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なあなあ知ってる?からはじまる不幸な拡散 〜瓶タイプのコカ・コーラはなくならない〜

先日、東京の喫茶店の(昭和スタイルにこだわりがある感じの)店主さんがツイートしていた。

瓶のコカ・コーラが生産終了で、流通在庫しかないらしい。今のうちに飲みに来てね。

って。見た僕の感想は、
「え?ほんまに??」
くらいのもの。そう言えば子供の頃、父(昭和20年生まれ)にビリヤードに連れて行ってもらったら、必ず瓶のコーラを買ってもらってた。そりゃもううまかった。

結果としてその情報は誤りで。店主さんは「誤情報を流してすいません」と陳謝のツイート。当該ツイートがきっかけでトレンド入りするほど話題になり、コカ・コーラ社が正式に否定したんだから、まあ、その後の店主さんに対する風当たりは想像がつくよね。

これはほんまに「かわいそう」って事案。

事実確認をせずに伝聞を、しかもうわさ話程度のことを他人に伝えるってことはデマの拡散と同じ構図なのは、本当にそう。でもね。

偶然が重なったのか、この店主さんが元々軽口癖があるのかはわからないけど、そんなことって誰にでもいつでもある。さっき聞いた面白い話を、また別のだれかに「なあなあ知ってる?」って言うやつ。誰にでもある。
炎上したくなければ、SNSをやらない(もしくは告知と報告のみ発信する)ことやけど、個人の飲食店ではそれこそ致命的やんね。

災害が続き、デマや偽情報の拡散に注意せよって理屈は十分にわかる。

でもそれは、不用意な情報を発信するなってことより拡散させないことのほうが重要。ウラを取れていない情報(だいたいわかるよね)は、リツイートすんなよってこと。
朝鮮人が井戸に毒を入れた

トイレットペーパーがなくなる
なあなあ知ってる?で広がった。それ以外にも、怪しい情報はたくさん存在したのに、たまたま人の心を掴んだ今さっき知った話が、リレー形式で広まってデマになった。

今回の事案でなにか特別なことを上げるとするなら、お店のアカウントがフォロワー3万人超えの「もうインフルエンサーやん」ってアカウントってことやろう。
確かにこれは、燃えやすい。

メディアや政治家が「不用意な情報発信」で叩かれるのは、その社会性や公益性よりも数の力に依拠する仕事だからで。
1万を超えるフォロワーを持つアカウントは、もはやメディア=インフルエンサーと言っていいし、その自覚は、もしかしたらなかったのかもね。

東大阪市に全く関係ないツイートを日々する東大阪の地域情報サイト「週刊ひがしおおさか」のXも、フォロワー1万人超え。

あまり世間に迷惑がかからない、なんの役にも立たない情報を心がけて発信して17年が経過しました。これからもこのペースでがんばります。

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