夢みがちな12月
7月は星に願いを
こんなに月が明るくて
僕は失明してしまいそう

空と地面しか見てないの
街も人もいらない
木々の中
降り積もる憂鬱
静寂の圧力

あいつがどうで
こいつがそうで
どいつがなんで
どうでもいいぜ

急にマッシブな態度
タイトル詐欺な温度
絶対感じない系の絶対音感
発揮して
揮発して
ガソリンの匂いとともに消える

2月は少しはやるかな
それとも3月まで持ち越しかな
小空間に詰め込んだ小文字
壊して組み直す
知らない文字の列

如月チャンバラ
如月チャンバー

満たされた墓の中で
泳ぐ亜空間魚
鷺に咥えられて
星間飛行

太古の単細胞婚
火山の祝砲
祝ってやらない
捻くれ者のミトコンドリア
挨拶はカモシカの角で
踊り狂うアシカの群れと
超伝導状態で乾杯
飛び散る水銀
カドミウム
ラジウム
ウラン
リン
発火して
破壊して
生まれ出る
新しい塊
原子の子
元気な素

先のことは分からないから
予定帳は破り捨てた
気持ちいいこと優先で
コートを脱いで
コードの手触りを確かめる
小さいころ
しゃぶりすぎた毛布の感触

ざらざらの肌と肌合わせて
ヤスリがけ
どっちかの肉に達するまで
擦り続けて
摩擦の恩寵
寒暖差の興奮
春まで続けよう
如月チャンバラ

イトマキエイ千広