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不妊治療を終えて思うこと 「受精」と「授精」の違いって何? 子供に告げる時は。


不妊治療中からの疑問

我が家は、顕微受精で息子を2名授かっているのですが、治療中にずっと疑問を持っていることがありました。

✔︎ 人工「授」精
✔︎ 体外「受」精 
✔︎ 顕微「授」精

と使われている「じゅ」の漢字が異なっているのです。

調べてみたら、色んな説がありました。


受精と授精の違い


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基本的な考えとしては、どうやって(人為、自然)、どこで(体内外)に精子を卵子に結合させたかで表記が異なるようですね。

受精はfertilization
授精はinsemination

受精は「卵子と精子が接合して胚分裂を開始すること」
授精は「受精が起きるように精子(精液)を使って働きかけること」

人工授精 (AI:Artificial Insemination)
体外受精 (IVF:In Vitro Fertilization)
顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)


人工授精は精液を器具を用いて、子宮内に注入して「受」精させる「授」精のこと。

体外受精は体外に精子と卵子を出して「受」精させて、女性の体内に戻して継続させること。

顕微受精は体外に精子と卵子を出して、卵子のなかに精子を入れる「授」精をしたものを、女性の体内に戻して継続させること。


じゃあ自然妊娠はどの「じゅ」精になる?


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自然妊娠の場合はどの受精になるのでしょうか?

自然妊娠は、女性の体内で精子と卵子が結合して胚分裂を開始するので、「受」精ですね。

体外受精はこれを「人間」が外でやっているだけなので、基本的には卵子と精子の出会う方法は自然妊娠性交と同じです。


日本が不妊治療大国ということは・・・


2018年度、体外受精によって生まれた子供の数は、過去最高であると日本産科婦人科学会が発表しています。

厚労省の調査と合わせると、現在の出生数の「18人に1人が体外受精」になります。小学校の1クラスに2人はいる計算です。

人工授精まで入れたらもっといるはず。

不妊治療を安易に受けすぎなんではないか、日本人のセックス不足、など議論はなされますが、これはまあ一旦置いておきましょう。

私が言いたいのは、これからの子供達は、出自の背景が異なった子供が身近に多くいるという事実です。

出自は個々のアイデンティティに関わるので大事な話ですね。

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日本人は出自を気にする民族です(戸籍や本家分家などなど)「不妊治療で生まれた人との結婚なんて!今後、生まれた子供にもしもがあっては・・・」なんてあと20年くらいしたら、ありうる話題なのかと想像してしまいました。

これは極端な例ですが、「少し想像力を働かす」これだけで、様々な価値観や多様性を受け入れて、生きやすくなることはたくさんあります。


息子たちに不妊治療の事実を告げること


我が家は息子2人とも顕微受精で授かっています。
彼らの「受精卵の写真」があるので、ここから将来的には性教育をする予定です。

彼らには、どんな生命の神秘を乗り越えて存在する大事な存在なのか、上手く伝えられたら良いなと思っています。

そして顕微受精が出自にあることが、「彼らのアイデンティティ」の一端となり「自分は他のものではなく唯一無二の大事なもの」として自己肯定感、自己受容にどうやって繋げるか考えています。

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自分を大事にできるからこそ、他者を大事にできます。

その授かった奇跡の命を自分のためにも、他人のためにも、社会のためにも全うして使い切って終えてほしい。

受精、授精という漢字の違いの違いに思いを巡らすことで、色々と考えた話でした。



サポートは不要ですよ!他の誰かに使ってみてください。少し幸福な気持ちになります。親切は脳に効く。