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ヨドコウ迎賓館


フランクロイドライト の設計した傑作。
動画にしてみました。

建物全体は細長い、船みたいな形なのです。
それが日当たりのいい山の斜面に突き刺さっていて、船の舳先は瀬戸内海に向いている、と言えば想像しやすいかと思います。

最も感心したのは、採光。

太陽がどの位置にあっても、館全体に光が入るよう、あちこちに小窓が多用されてます。奥の廊下のちょっとした位置からも光が漏れて、常に建物内が明るい。

ライトの建築と言えば落水荘が有名ですが、やはり人工物と自然の調和をよく考えた建築家なのだと思います。

たとえた船のデッキに当たる、屋上もとても開放感があり、室内から外にでて日光を浴びたくなる。

そしてこんなに立派な館なのに、玄関の扉は普通のサイズの開戸なのも、ニクいです。
(とても小さい玄関扉なのです。普通は両開きの観音扉でしょう。)

ライトの意図を想像するに、狭く暗めの玄関を入って階段をあがると、開放的で、壁一面の窓から光が燦々と満ちた、廊下が待ってます。

また各小窓の上には、カーテンレールがついており、蝶番も凝っている。
どちらも真鍮でできており、そのサイズから当然、全て特注でしょう。

さらにさらに、家具や装飾など、直線が多用された人工的な空間なのに、そこまで居心地が悪くないのは、使われた大谷石やマホガニーといった自然の建材による質感のおかげだと思われます。

(毀誉褒貶がはげしく、ライト一個人の人生は、必ずしも幸福とは言い難かったようですが、神様はそれを補って余りある才能を彼に授けたのだと思います。)

重要文化財に値する素晴らしい建物です。
お近くに寄られた際はぜひ。

(あ、開館のスケジュールが細かいので、必ずご確認下さい。)

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