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Macユーザなので話題のインディーゲーム「パルワールド」をプレーできないから悔しすぎてプレー前に称えてみる

やばいことが起こっている。Steamで1月19日にリリースされたPCゲーム「パルワールド」が、3日間で400万本を売り上げた。ただいま時速8.6万本、単価3000円くらいなので時給2億6000万円。

400万本に3000円を掛けると、約120億円。
分配金が75%なので、パルワールドに振り込まれるのは90億円くらいかな。とにかくすごい。

Steamとは、
noteをふだんウロウロしている方はもちろんご存知でしょうが、週ひがつながりで読んでくださっている皆さんに少し説明。
日本では任天堂のSwitchやソニーのPlayStationなどのハードを購入してゲームを遊ぶのが一般的ですが、実は世界ではSteamがスタンダード。
WindowsPCにSteamをインストールして、その上にネットで購入したゲームをプレイする。雑に言うと、PC版AppStore・GooglePlayみたいな感じだ。
プロゲーマーとか、ゲーミングPCとか、最近よく聞くキーワードはほぼ全てSteamの上で行われてる。(ちょっと言い過ぎかも)
詳しく知りたい人は↓の記事を参考にしてね。あと、善良なお母さん・お父さんたちは子どもたちが「すちーむ」とか言い出したら警戒したほうがいいです。

そのSteamでリリースされたパルワールドが、めっちゃくちゃ売れてるって話。ゲーオタの私、めっちゃ興奮しつつもこのゲームはMacの上では動かないようで、未だプレーできず。
ライブ配信用に会社でWin機を買って、平日はパルワールドに使う。
なんてグレーなことも検討しちゃってる。

日本的なスキーム(任天堂的なやつね)でゲームを開発して販売するって大変で、個人ではまあ無理。だから、iPhoneがAppStoreで「個人でもリリースできる世界」を持ち込んだときは、当時30代だった僕もものすごく興奮した。
Steamでも同様で「組織じゃ出せないな」ってタイトルが溢れ、そこでしっかりビジネスをしてる人達もいるし、もちろん名作も多数ある。
UnderTaleとかReturn of the Obra Dinnとかは、Switchでもダウンロードできるので知ってる人も多いかも。
そのあたりのロマンは、パルワールドのリリース直前に開発元の「ポケットペア」がnoteで書いていたりもする。

印象的な言葉は
「自分たちが本当に面白いと思うゲームを、自分たちのお金で、自分たちでリリースするのだ。」
ってところ。そう、コンシューマー(家庭用)ゲーム機のビジネスは、それがもう無理。

数百億円規模の企画になったパルワールド。同時にアンチと言うか、否定的な意見も見られる。現代日本のタン壺であるX 旧Twitterのトレンド(1月22日午前中)を眺めると

7位から、任天堂のポケットモンスターのパクリだって関連のワードが4つ。
ざっくりまとめると

A「パルワールドはポケモンのパクリ。任天堂法務部が動き出すぞ。」
B「これでパクリとか言ってたらデジモンとかどうなるんだよ。」

って感じ。僕は知的財産の知識は皆無だし、リリースから何年も経過してからウマ娘が係争に発展した事実を見ると「問題なし」とは言えない。

が、ひとまずポケットペアにとって、さらなるセールスが期待できる展開と言っていい。エンターテインメントの世界で最も怖いのは無関心。
ゲーム業界をテーマにした名作マンガ「大東京トイボックス」でも、新作ゲームに対し匿名掲示板(たぶん2ちゃんねる)で否定的な書き込みが登場した段階で
「これは当たる」
と登場人物たちが確信するシーンがある。

ゲームだけではなく、エンターテインメントの企画を仕事にする人なら、高確率で実感するエピソードだと思う。
リーチ(どれだけの人に届けられたか)が増えないと企画は成功しない。既存のファンや感覚があう人にだけ届いていると、リーチは少ない。普段自分たちを知らない人にまでリーチした指標が、アンチコメントだ。
否定的な声は、それだけ多くの人に届いた結果だとも言えるのだ。

さらに現代は、ワードが話題になればSNSでより上位に表示されるという仕組みもある。話題のツイートはアルゴリズムが勝手に多くの人のタイムラインに掲示し、近しい思考の人の前にそっと出してくれる。そして一気に情報は拡散され、減衰しながらも数日間継続される。
中の人たちはどう思っているかわからないが、セールスには間違いなくプラスに働くだろう。

さて、課題は今後の対応だ。現在想定を遥かに超える同時接続数で、原因不明の障害が発生しているという。

この規模のトラブルシューティングはなかなか経験できるものではなく、かといって時間をかけていては急速に関心が失われていく。
まだプレーしていないファンとしては
がんばれ
としか言えないが、とにかく踏ん張りどころ。ここを乗り越えればたぶん、この先コンシューマー(PlayStationやNintendo Switch)でのリリースも見えてくる。

作っている人たちはどう思っているかわからないけれど、
三四郎(弊社スタッフの娘・3歳)が好きそうな絵柄だし、一緒に遊びたいんだよね。
それにはやっぱりSwitchがいいんだよ。

小学生になった三四郎と、パルワールドをやりながら
「このゲーム発売時はすごかったんだよ」
みたいな話を彼女にして
「編集長うざい」
って言われてみたいやん。
なのでどうか、よろしくおねがいします。がんばってね、中の人たち。


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