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助けて!建設業にヒトが来ないの!(´;ω;`)

かれこれ4年近く、
建設業界の企業様に対して採用のご支援をさせてもらっている。

私がお手伝いしている中小企業様の規模は、
大体「年商2億~50億」規模の企業なので、そのイメージで聞いてほしい。

圧倒的大多数の企業様は、

・ぶっちゃけ、仕事(依頼・案件)は鬼ほど入ってきている
※オリンピック・開発系以上に、耐震工事等の改築工事関係で増
 某Dハウスが手掛ける工場・倉庫新築案件も非常に増えている
・仕事はあるのに、人手が足らない
・社員の平均年齢が40歳~50歳

※現場系メインの会社は若手が多く30代平均なこともあるが、
 監理・監督メインの会社は若手が皆無…
・当然の如く、求人を出しても集まらない(発想が、中途メイン)
※大抵、◆ハロワ◆無料の求人媒体◆スポットのWeb媒体に出して、
 軒並み反応ゼロ。。。
※求人にいくら使っていいのかもわからないから、
 人が来ない=効果がない=辞めとこ…で求人活動STOP。。。
・ヒトが来ないから、社長や後継者、部長も現場に出てる
※だから余計に社内の事が手につかず、悪循環…
・仮に新しいヒトが中途入社しても、1ヶ月以内~試用期間中で辞める
※面接の時は「がんばります!」って言われたのに、
 いざ現場に出したら「シンドいです…」と音を上げるパターン

相談を受けたり、ヒアリングをしていても、
9割方上記のパターンで悩んでいらっしゃる。

建設業なんて、
今の時代に”なりたい!”って思う人がどれだけいるのか。

工学系学生の入学者推移

出典:工学関連基礎資料 - 文部科学省

土木建築工学系の学生の割合は年々減少しており、
いわゆる建築土木系の技術者を志望する若手が減っている。

高齢化進行

上記のグラフを見ても、
全業種の年齢割合と比較して高齢化は顕著で、
建設業就業者全体における、29歳以下の人財はわずか11%・・・

有効求人倍率と広告件数

そりゃ、
有効求人倍率はバカみたいに上がって5倍~6倍になるし、になるし、
求人の数が3倍~4倍になるし、余計にヒトは来ませんわ…ってハナシ。
【参考】全業種の有効求人倍率はだいたい1.6倍くらい

それでいて、
若手の早期離職が同じく高いのが建設業。

若手の早期離職

1年以内で2割~3割3年以内で4割以上がドロップアウトしてしまう。

ヒトが来ない上に、
来ても数年で辞めてしまうんだから、そりゃ厳しいわけで。。。

だから、考えなければならないのは、

★初めから、建築・土木に始まる「建設業」を目指すヒトは少ない

⇒中途であろうが新卒であろうが、
 もっと「パイ」を広く確保していかないと、採用はうまく行かない
★採用しても辞めるから、とにかく応募が来たら全員採用!が間違いの全て

⇒早期離職者が多い一番の理由は、
 採用における双方の「ミスマッチ」があるから

ここで言う「パイ」とは何か?

・建設業界を志す学生(建築系学科の学生)を探そう・・・
・建設業界の経験者・即戦力を探そう・・・
・建設=理系で探そう・・・

この発想が、「パイ」を狭めているという事実に気づくべき。

別に、

・建設業以外を見ている学生だって
・異業種を経験している未経験者だって
・文系の学生だって

採用して間違いかと言われれば、そうでは無いはず。

実際に建設業の企業様と話をしていて出てくるのは、

・この仕事(監督業)で必要なのは、
 なによりも「コミュニケーション」能力(建設=チームプレイ)
・仕事に必要な知識は、実際に働いて身につくものがほとんど
 だから事前知識がいるかと言われればそれは無い
・実際に、異業種経験者(小売の営業など)から、
 自社に入って監督になった人財も当たり前のようにいる
・施工管理の資格がある=監督としてスグ活躍できる!わけじゃない

つまり、
小さな「パイ」にこだわる必要は皆無であり、

【文系】【異業種】【未経験】

ここに視点を拡げることで、「パイ」を広くとるべきだ!ということ。

魚を釣るなら、
まず魚がいるところに釣り糸を垂らそうとするはず。

そして、
釣り場所が変われば「釣り方」も当然変わってくる。

釣る場所と釣り方に幅が出れば、
努力はいるが、それだけ採用は格段にやりやすくなる。


もう一つ、採用の「ミスマッチ」について。

定着しない、育たない、これは、
採用の時点で企業側に怠慢があると言わざるを得ない。

・本当に、業界のこと・会社のこと・仕事のことを、
 キチンと理解してもらってから入社しているか?
・求職者が「大切にしたいこと」を、企業が理解して入社させているか?
・今の世の中、売り手市場なのだから、
 「就”社”」ではなく「就”職”・”業”」が圧倒的に強い!
・だからこそ、自社に入るメリット、それも中期視点でのメリットが必要。
 キチンと自社の「キャリアプラン」を明確に提示できているか?

面接のあんな短時間で、
そんなこと伝えられないし、わからないよ!

そう悲痛な叫びを上げる企業様がほとんどなのは、百も承知。

そもそも、

・なんで、面接を1回で済ませるのか?
・なんで、求職者のことばかり聞いて、
 自社のこと、仕事のことを求職者に説明しないのか?
・なんで、実際の現場や仕事を、一度見せないのか?体験させないのか?
・なんで、キャリアプランを作っていないのか?

人が来ない、採用できない、採用しても辞めてしまう・・・

ならば、それ相応の変革が必要ではないのか?

困った困ったは誰でも言えるし、
やりたいけど時間が無いは当たり前。

採用に時間を作ること
採用を経営の中心に置いて事業運営をすること

「採用・人材開発ファースト」

この発想で社内の共通認識と、計画を立てていかないと、
多分ずっとヒトは採用できないし、増えない。


助けて!建設業にヒトが来ないの!(´;ω;`)


いやいや、
キチンとヒトが集まっている企業はいらっしゃる。
そのために私もお手伝いしているわけだ。

建設業だから人が来ない理由は、確かにある。

ただ、
建設業だからこそ、
やるべき採用の形・考え方がある。

来ない理由を並べるより、
来ない理由から、どうすれば来るようになるか

それを一緒に考えましょうや。


次回は、実際にヒトが来ている企業は、
どんな発想で、どんな取り組みをしているか。

そのあたりを、お話します。


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