冒険者じゃなかった道具屋のお話/起業に必要な技術のこと

経営コンサルタント歴が2020年で17年目になります(2019年10月現在)

この17年間で、法人設立20社以上に携わりました。
新規事業の立ち上げ数で言ったら40事業以上(記録出来ないものも合わせたら74以上)です。

Twitterのビジネスクラスタでは「なまむぎ(@volt_a)」と申します。

初めに断っておきたいことが一つ。
私にとっての『起業』は、一般的な意味とは少し違っておりますのでご注意を。

起業者は冒険者
独立した起業者はロールプレイングゲームでいうところの『冒険者』です。
装備を整え、レベルを上げて、魔法(知識)を駆使してダンジョンに潜り。
困難な魔物と戦って、疲弊して、傷を癒してはまだ見ぬ宝箱を追い求める。

私の『経営コンサルタント』としての起源は2つありまして。

一つは、

一年間でいくつの成長事業を作れるか。その内いくつを法人化出来るか。その内いくつを売却出来るか。

私にとっての会社や事業とは、経済活動という荒波に漕ぎ出す『冒険者』として必要な船ではなく。
別の冒険者の人達のための、船や武器や道具を作っては売る『道具屋』としての商品でした。

もう一つは、

作っては売却した会社や事業、別途に買い取った潰れかけの事業、その他、依頼を受けて既存や新規の案件を改善したり創り直したり。

毎週のように増える、故障した船の修理と稼働テストと補強とか、親和性ある2つを統合して船団の設計とか。
会社や事業という品を修理する『技術工』みたいなものの、いち担当者でした。

私が所属していた某企業グループは『企業』自体を『商品』として扱っていたのです。

流派的な流儀の中に、
「自分の会社(独立&起業)は10社目に作れ」
というものがありました。

9社目以内に作った会社は、知識的にも技術的にも、経験値的にも足りないから必ず失敗するし、
起業する以前の『独立』という認識に対して『心』が幼いので、自前の会社を持つことは当面止めておけ、というもの。

実際に、9社目で自身の出資で事業起こして法人化した結果、某毎年3万人の中の1人に成りかけましたが、それはまた別の機会に。

人生を賭けて独立&起業した人たちとは『作業』の様に接していましたし、そうする様に心がけてもいました。

自身の企画で事業や会社を立ち上げることもありましたが、色々と考えた思い入れのある社名なんて1社目と2社目くらいで。

1社目は、その時点の自分の全てを集約して注ぎこんで創り上げたウェブ広告代理の会社でした。
ですが、1年ほど経ったある日、普通に某EC運営会社さんの子会社に売られて行きました。

可愛く育った我が子な会社をよろしくお願い致します……と送り出したものの。

数か月後、その会社で勝手に大量のスパムメールを流したらしく、警察のご注意企業リストページに掲載され。
「おおお……色々な意味を込めた人生初の社名や理念が……よし、会社に依存すんのやーめよっと」
となりました。

どうりで、先輩らは「この会社は名前なんにする?」「こないだはワン&トップだっけ?」「じゃあトップワンかな」「恰好良く英語にしね? T-oneで」とか適当にやっていたわけだと。

会社の設立とは、大前提に「社会に貢献します!」という『心意気』を宣言するものです。
私が『心』について理解するのはずっと後のことなのですが、ここでは『起業に必要な技術』についてお話します。

起業に必要な技術とは
街を歩きます。

ふと、立ち止まります。

商店街の八百屋さん、魚屋さん、お肉屋さん、新聞屋さん、雑貨屋さん。
そして今までは何の生業だか知ろうともしなかった会社にビル等々。
目に付く全てが、経済活動によって在るものです。

つまり、全て、何らかの事業によって、何かをどこかに提供し、何らかのルートでお金が動き、生活可能な労力で、生活可能な分の利益を生み出しているという結果です。

それに気づいたら、今ある全ての経験を駆使して、想像でベンチマークしてみましょう。
(ベンチマークとは、既存事業を測定し、比較&分析して再現する事)

再現する経路が脳内で再生出来たならば大丈夫です。明日にも起業しましょう。
何をしたいかだって決まるはずですし、決まっていたとしても、ひょっとしたらより良い企画に変わることもあります。

不明瞭だったら、理解しきれなかったら、行動を一旦ストップしてください。
実戦での授業料は、目が飛び出るほどにお高いのです。

多くの事業が存在しますが、それは創業期から色々を乗り切って数年後の、完成済みな『今』の姿なのです。
起業希望者がまず視るべきなのは、出来上がった既存事業でも、有名著名な偉人の伝記でもありません。

経営者たちの『創業前夜から1年間』を知るべきです。

成功者や挑戦者らの一歩目を知る技術を得たのち、既存事業を視て、正確に再現可能な設計図が描けるならば、誰もが経営者になれるのではないでしょうか。

簡単ではありませんけどね。
確定要素の何倍も、不確定要素の方が多いのですから。

法律の事情もあれば、世相や市場動向もあり。
人の意識も世代で違えば、常識だって違うので。

これらの『起業に必要な技術』を得るのに優秀な手引きが『ビジネスプランフォーマット』です。
ウェブ上に有志の方々が無料でUPしてくれている『新規事業計画書』です。

この書式に沿って記述して空白を埋めていき、概算の収支計画数字が入れば、多くの先輩方が成否を判断可能になります。

まとまった額の正式な資金調達には自己資金が必要だったりしますが「新たな展開をしないと未来はない!」と考える聡明な先輩経営者たちは『将来投資』を模索しています。

一部を視て、他と比較せずに「これはいける!」という思い付き企画にはリスクが膨大ですが。
様々な業種をベンチマークして比較して『起業に必要な技術』を以って練り上げられた新規事業計画書には、信頼と未来がある。

失敗せずに成功を目指したい起業希望者は、まず、自身の分身である渾身の『ビジネスプラン』を創り上げましょう。

そして、お披露目した瞬間から、あなたの『創業前夜』が始まる。

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