなどが綴られています。
その結果が「カープの鈴木誠也選手」なので素晴らしい・なんという成功例でしょう!

・自分で正しいものを見極める力
・それを相手にも理解させる力
・自分で見つけたものを、投資という決断にまで動かす
・しっかりとした確信が無いと難しい
・しかも分かり易い実績がない

ワイン評論家ロバートパーカー氏 京都金閣寺住職有馬頼底氏の事例

カープスカウトの話を聞いて、ワイン評論家として有名なロバート・パーカー氏のエピソードを思い出しました。

ワイン好きはしっている・ワインの市場価格に最も影響を持つといわれるワイン評論家です。
ワインショップのポップに「パーカーポイントXX点」と書いてあるのをみかけたことはありませんか。
ロバートパーカー氏の評価はそのままワインの点数として受け入れられるほどに影響力があるんですね

エリンマッコイさんという方が、彼の半生を「ワインの帝王・ロバートパーカー」という本にまとめていますが、アメリカ人である彼が80年代世界のワインの最高峰と言われるフランス・ボルドーのワインについてヨーロッパの評論家とはまるで反対の意見を主張したのですが、後になって、熟成されたワインの味で見事に世間を説得する結果になりました。

ヨーロッパの名だたる評論家たちを相手に自分の主張を貫くのはかなりの確信と自信がないと難しかったことでしょう。

この本物を見極める力は現在更に重要度が増しています。
京都の金閣寺銀閣寺住職「ありま らいてい」さんをご存じでしょうか。
著書「真贋力」のなかで、情報があふれる現代社会でフェイクニュースと本物を見抜く力の重要性を語られいます。
真贋(本物か偽物か)を見極める力は、美術・芸術作品に触れる等、そもそも正解のないものに自分なりの答えを見つけ出す行為から得られるとしています。


ロジカルに正解かどうか誰も判断できない時代には、理屈だけでなく感性も磨く必要があるというのが最近少し流行りのアート思考ですが。

とはいえスポーツも仕事もしっかりと成果が求められる世界です。
自分なりの「正解」はひとりよがりではなく周囲に納得してもらえるものではくてはいけない

TIPS:本物を見極める説得力を養う~ポジションを取ることを意識する

自分なりに本物を見極めそれを以て相手を納得させる力を養う方法として、お薦めしたいのが「ポジションを取る」
皆さん普段からポジション取っていますか?ポジションを取るって何でしょうか?

これは、意見を求められたり議論の場において、自分の立場を明確に示すということです。言い換えるとあやふうあにしない。意見が分かれた会議の後でどっちがいいと思う?と聞かれて、なんとなく答えをぼかしたどっちつかずの態度をとったことありませんか?

ひとによるとは思いますが一般的には日本人はしっかりと自分の立場を意見として明確にするのが苦手という人が多いようです。
ディベートに慣れている国の人と比べるとその傾向は顕著なようで、聖徳太子以来「和を以て貴しとなす」の精神で、空気を読むことを強要されている、我々日本人は、議論を避けるところがどこかあるのかもしれませんね。

意見を求められたり議論になった場合、ついついどちらともない対応をしてしまっていたアナタ。しっかり自分は正しいと思うのか違うと思うのか、プラスなのかマイナスなのか、黒なのか白なのか、ハッキリさせそしてそれを相手に伝えるよう努めてみましょう。自分の立場を明確にするというのは、投資のトレーダ用語としても用いられますね。経済や市場の動きは様々なファクターを考慮しなくていはいけませんが、結局は買うのか売るのかを決めて実行することになります。

ポジションを取ることは一方的に自分の意見を押し通すことではありません。むしろポジションを明らかにするためには、反対意見も考慮するということになります。
相手を説得する場合には特に多面的に物事をみたうえで何故そう思うのかを決める必要がありますよね。

そして、繰り返しになりますがスポーツや仕事は結果がでるわけですから、自分の主張に対する結果をしっかり検証する。
ポジションを取ってもその場限りで言いっぱなしだと、自分は忘れても相手は覚えていますよ。
とにかく自分の判断について、その後の結果を検証していくこと、何が正しく間違っていたかを自分なりに検証するPDCAを回すというのでしょうか。

本物を見極める力を養うのは簡単では無いでしょうが、まずは見極めようとすること、そしてそのことにつて相手を納得させるほどに説明が出来ること、すなわちポジションを取るということ。
更にはその結果を検証することで、その力が磨かれてくるのではないでしょうか。

物事に対する評価を公言することを避けがちだったアナタは特にまずポジションを取るというところから意識してみましょう。

終わりの挨拶

如何でしたでしょうか?
ポジションを取る意外と難しい。
ポジションありきですと、営業などでのポジショントークといわれたり良くない意味で使われたりしますが、自信をもって主張するにはしっかりとポジションを取れるだけの、深い洞察や幅広い視点からの分析が求められるわけですから、しっかりと訓練を積んでいけばきっと目利き力に近い物事を判断する力が養われてくるのではないでしょうか。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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