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東京アジテーション5/gaizao

本日ご紹介の音源はこちら。
都内を中心に活動する、Vo.江戸川長一郎氏のソロプロジェクトgaizao。
代名詞とも言えるタイトルが冠された作品として通算5作目となる本作は、豪華パッケージの特装盤、シンプルな装丁の玄人盤、配信限定の電脳盤の3タイプにてリリース。


1.「ガムテープ」
辛辣すぎる言葉とタイトルでもある「ガムテープ」の連呼。のっけから飛び道具で攻めてきたなと思わされつつも、エモーショナルなメロディーが耳に残る。
ホーンセクションでアダルティな雰囲気に染めつつも終始激しい音は、一曲でサブカルチャーの様々な食べ合わせを表現しているよう。

2.「令和2年4月24日、19時アルタ前」
配信シングルとしてリリースされていた楽曲も満を辞してCD化。歌謡曲に通ずるメロディーが疾走ロックに乗って届く。そこに更に平成レトロ感のあるシンセをふんだんにあしらい、gaizaoらしさを引き出した仕上がりになっている。「ガムテープ」からの流れもバッチリ。

3.「長い春の絵画」
前トラックより疾走感をそのままに、淡く切ない美しさを持ち込んだ一曲。アレンジとしては終始コーラスワークが生きていることと、デジタルな上物が乗ることによりgaizaoらしさを醸し出している。
キラキラした音だが切ない。そんな吹き抜ける春風のような柔らかさのある一曲。

4.「混沌_セックス」
ミラーボールが回る光景が目に浮かぶような4つ打ちエレクトロダンスナンバー。
昔懐かしい言葉も使い、平成レトロ感を強く感じさせる音や展開は、世代の人には懐かしく、若者には斬新に感じるのではないか。エロスさえお洒落に仕上げているのは江戸川長一郎氏のセンスの賜。

5.「ウムとカニ」
チープなシンセと軽快な4つ打ちサウンドが何とも心地よいダンスナンバー。平成を彷彿とさせるような見られたディスコティックなノリにライブ会場が包まれそうな軽やかさは、アルバム真ん中の緩衝材としても良い働きをしてくれる。
2分半でガラッと流れを変えてくれる一曲。

6.「ラスト・ダンス」
ここへきてバラードを披露。ベースはgaizaoの武器であるエレクトロだが、それを切なさを孕む曲調で奏でることにより、優しさと切なさを感じる楽曲に仕上がった一曲。仄かな切なさ、仄かな懐かしさ、胸がキュッとなるような歌詞。ふとした時に聴きたくなりそうな曲がまた増えた。

7.「過日、魔法少女だった僕へ」
アルバムのラストは疾走感を見せつつも伸びやかなメロディーで聴かせる楽曲。デジタル音が煌びやかなのに、曲調は切なさを見せる。アルバムの締めくくりに向けて畳み掛けるセンチメンタルな空気感。最後まで一気に駆け抜けた後の心地よさと切なさがある流れ。


ヴィジュアル系のフィールドだけでなく、文字通りジャンルレスの交流を図るアーティスト、gaizao。
何処かレトロでかつ近代的、サブカルチックでアバンギャルド。
色々な視線から噛み砕いた音楽は、前衛的だからこそハマると病みつきになります。是非一度触れてみてください。
https://gaizao.jp

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