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NFTプロジェクトを成功に導く五つのヒント(コラム)

NFTの人気が高まるにつれ、多くのWeb3開発者や起業家がNFTの開発やNFTへ関与することに前向きになっています。そんなNFTをプロジェクトとして長期的に成功させるには、どんなことが必要なのでしょうか。成功のために役立ついくつかのヒントを検討してみましょう。

1. コミュニティを重視する

今では大企業が主導しているNFTもありますが、元々NFTはユーザーコミュニティが主導して盛り上げてきた歴史があります。米プロバスケットボールリーグとコラボレーションしたNBA Top Shotや、欧州で人気のサッカー選手を活用したSorare(ソラーレ)といった大きく成功したNFTプロジェクトの多くは、そのコミュニティがNFTの価値を支えてきました。

NFTを販売して収益化を目指すインディーズ・アーティストであれ、NFTスペースを直接体験したいWeb2ブランドであれ、NFTホルダー(コミュニティ)を最優先に運用していくことになるでしょう。コミュニティツールとしては、Discord(ディスコード)などのプラットフォームが活用されています。

■NFTコミュニティ構築のヒント

まず、NFT購入者を探すために他のNFTプロジェクト、特に価格やコミュニティ自体の活性状況を見てみましょう。可能であれば、そのようなNFTコミュニティと連携するのも一案です。X(旧Twitter)やDiscordを用いてAMA(Ask Me Anything)と呼ばれる質問会を頻繁に開催し、プロジェクトやコミュニティについて会話することも重要です。

また、強いコミュニティを持つ「1/1」アーティストのNFT(アーティストに紐づくNFTが一つだけ存在するという意味)を購入し、そのようなコミュニティと自発的につながることも有効と言えます。活発なコミュニティと繋がり、自分や自分のNFTをアピールすることはNFT界隈でタブー視されていない傾向があり、比較的購買力の高い層へのアプローチになります。

ソーシャルチャンネルとしては、Xをプロジェクト情報の発信用、Discordを双方向コミュニケーション用として活用することが一般的です。

■プロジェクトの状況をコミュニティに共有する

ソーシャルチャンネルを用いたAMAやプレゼントキャンペーンなどを行い、それに合わせてプロジェクトのティーザー動画を公開したり、長期的なプロジェクトのビジョンをユーザーに提供したりして、短期的なプロジェクトではないことをアピールしましょう。それらを裏付けるような資料も定時できるとより効果的です。

コミュニティ内でのアクティビティを高めるために、Discord内で参加できるゲームやアートコンテストを通じてホワイトリストや他の賞品を得られるキャンペーンを提供するのもいいでしょう。

■信頼できるKOLや企業と提携する

大物ブロックチェーンインフルエンサー、有名人、ソーシャルメディアパーソナリティを巻き込むことはNFTプロジェクトを成功させるにあたって必須要件でもなければ、必ずプロジェクトを成功する方法でもありません。ですが、コミュニティから盛り上げていくのであれば、NFTに詳しいKOL(Key Opinion Leader:インフルエンサー)にプロジェクトの発信やコミュニティへの参加を依頼することも検討すべきでしょう。

ただし、インフルエンサーによっては報酬のために詐欺に近いプロジェクトの宣伝を受けてしまい、信用を落としている人もいます。安易にフォロワー数が多いインフルエンサーに頼ってしまうと、プロジェクトの評判を落としてしまうことにも繋がります。よく調べて、信頼できる個人に依頼しましょう。

■インフルエンサーやコミュニティをどう選択するか

SNSにはフォロワーを購入できるものもあるため、フォロワー数だけで判断すると失敗する可能性もあります。また、プレゼントキャンペーンのみを行うアカウントなどでは実際の購買者層に届かない可能性があります。候補に挙がったインフルエンサーが過去にどのようなプロジェクトに関わっていたかを確認し、当時の盛り上がりについて調べるようにしましょう。

2. NFTプロジェクトに適正な価格をつける

NFTプロジェクトを成功させるために最も重要なことの一つは、最初のNFTミント価格を正しく設定することです。ミント価格を高く設定してしまうと、ミントすることに戸惑う人が増えてしまい、コレクションを売り切ることができず、コレクターの支持を失う危険性があります。一方、価格を安く設定してしまうと、プロジェクト運営には十分な資金が入らない可能性があります。NFTミントを資金調達の代わりに行う場合は、プロジェクト資金がショートしないように注意が必要です。

