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顧客エンゲージメントの重要性

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
先週に引き続き、フォローアップテスト受験中の気づきから記事を起こしてみようと思います。中の人が受験した上級ウェブ解析し向けのフォローアップテストでは、顧客エンゲージメントに関する出題がありました。
顧客エンゲージメントと近しい言葉もいくつかあって、混同しがちなのでその辺りについて書いていこうと思います。


顧客エンゲージメントとは

エンゲージメントは「婚約」といった意味合いも持つことから、企業に対する高い親密度を指す言葉です。エンゲージメントが高い顧客は、SNS投稿へのいいね!やシェア、企業イベントへの参加など能動的に企業に関与するようになります。「その企業が提供しているから」という信頼から生まれる購入理由が生じることもあります。
こうしたエンゲージメントの高い顧客は好意的な感想のシェアや、競合より価格が高くても購入するといった行動をとることもあり、顧客エンゲージメントを高めることが重要視されています。

顧客エンゲージメントに似た言葉

しばしば顧客エンゲージメントと混同されるのが「顧客ロイヤルティ」と「顧客満足度」です。それぞれの違いをおさらいしておきましょう。

顧客満足度

顧客満足度とは、企業が提供する製品やサービスが顧客の期待に応えられたかどうかを表す指標です。顧客の期待とパフォーマンスの差分を示し、顧客の主観的な評価を表します。満足度が高ければ、顧客は製品やサービスを再利用したり、好意的な口コミを広めたりする可能性が高くなります。
要するに、期待したものよりも良かったと思ってもらえれば満足度は高まります。この辺りは『顧客満足と顧客価値』という記事を以前書いているので読んでみてください。
注意しなければならないのは、まだバラエティーシーキングが起きる可能性もあり、顧客満足度が高くてもリピート購入に直結しないという点です。

顧客ロイヤルティ

顧客ロイヤルティとは、顧客がある企業の製品やサービスを繰り返し利用し、その企業に忠実であり続ける状態を指します。ロイヤル顧客は、他社の競合製品よりも自社の製品を選ぶ傾向があり、リピート購買や推奨行動につながります。顧客ロイヤルティが高いほど、企業にとってのリピート売上や収益性が高まります。また、NPS(Net Promoter Score)と呼ばれる指標を用いて調査することができると言われています。

ということで、段階としては顧客満足度の向上→顧客ロイヤルティの向上→顧客エンゲージメントの向上という感じですかね。
顧客エンゲージメントは上述の通り、「好意的な感想の共有」や「競合より高値でも購入する」といった顧客の行動に基づいて評価することができます。
また、顧客エンゲージメントが高いほど、顧客満足度も顧客ロイヤルティも向上する傾向にあるようです。

エンゲージメントが重視される背景

顧客エンゲージメントが重視される背景には、先週の記事『リテンションマーケティングの重要性』で紹介した成熟した市場というものがあります。その中でも、現代の市場の特徴と言えるコモディティ化と情報過多という側面が大きな影響を与えています。

コモディティ化

コモディティ化とは、似たような商品がありふれて差別化が難しくなる状態を指します。市場は成熟化すると、ブランド間の知覚品質(消費者が感じる品質)に差異がなくなってくる傾向にあります。
そんな時に「あの企業が提供しているから買う」というエンゲージメントの高さに起因する購買理由があると、激しい価格競争に飲み込まれにくくなります。そういった観点からもエンゲージメントを高める重要性が見えてきます。

情報過多な市場

インターネットが普及した現代では、顧客は自ら情報を集めて、比較検討し購入意思決定を行うようになっています。SNSの普及によってさらに拍車がかかっています。
膨大な情報に触れる現代の消費者は、豊富な専門的な知識を持ってシビアに検討するようになっていると言われています。その点で、情報収集段階以前に接点を持ち、信頼関係を築いていくことや、「この企業だから買う」といったエンゲージメントの向上が重要視されるようになっています。

顧客エンゲージメントのメリット

ここまでで、顧客エンゲージメントの重要性は見えてきたと思います。そのメリットについて改めて整理してみましょう。

リピート率の向上

顧客エンゲージメントが高い顧客ほど、繰り返し同じ製品やサービスを利用する傾向にあります。リピート購買が増えることで、企業の収益性向上につながります。

UGCの活発化

顧客エンゲージメントが高い顧客は、自発的にSNSでの投稿やレビューの書き込み、企業主催のイベントへの参加など、企業とのコミュニケーションを活発化させます。これらのUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、新規顧客の獲得や製品改善につながる貴重な情報源となります。

顧客からのフィードバック

顧客エンゲージメントが高い顧客は、企業に対して積極的にフィードバックを提供してくれます。そのフィードバックを製品開発や顧客サービスの改善につなげることで、顧客満足度のさらなる向上が期待できます。

まとめ

顧客満足度、顧客ロイヤルティ、顧客エンゲージメントは、いずれも企業にとって重要な指標ですが、それぞれ意味合いが少しずつ異なっています。中でも、顧客エンゲージメントの向上は、リピート購買の増加、UGCの活性化、顧客からの貴重なフィードバックを生み出すなど、企業の収益性やブランド力の向上につながります。企業活動を持続可能なものにするためにも、顧客エンゲージメントの向上は全ての企業で取り組むべき課題かもしれませんね。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
フォローアップテストって、知識の再確認にとっても役に立ちますよね。4択なので、「これかなぁ。」で正解してしまうこともあるのですが、回答を迷った問題を改めて学び直してみると多くの気づきが得られますね。今回の記事も、そういえばちゃんと理解してなかったかもと思い学び直したものです。
資格維持のためでもありますが、忘れかけている知識の再習得にも役立つので、フォローアップテストの受験をお勧めしますよ!
それではまたお会いしましょう。


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