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COLORFUL WORKS

今年はカラフルな作品をたくさんたくさん作りました。
全体に色をつけた作品は、様々な理由から意図的に避けてきたのですが
自らの作品の幅を広げたいタイミングでもありましたので、お客さまからのリクエストをきっかけに作ってみることにしました。
いざ作り出してしまうと、そう…まさに沼です。
たっっっっくさんの色があるので、カスタムオーダーをお伺いするのも一苦労なのです。
しかし、オーダーを機に定番化したものや発見がたくさんありました!
実際のオーダーと、制作エピソードをご紹介させて頂きますね。

カラフルな作品、いいかもしれない

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2020年10月、目黒のMaruseさんで開催させて頂いた2人展で秋らしい色のパープル(写真中央)のプレートやピッチャーを出品しました。
SNSでそちらをご覧頂き、展示会後も何件かお問合せを頂いたのがはじまりだったかなと思います。
この写真のプレートは、初めてフチにも色をつけてのオーダーでした。

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こちらは先程のオーダーをInstagramで見て下さり、同様のコーラルピンク×レッドのプレートと、透明色のピンクはありますか?とのリクエストで新しく取り入れた色です。
現在も人気のワインレッドという色です。
他のガラス作家さんでも使っておられる方がたくさんいらっしゃる…か…
もしかしたらあまりおられないかもしれません。(色の材料が高額!)とても美しい色ですよね。

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これらのオーダーは、グラスやボウルとセットでのリクエストでした。
春になり、カラフルで食卓が明るくような配色のオーダーが増えました。
作るのも楽しいですし、梱包している時は「いいなあ〜私もほしいな〜」と思っています。

カラフルシリーズではプレートを中心に作っています。
グラスもいいのですが、個人的にグラスは透明の方が飲み物の色が楽しめて好きなのです。
制作工程ではプレートの方が早く作れて良いというのも本音。
グラスやボウルは、少量ずつになりますが展示会を中心にお披露目していきたいと思っております。
季節やテーマに合わせて色々と作りますので、お気に入りを見つけて頂けたら幸いです。

この頃、「なんでもオーダーをお受けしていたら自分の作風ではなくなっていくのでは?」という思いが生じてきました。
カスタムオーダーの雛形もないため、「オーダーをしたいです。まず、どんな色があるのですか?」というお問合せを頂くところから対応させて頂いておりました。
色についてはまた別の記事で詳しく触れたいと思っているのですが、色ガラスの色自体はたっっっっっっくさんあります。
その中で、私が現在材料を所有していて、制作可能な色。もしくは、所有していないけど、新しく材料を仕入れてもいいかなと思える色。からお選び頂けるのですが、………わからーーーーん!!!!ってなりますよね。^^;
(もちろんお客さまにこのようなご案内はしておりません)

そこで、カラフルプレートの基本の色を決めました。

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ピンク・ミントグリーン・ライムグリーン・パープル・ペールピンク

本体はこの色を基本としています。フチに色をつける場合はホワイトも素敵です。

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オーダーの際は、±5mm程度のサイズの誤差が生じることや色の濃さがサンプル写真どおりではないこと、破損の原因にはならない程度の気泡が生じることがあること…などを出来る限り説明させて頂き、ご了承頂いております。
サイズにつきましてもう少し詳細に記載しますと、複数枚のセットの場合
たとえば「直径17.5cm」で揃ったもの(その中でも2,3mm程度の誤差あり)でお届けするといった感じです。
±5mmというと、最小と最大で1cmの差があります。
プレート2枚のご注文で、17.5cmのものと18.5cmのものが届く可能性がある…という意味ではなく、17.5cmのもの2枚 or 18cmのもの2枚 or 18.5cmのもの2枚(その間のサイズも含む)が届きます、という意味でご理解頂けますと幸いです。

ありがたいことに、これまでお届けしてきたお客さまにはおおむね満足して頂いているようで嬉しいです。
温かいメッセージをくださる方には本当に励まされております!

