VRS(ワクチン接種記録システム)への効率的な登録方法案(後編)

前編ではVRSがなぜOCRラインを利用するのか、予診票の接種券情報等のVRSへの登録方法を説明しましたが、その情報をもとに効率的に登録する方法を検討したいと思います。
今回の課題は「VRSタブレットのカメラ機能を利用したOCRの読み取りが不安定」なのでそれを解決する方法として3つ想定しています。

VRSタブレットにOCR・バーコードリーダーを装着

下記のようにOCRラインを読み取るリーダーがあります。タブレットのカメラだとピントが合わないなどの問題がこちらでは素早く読み取りができそうです。

ただ懸念点としてはこちらはOCRとバーコードも読み込むみたいなので誤って、自治体用のバーコードを読まないかが懸念になります。リーダーにOCRラインのみ、かつ数字のみ読み取るような設定があれば一番いいですね。
また、読み取ってもOCRなので読み取った結果と記載されている番号があっているかどうかのチェックが必要になります。

自治体独自で構築したワクチン接種管理システムを利用する

ワクチンの予約管理システムは自治体で用意しており、その予約管理システムには接種完了後の記録やVRSとの連携が出来るものもあります。
そもそも、自治体は予防接種台帳に登録する業務は当初から想定されていたので、予約管理システムにも接種完了状況も登録出来るもの、なおかつ自治体用のバーコードを活用出来るシステムを構築・選定されているかと思われます。
すでに複数の自治体で導入されているサイシード社の予約管理システムにもVRSとの連携機能はあるようです。

ただ、こちらも予約受付は優れているが、接種完了の登録は手入力になっている。。。などの懸念もあるかと思うので、自治体が作成したバーコードを活用した登録方法になっているかを確認する必要があります。

自治体独自のバーコードを活用したシステムを構築する

素早く、正確に登録するという点では接種券についている自治体独自が付与したバーコードを利用するのが一番良いです。
ちなみに私のところに届いた接種券に記載されていたバーコードを読み取ると10桁の接種券番号が記載されていました。
ただ、それはVRSのタブレットでは読み取れないので、別途フルスクラッチで作成する必要があります。

要件としては以下の通り
・VRSに必要な情報を記録出来る
・個人を特定する情報(ユニークコード)は接種券に記載されているバーコードを読み取り記録出来るようにする
・VRSに登録するためのCSVファイル形式に変換して出力する

※VRSに登録するフォーマットはこちらを参照

上記の要件であれば、特別なシステムを構築しなくてもAccessでも出来ます。
VRSには接種券番号以外にも市町村コードや接種会場、ワクチンのロット番号などを入力する必要があるが、こちらはVRSタブレットと同様に起動時に1回設定しておけば良いだけのであとはバーコードで読み込み登録すればデータが出来てCSVで出力することが出来ます。
簡単なAccessなのでなれている人であれば2~3日もあれば作成が出来るかと思います。
ただ、保守という面ではなにか問題があったときに開発者がいなかった場合対応が出来ないということもあるかと思うので、バックアップでVRSタブレットを用意することをお勧めします。

※別にAccessでなくても1人で行うのであれば、Excelにバーコードで読み取った接種券番号を入力して後で必要な情報を入力するだけでも大丈夫かと思いますが、、、