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始まりはポテトチップス


※これは完全な自己満足のお話です。
読んでも「学び」はないかもしれません。

私の人生の備忘録として書いておきます。

私の人生は人との出会いでできている。

その出会いは、早くも遅くもない出会うべきタイミングでいつも訪れる。

私にとって何年経っても、どうしても忘れられない出会い。

新卒時代に勤めた会社の先輩。
(Sさんと書いておきます。)

Sさんは、スマートで、スーツを綺麗に着こなしていて、いつも清潔感にあふれていた(振り返ればこれは仮の姿なわけで)

ネクタイピンとかカフスを状況に合わせて使い分けてた。


出会ったばかりの印象は、
12歳も年上なのに「とにかく話やすい」「家庭的」
(あ、Mr.Childrenと宇多田ヒカルが大好きだったな。)

仕事ができそうな、話しやすい、普通のお兄さんって感じでした。

出会ったのは今から5年前。
私のいる営業部によく来てくれて、会う度に「仕事頑張ってるね」と声をかけてもらっていた。
正直、何で私に声をかけてくれるのか分かってなかった。

ある時、Sさん「これあげるよ」

A4サイズの封筒を渡されて開けてみると、その中に薄いビニールに入れられたポテトチップス。
Sさん:「いつも子どもに作ってるんけど、今日は会社の人に配ってる。」

ポテトチップスを手作りしている人に初めて出会った。
私:「ありがとうございます!」

実際に食べてみると、今まで食べていたポテトチップスよりもずっと美味しかった。

スライサーを使って凹凸をつけて歯応えのある食感にしたり、味付けに岩塩を使ったり、Sさんのこだわりが詰まっていた。

そこからポテトチップスのレシピを教えてもらって、実際に作ってSさんに渡すこともあった。

Sさん:「子どもと一緒に食べたよ、ありがとう。頑張って、一生懸命作ったんだろうなぁって思いました。橋本さんって真面目だけど、不器用だから。」

そこから毎日何気ないやり取りの中で
地元の果物を渡したり、Sさんがタピオカミルクティーをお昼休みに買って帰って、冷蔵庫の中に入れてもらったり、物々交換をずっとしていた。
(思い出せばこれも贅沢な時間)

ある時、私のデスクに来て
Sさん:「日経平均、何でこんな上がってんだろうね。」
ふとしたところから、Sさんとの授業が始まる。
ダウ理論やチャートの見方など、私に色んなことを教えてくれて、学んだ内容を共有し合うようになりました。

ある日、「他部署の人から色々教わるのを良くない」と、上司の取り巻きの人からやっかまれたことをきっかけに、私とSさんと個別でやり取りが始まった。(私はこの取り巻きの人をチルドレンと呼んでましたw)

Sさんとのやり取り、過ごした時間
私にとって一生忘れられない5か月間。

私の愚痴を聞いてくれて、
しんどいこと、苦しいことを受け止めて、時に(いや、いつも)盛大にイジって笑いに変えてくれて。
今まで出会った誰よりもストレート過ぎる指摘を突きつけられ、何度も何度もぶつかった。

私の敬語が完全に取れてしまって、
生意気いっぱい言っても、全部受け止めて、対等に話をしてくれて嬉しかった。

こんな生意気な小娘のおもりをしてくれて、
本当にありがとう。

いくつか思い出深いエピソード
(以降も、Sさんとのやり取りを対話形式で書いています。)


他にやりたいことがある

私:「仕事でミスする度にいっつも思うよ。なんでこの仕事しとるんか、分からんくなってきたわ。私ってさー、本当はもっと他にやりたいことあるじゃん?」

Sさん:
「あーそれは確かに考えた方がいいと思う。
人生は一度きりよ。本当、好きなことが仕事になればいいのにね。
でもね、やりたいことができる人って数限られてて、その中で折り合いを皆んなつけてるのよ。

それとあと一つ。

本気で仕事が好きだった俺が言うのもなんだけど、仕事が人生の全てじゃないから。

俺ね、離婚しているんだ笑
今、一人で2人の息子を育ててる。

橋本さんに会う1年前に、仕事もキャリアも家庭も一度に全部ぶっ壊れた。
精神おかしくなって、一回マジで気絶したし。

これまで仕事のために必死で努力したよ。
法人営業、本気でやって、賞を何度も獲って、ずっと行きたかった〇〇部(最難関の花形部署)にも行けたし。
だから、仕事も本当に好きだったし、早く出世もしたかった。

