【No.1305】手段を目的化する勇気

目的と手段を履き違えるな!とよく言われますが、本当にそうでしょうか。

勉強仲間の1人が「本を書く」という大きな目標を宣言しました。これに対して、ある先輩が興味深いアドバイスをされていました。

「手段を目的化しろ」と

「面白い内容を追求しすぎて出版できなくなるくらいなら、まずは『出版する』という手段そのものを目的に設定しろ」

なるほど!

これは、目的が大きすぎて手が付けられない時、小さなステップを具体的な目標とする手法ですね。

学習塾で働いている僕も、生徒に、受験合格などの大きな目標よりも直近のテストや模試のスコアを目指すよう指導することがあります。このアプローチは、モチベーションを保ちやすくし、確実な成果へと繋がる道を創り出すんです。

数学で言えば、理解する前に公式を覚えるのに似ていますかね。

保護者さんは「数学の公式を暗記しているだけだから、実力テストで点数が伸びない。公式を本質から理解させてほしい」と要望されます。

もちろん、それは先生側も同じ思いです。だから、目的と手段を履き違えるな!といいたくなりますよね。

でも、みんながみんな、数学ができるわけじゃないですからね。

理解が追いつくまで、形を整える。まずは公式を暗記するところから。今の学校の、数学教育ですね。

結局「目的と手段」は、抽象度の高い低いの違いでしかないんですよね。

数学という学校の科目も、受験合格という目的のための手段の一つに過ぎません。

「いい大学に合格」という目的も、さらに抽象度の高い「いい会社に就職」という目的達成のための手段の1つだし、

それもまた、さらに抽象度の高い「幸せな生活」という目的達成のための手段の1つです。

「手段を目的化する」というのは、無意識のうちに自然とやってしまうからこそ、「手段を目的にするな」という注意喚起がされるわけです。

だから、目的と手段を履き違えるな!というのも大切ですが、

目的目標は達成したもん勝ちです。

するなという言葉に囚われすぎず、むしろ「手段を目的化する」ことも、積極的に活用していきたいですね。

それで、目的が達成されるなら。

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