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文字数制限との戦い。

キャラクターコンテンツを作っていると、特有なのが「文字数制限」と思われる、
やはり小説や脚本と異なり「掲出先」の文字制約を受けるのは、独特なのではないかと思っている。

特に「短い文字列で、どうキャラ感を出すか?」とは、永遠の戦いが繰り広げられる。

限られた文字列でのキャラ表現の難しさ

かまいたちの夜のような、画面いっぱいを覆うノベライズゲームでない限りは大体「2行×約40文字程度」の壁に阻まれる。
Twitterの分量が140文字なので、それよりも少ない。そこに「キャラ表現」を載せる。
以前、某有名アイドルゲームPのおじさまは、
「喋り方や語尾に特徴を持たせるのはゲーム独特」という話を聞いた事があるが、
アニメ、実写などに比べていかにムービーシーンが多くなった現代でも台詞一つ一つにフルフルで視覚的な演技を付けるのは非現実的なので
声だけでなく言葉にも演技させるのだろう、とは思う。
アニメの場合は人の他に「空間」演技させる事ができるけど、ゲームの場合は動かす事前提のため「破綻しない空間作り」をするので、空間は演技できない、せいぜい情緒を醸すぐらいなので。

特徴点がある方がキャラは作りやすいが、言い回しが冗長になりがちになるので文字数制限との戦いになる。
無口キャラだと、主人公が情景説明してくれる対話型ならまだしも一方的なコメントだと情景が説明出来ないので、良い塩梅で文字数制限(及び改行との戦い)に落とし込まれる。
ただそこはもう細かすぎて伝わらないモノマネのようなもので、

大丈夫か?
大丈夫か。

で、「表現したいことは違うんだよ!!!」
と思う文筆業の方も多いのでは無いかと思うのだが、違うのだろうか。(いや、そうではない。)

制作現場の修羅場

また、基本的にはシナリオは履歴保存も兼ねてスプレッドシートで作っていくが、
実際実装の際に改行や見え面の問題で調節を入れたり今回は正直した。
特にタップしてどう見えていくか?という所が手探りで勘所を探していたので、ちょろちょろテキストを分割したり切ったり貼ったりして良い塩梅を探している。

通常、シナリオ班は実装班よりもだいぶ前に作業して、最低限の仕様(文字数制約まわり)が決まったら、いの一番に書き上げ納品を終わらせる。
通常完全納品後の巻き戻し修正はほとんどない、正直嫌がられるので、企画側の都合が発生しない限りは安易な修正は出来ない、受け付けてもらえない。
それは逆も然り、で仕様・デザインが詰まった結果、シナリオ量や仕様変更が起ころうものなら、
現場は暗雲立ち込め静かな地響きが聞こえてくる。文筆業の方は激昂する人をあまり見た事ないが、怒りは文章に現れるので、文字の覇気にゲロを吐きそうになる。

しかし、今回は実装とデザインと、シナリオ監修が同一人物なので、簡単にちょろちょろ治せて地獄の扉が開いている。

通常の制作現場だとここは明確な分業制で絶対に無いのでつくづく
「超級タイトルの第一線の方々は、どういう精神力で決定稿を仕上げてんだ」
という気持ちになる。

制作の現場こそ、現代における「神々の悪戯(あそび)」なのだと痛感する。

#運命ボイス #文字制限 #制作現場

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