だけど…子どもの寝顔を見て思ったんだ。
僕の一番の幸せは、子どもと一緒に過ごすことだって。」

私:「やっぱり子ども可愛いなとかって思う?」

Sさん:「可愛いとかじゃないんだよ。顔を見ると大好きって思っちゃう。

だから、自分から人事に言ったんだ。今の部署だと早く帰れないから、早く上がれて保育園に迎えに行けるようにしたいって。

そうやって、〇〇へ出向が決まって、橋本さんに出会ったんだよ。」

いつの日かSさんにお昼をご馳走になったことがある。
まだ35歳でお若かったけれど、真っ黒な髪の毛にいくつか生えている白髪を見た。

「苦労は買ってでもしろ」

Sさんは本当に厳しいけど、努力をしないと、その先に行けないことも私に教えてくれた。

Sさん:「今日は勉強したんか?」

私:「できてない。駅前のマックでできんかった。」

Sさん「お前の場合は、甘いというか酷い。続けんと何も意味ないしな。」

「あとな、勉強って言われたからやるもんじゃない。自分からしたくなるのが勉強だし、そうじゃないと身につかない。」

「僕は負けず嫌いだからね。人より努力しないと、対等に仕事できないしね。甘えるくらいならもう辞めたほうがいいよ。」


恋愛相談

恋愛相談は同性よりも、経験値の高い異性にした方が良いということを教えていただきました。(指向はそれぞれ違うので、これはあくまでも私の意見です)

ここでは到底書けないことも含めて、本質的な意見をたくさん言っていただきました。(お察しください)

LINEのやり取りは側からから見れば、セクハラとパワハラの温床笑
でも、私にとっては全然そんなことないんだよね。

私:「あの、失礼を承知で訊きたいことがあるんですけど...いいですか?」

Sさん「どうぞ?」

私:「好きな人にアタックするにはどうしたら良いですか?」

私のことを最大級にいじる時に使用するスタンプ

私:「だって~」

Sさん:「え、何?恋愛経験ないの?」

私:「ありますよ、少ないけど。だから自信持てなくて、Sさんは正直に答えてくれそうだから。」

Sさん:「自分から話しかけること」と「笑顔を見せること」

思っている以上に単純でシンプルな回答を教えてもらった。

Sさん「××部の〇〇さんっておるやろ?
俺よりも年上なんやけど、笑った時の顔が可愛くて、そん時だけ好きになりそうw」

私:「私は?」

Sさん:「ミスしても辛そうな顔しないこと、怖い顔しない。外に漏れ出るネガティブオーラ。」

私:「泣」

Sさん:「仕事や人の文句、ネガティブなことを言い続けると一緒にいるのが嫌になる。
反対に楽しい気持ちにさせてくれる人のそばにいると笑顔になれるから、人が集まるし、信頼されるよ。だから笑顔が大事。」

私:「わかったよ。笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔笑顔」

Sさん:「ニコニコって顔に書いてやろか?そしたらみんな声かけてくれるよ。何書いとるんって。それで良いんよ。」

私:「わかった、ありがとう」

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Sさん:「人の言動を見れば、どんな人なのかはすぐに分かるから。」

私:「私はモテそう?」

Sさん:「私はモテない」

私:「怒」

Sさん:「おじさんにはモテそう」「マニアなやつとかw」

私:「私モテないの寂しい、モテたい笑」

Sさん:「でも事実でしょ?笑 いい女の特徴教えようか?笑」

私:「ひどい。教えて、お願い!!!!!」

Sさん:「まぁ顔は可愛い方がいいけど、実はそこじゃない」

「笑顔と愛嬌と気遣い」
「そして周りから愛されていること...誰からもね」

「あとたまにでいいから色気を感じさせることかな?いつもじゃなくてもいい」

私:「色気、、、」

Sさん:「それは皆無よ。」

Sさん:「橋本さんはまず、自分に自信を持つことと女性を磨くこと」

「自分で行動を起こすこと」

「人生は一度きり」なんだから。

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私:「そういえば、前の奥さんってどんな人だったんですが?」

Sさん:「アホ丸出しの美人。年下だったし、成長するかなって思ったけど、そんなことなかった。」

私:「年下っていくつくらい下だったんですか?」

Sさん:「3つ」

私:「ふーん。ずっと前から聞きたかったんだけど、Sさんってどんな女性が好きなんですか?」

Sさん:
自分より賢い人。
知識じゃなくて、人間的に。


お別れの時〜私に何を望んでいたのか〜


Sさん:「ここまでストレートに言ってくれるやつが他にいてくれればいいな。」

最後一つ、あなたに伝えたいことがある。

「嫌なことほど続けろ」
自分に足らないから、嫌だって感じるんだぞ。嫌だと思わなくなるまで続けられたら、それが自分の成長。

俺があなたに教えられることは、もう全部教えた。
もう連絡はとらないから。頑張れよ、小娘。


あれから5年。
故郷を離れ、今、全く違う仕事をしています。

振り返ってみても、こんなにも自分と向き合ってくれて、ぶつかって、時間も愛情も注いでくれた人はなかなかいない。

自分の成長を心から願ってくれていた人。

最後の最後まで、私気づいてなかったな。本当にごめんなさい。

またいつか出会える日が必ず来ると信じて、
1人の社会人として、女性として、人として、自分を磨きます。

もう一度、会いたい。

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