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「誰と働くか」という視点の重要性

新卒で人材紹介会社に入社し約10年程度、転職支援に関わってきた。企業の採用支援がメインだが、1000名を超える転職支援も経験し、さらに自分としても会社を起業した事もあり、仕事にとって一番重要な事(仕事選びの軸)は何かという事を考え続けてきた。

そこで毎回辿り着く解というのは、「(仕事は)誰と働きたいか」ということだ。この「誰を働きたいか」というのがベースにあり、必ず前提条件として存在している。それが満たされない状況では何をしても幸せになれないと感じる。

仕事は人生の多くの時間を費やす為、自己の幸福度とかなり密接に関係する。だからこそ、好きな仕事を見つけたいと思う人は多いだろうが、この好きな仕事というものを考える上で、必ず「誰と働くか」ということがベースとして存在する。

「どんな仕事をしたいのか」という問いに対しての明確な解を持っていない
といけないような風潮が世の中にあると思っているが、どんな人を働きたいのかという問いに対しての解は持っていて、それだけで仕事を選ぶことは決して間違いでは無いと思っている。
だから、なかなかやりたい事を探していて見つからないと思い、一生懸命自分が何をしたいのかを考えている人は、実は「誰とするのか」というアプローチで考えてみるのも良いと思っている。

勿論、自分の人生の中に大きな原体験があり、その原体験を元に、一生かけて(その原体験に基づく)問題や課題を解決したいと思える方もいるだろうが、人数としては多くは無いと思う。現代の日本で育ってこれば、何不自由なく生活出来るし、そんなに困った事も経験してこない。それ故、絶対にこうなりたいという強い願望は持っていない。

有名になりたいとか、お金持ちになりたいとか、本当にそういう考えをしている人も一部いると思うが、何が何でもそうなりたいと思っている人は一部であり、多くの人は「出来るのであればそうなりたい」とか「なんとなくそう思う」ぐらいの方が多く、例えば、家族や恋人、今までの友人や仲間を失ってまでやりたいことやりたいとは思えないだろう。

人間関係がベースであり、仕事選びにおいても、「誰と働くのか」という人間関係を重視した選択は間違っていないと思う。幸福感につながる人間の喜怒哀楽という感情のほとんどが人間関係に起因しているので、人生の多くの時間を費やす仕事においては仲間が大切だ。
その上で、会社のビジョンやミッション、業種や職種などの希望を決めて、仕事を選べば良いと思う。

自分には明確にやりたいことがないと嘆く必要はない。

エージェント時代に転職者から聞いた転職理由の本音は「自分の所属するチームの●●さんとの人間関係がうまくいかなった」とか、「上司と馬が合わなかった」というのが一番多い。つまり、会社を退職する意思決定に影響するほどのインパクトを持つのが人間関係(誰と働くか)だとも言える。自分がやりたいことが出来ないという理由で辞める人よりも、人間関係がうまくいかないという理由で辞める人のが圧倒的に多いのも、それが理由だ。一定人間関係に大きな問題なければ、面白くなくても何となく同じ仕事を続けている人がほとんどだろう。

「誰と働くか」というものをベースにして、自分のやりたいことを見つけられればもっと幸せになれるだろう。

でも、「誰を働くか(人間関係)」という観点を忘れてしまうと、何をしても幸せを得られない。

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