絶対素敵って分かってはいるけど

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DUSK(ダスク)という名前の作品は、以前から制作していました。乳白色に金のフチのグラスやプレートです。
陶芸用の金彩をフチに塗り電気窯で焼き付けています。
キラッとした金が繊細でとても気に入っているのですが、焼き付ける際に失敗が多いのが悩みであまりたくさん作ることが出来ていませんでした。

失敗の原因は、
・使っているガラスが金彩の焼き付け温度で曲がってしまう種類のものであること
・作ったガラスが微妙に歪んでいて、熱を加えることで歪みが増長されてしまう
・作ったガラスが薄すぎる …などが考えられました。

ガラスは色ごとに使用している成分、含まれる鉱物?があり、色によって柔らかさが違います。
DUSKで使用する乳白色(オパールホワイト)は硬めの色で、金彩の焼き付けにも比較的耐えられる色でした。それでもガラス本体の形によってはぐにゃっと曲がってしまったり、ペターっとへたってしまったりします。

プレートに関して言えば、リム部分が少し熱でへたることを前提として通常よりもリムを立ち上げて制作することで、昔よりは安定して金彩を施すことが出来るようになりました。
ペールピンクでも出来ますか?というリクエストを頂きましたので挑戦してみたところ、案の定とても良い。

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パープル×金彩、ペールピンク×金彩 可愛い、、、、!!!!
小さな電気窯でじわじわ焼き付けているので、1枚焼き付けるのに何回も窯入れしています。

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ワインレッド×金彩、パープル×オフホワイト
その他、写真がなかったのですがミントグリーン×金彩やその他の色でもリクエストを頂き制作しました。


色遊びのうつわたち

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こちらは、私が過去に使用したことのある色から熟考の末に配色を決めて下さった豪華なセットです。
ビビッドな色で、私ならきっと選ばないような組み合わせはとても新鮮でした。
ストレートなボウルも、お手持ちの食器などを参考にサイズを決めて下さりました!
透明色と不透明色のコントラストも美しく、SNSでご紹介させて頂いた際もたくさんの反応を頂きました。

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同じお客さまからの追加オーダーです。
季節や気分にによって色々とお使い頂けているのでしょうか。配色にも何かテーマがあるような気がします^^

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個々でもいいけれど、並べてみたときの満足感。
たくさん悩んで考えて下さったんだろうなと思うと本当に嬉しくて、精一杯心を込めて制作させて頂きました。


オーダーに学ぶ、テーブルコーディネート

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プレートと合わせたカラーで、フードカバーやパフェグラスを一緒にオーダーして下さった例です。
微妙に濃さが異なるピンクと透明色のレッド、ミントグリーンもアクセントになっています。

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こちらはパープルとクリームイエローの2色でまとめて頂きました。
初めてフードカバーに色をつけてみましたが、ほんのり透けるイエローにしたことで優しく上品な雰囲気になりました。

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+αで、濃いイエローの大きめフラットプレートも。
2枚目の写真のように、お手持ちのいろいろなうつわと2枚重ねて使うことをイメージしてオーダーして下さりました。
現状で出来る範囲で大きく(直径約20cm)、リムの部分を立ち上げずに平らにしてあります。

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お料理が映えそうな、クリーム×ブラウンの組み合わせ。
とてもセンスの良い方からのリクエスト。かっこいいペアプレートです!

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シンプルに、透明模様なしに寒色系のフチのセット。汎用性高そうです◎


たくさんご紹介させて頂きました。他にもグラスやパフェグラスなど、まさしく色々!!!作った1年でした。
私の作品は、私が好きな色と形で作っています。
そこにちょっとしたアレンジを加えることで、皆さまの理想のうつわになるのでしたら積極的に取り入れていきたいと思います。
お断りさせて頂く場合もございますが、無理のない範囲でおっしゃって頂ければ…と思います!

私自身も、もっと多くの方にお選び頂けるような作品を自らご提案していきたいです。

最後まで読んで下さりありがとうございます。 これからも応援よろしくお願い致します。