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PSVR2の公式分解動画が登場、レンズの新技術が明らかになる

2023年2月22日のPSVR2(PlayStation VR2)の発売を前に、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが、YouTubeで分解動画を公開した。そのなかで、レンズに関して新しい言及があったので解説をする。

レンズに関する新技術

PSVR2では、フレネルレンズという、年輪のような輪が何重にもあるレンズを採用している。このレンズは映像の歪みが少ないことや、輝度に優れるなどのメリットがある。

一方で、ゴッドレイ(またはゴースト)と呼ばれる、不要な光の線が表示されてしまうデメリットがある。そのため、最新のVRゴーグルでは、パンケーキレンズという、別のレンズを採用する動きがトレンドになっている。

PSVR2がフレネルレンズを採用することは、PSVR2の弱点になると見られていた。しかし、今回の分解動画において、レンズの弱点について対策済みであることの言及があった。

このレンズは、ミクロ単位での仕込みを入れていまして、ゴーストと呼ばれる症状はかなり低減できています。これで輝度も犠牲にせずに綺麗な映像を実現できています。

出典 PS VR2 Headset Teardown Video(YouTube)

実は、これと同じものと思われる技術について、ソニーは2017年に「フレネルレンズとフレネルレンズの製造方法」という特許を出願し、2020年に取得をしていることが、海外メディアから報じられている。

今回の分解動画で解説されている「レンズへのミクロ単位の仕込み」と、ソニーの特許は合致する部分が多い。この特許済みの新技術が、PSVR2に用いられていると見て、まず間違いないだろう。

フレネルレンズはゴッドレイ(またはゴースト)の弱点さえ解消できれば、メリットが多いレンズである。PSVR2ではソニーの新技術により、これまでよりも綺麗な映像を見ることができそうだ。

技術が詰まったPSVR2の中身

レンズの新技術以外でも、PSVR2の分解動画は見どころが満載だ。PSVR2は、様々な機能を実現する多くのパーツによって構成されている。その中身は、複雑ながらも整然としていて、まるで芸術品のように美しい。

分解動画の解説のなかでも「見える部分だけでなく、見えない部分も美しくという点にこだわって設計しています。」と言及されている。技術者としてPSVR2にかける想いが見て取れるシーンだ。

技術に興味がある人はもちろん、そこまで技術に興味がない人であっても、見どころのある動画になっているので、ぜひ見てほしい。


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