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都会の夕暮れ/ノベルティ


本日ご紹介の音源はこちら。
名古屋の新生、ノベルティによる5曲入りの配信EP。
2月に初ライブを迎えたばかりだが、音源としては既に2作目となります。
Vo.沢尻優さんのご好意で聴かせていただきました。
https://linkco.re/A7se2NEQ?lang=ja

1.「urban dusk」
バイエルのような軽やかなピアノの音から、無機質な打ち込みサウンドへ。けれどふんわりとした柔らかい雰囲気は、正に無機物の集まりである"都会"と仄かに切なさを感じる"夕暮れ"を表現しているよう。どんな世界を見せてくれるのか、導入に相応しいSE。

2.「17th Bedroom」
リリックビデオも公開されているリードトラック的な存在で、ハードな疾走感、そして切なさを見せる歌。長年にわたるヴィジュアル系の王道を2020年代のサウンドでマッシュアップしたような、聴きやすく耳に残る楽曲。畳み掛けるメロディーの応酬が勢いと切なさを見せてくれる。
https://www.youtube.com/watch?v=i5o1FDPRhYA

3.「SPRECHCHOR」
ほぼ全編をデスボイスで攻め立てる、獰猛さしかない楽曲。重苦しいリフに次から次へと襲い掛かるデスボイスで脳を掻き回される、本作の中では最もヘヴィな楽曲。
かと思うとベースソロや一瞬だけメロディーを歌い上げる部分など、緩急もついているので楽曲としての構成力も高い。

4.「共嗜癖」
重たいリフはそのままに、メロディアスに攻めると思いきや激しさも忘れずに。その両方が交互に襲いくる姿に思わず拳に力が入る。
ラウド系に分類される楽曲ではあるが、それ以上に憂いを帯びたメロディーも強みであり武器である、稀有なバンドと表現したくなる一曲。

5.「平成心中デモクラシー」
ラストはヘヴィさに磨きがかかったようなミドルテンポの楽曲。ゴリゴリと耳を蹂躙する楽器隊、リズミカルなのにキャッチーさより獰猛さを感じる展開、禍々しさを醸し出す不協和音。それらを凶悪なデスボイスで説き伏せる力。衝動とはこういう音源に使う言葉なのだな、と。


2022年末に結成され、名古屋や東京を中心に活動の場を広げつつあるノベルティ。
ヴィジュアルシーンの一端を担うラウド系統のバンドの中でも、特にドラマティックな楽曲を放つ4人の前作で見せた片鱗が今作にていよいよ明らかに、といった印象。
とはいえ本質はライブにありそうです。是非一度その目で。
https://novelty.band

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