■NFT価格設定のヒント

NFTミントの価格設定をするには、まず市場の温度感を確認しましょう。2021年~2022年のNFTバブルでは人気コレクションで0.1ETH(イーサ)を超えるミント価格でも売り切ることが可能でしたが、市場の変化により、フリーミントや低価格でのミントが主流になりつつあります。加えて、直近にリリースしたコレクションがどのぐらいの価格付けをしているか把握することも重要です。

■ロイヤリティ設定のヒント

適正なNFTミント価格を設定することに加えて、二次的なNFTの販売全てに適正なロイヤリティを設定することも重要です。PFP(Piciture For Profile:プロフィール画像)やゲーム系、トークンの有無など、NFTがどのようなカテゴリのものなのかでも事情が異なりますが、Blur(ブラー)やOpenSeaなどのNFTマーケットプレイスやNFT分析サイトを参照し、比較的近いカテゴリで直近にローンチしたNFTコレクションを参考にするといいでしょう。

直近では、ロイヤリティを回避するマーケットプレイスの登場もあり、二次流通からの取引手数料が得られにくい状態になっています。二次手数料を大きな収益源として見込むプロジェクトの場合はスマートコントラクト設計での対応が必要となり、独自のマーケットプレイスの必要性を検討することも必要かもしれません。

2023年12月現在のNFTの流れとして、ユーザーが保有しているNFTに対してそのプロジェクトのトークンが無料配布されるという例が増えています。例えば、9GAG(ナインギャグ)によって発行されたThe Potatoz(ザ・ポテトズ)やThe Captainz(ザ・キャプテンズ)などのNFTに対して、ミームコインの一つである$MEME(ミーム)がエアドロップされました。大手取引所が2023年11月に$MEMEを上場したこともあり、トークンがエアドロップされるであろうNFTに注目が集まっています。

また、2023年12月現在においてゲームカテゴリのトークンが躍進しているという背景があります。そのため、ゲーム関連のNFTはトークンのエアドロップへの期待もあり、高値で売買される傾向があります。最初のNFTミントの際に、今後このNFTにはトークンがエアドロップされるという情報を公開できる場合は、NFTの購入がトークンの取得につながるため、比較的高値でも購入されると考えられます。

3. ロードマップを計画する

NFTコレクションの完売後は、ホルダーとなった人たちに向けてプロジェクトの今後をアップデートしていくことが重要です。ホルダーにプロジェクトと同じ目線を共有し、コミュニティを活性化していくことは、新たなホルダーの獲得に繋がります。DAOの設立には賛否両論ありますが、NFTコレクションのホルダーのDAOを設立することで、ホルダーが積極的にプロジェクトの方向性に関われるようになります。

4. コミュニティとのコミュニケーション

コミュニティと円滑なコミュニケーションを取ることはプロジェクトの成否を左右します。プロジェクトの最新情報をDiscordなど一般的なツールを用いてアップデートしていくのが主流です。プロジェクトローンチ後にコミュニケーション不足に陥ると、プロジェクトの勢いの減退につながります。

NFTホルダーとのコミュニケーションを改善する方法として、まず、チーム内にコミュニティ担当のメンバーを用意し、コミュニティメンバーの質問などに答えるモデレーターを探しましょう。モデレーターはコミュニティの中でアクティブなメンバーが望ましいです。プロジェクトが好きで関わってくれている人の方がプロジェクトに対して時間や労力を割いてくれるでしょう。プロジェクトをアップデートした時だけではなく、定期的にアナウンスをすることは、コミュニティに対して真摯に向き合うという意味で重要です。

5. スマートコントラクトへの投資

暗号資産やNFT全般においてハッキングが横行しているため、ハッキングされるような穴のないスマートコントラクトを準備することが大切です。ERC-721やERC-721Aなど、一般的なNFTスマートコントラクトはリスクの軽減に役立ちますが、悪用の可能性は常にあります。内部に開発者がいる場合も、開発者を雇う場合も、外部の監査機関にスマートコントラクトをレビューしてもらうことで、ハッキングを未然に防げるようにしましょう。

NFT界隈を見てみると、2021年と2022年の好相場が去った2023年は厳しい相場となりました。それでも2023年のNFT総トレードボリュームは1兆円を超えており、相場の回復に合わせてトレードボリュームも増えてきています。今回紹介したヒントを活用しながら、プロジェクトを成功に導きましょう。


制作:株式会社Kudasai

株式会社Kudasaiは、2020年に創設された日本最大級の暗号資産コミュニティ「KudasaiJP」を起点とし、株式会社化されました。株式会社KudasaiはWeb3企業のみならず、Web3に関わる全てのプロジェクトや企業の成長を支援する企業です。ブロックチェーンスタートアップの計画・開発やアドバイザリー、コミュニティ拡大まで、多面的かつ包括的な成長支援ソリューションを提供しています。

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