#114 Vince Staplesは何から逃げるのか?
VOLOJZA(ボロジャザ)という名前でラップをしたり、ビートを作ったり、アートワークをやったり、映像やったりしています。諸々メモがわりに書いて行こうと思います。
NETFLIXでThe Vince Staples Showを観た。
一話約三十分前後で、全五話で観やすかった。感想としてはChildish Gambino主演のAtlantaに近い印象。
だが風刺としてAtlantaより痛快さが低いのが個人的により後を引く作品になっているとも感じた。
それは彼の諸作品に通ずるとも感じる。直近のアルバム2枚は個人的に年間ベストだ。
共感されることを拒んでいる部分が共感するというか本人にもわからないもやもやとした部分が肝な気がする。登場人物の記号化を避けているとも言える。
ただ黒人にアタリのキツい警官 だけど
自分の音源のファン だったり
銀行強盗 だけど
地元のツレ だったり
愛すべき母親 だけど
彼女や周りにアタリがめっちゃきつかったり
地元の事をレペゼンしてラップし続けていた
だけど
繰り返されるVince Staplesなんて知らねえと言われる自虐
だったり
JAY-ZのThe Story Of O.J.っぽさも感じる。
どこまでラップで成功したとしても彼はロングサイドビーチ出身の黒人で、とはいえ彼の地元で彼は浮いている。MAGICのMVみたいに。
最終話では自分と同じ名前の男に銃撃される。
これはなるかもしれなかったもう一人の自分なのかもしれない。なるかもしれなかった自分を射殺し、第二話で融資を断られた事業の本人出演のコマーシャルがテレビから流れ、射殺された男の子供がそれをみている所でVince Staples Showは終わる。
Vince Staplesは何から逃げ続けるのだろう?
読んでいただきありがとうございました。
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