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レ・ミゼラブルとオペラ座の怪人との出会い(前編)

ぼくはミュージカルが特に好きというわけではありません。ただ、表題の2作だけは特別な思い入れがあり、何度も観劇しているので振り返ってみたいと思います。


レ・ミゼラブルとの出会い

ぼくがミュージカルと出会ったのは、1980年代後半のニューヨークへの海外長期出張のおりでした。労働時間短縮、生産性向上、サービス残業ゼロ等々、働き方の改革が本格的になり始めたのは21世紀に入ってからで、ぼくの場合仕事の性質もありますが、終電まで職場というのは当たり前でしたし、週の半分は徹夜、土日出勤も普通、しかもほとんどサービス残業という日々で夜中に電話で叩き起こされることもしょっちゅうでしたからよく生き延びたなと自分でも思っています(笑)。
それはさておき、そんなですからNY出張時も徹夜徹夜で仕事ばかりしていたのですが、たまの休みの日に連れて行ってもらったブロードウェイのミュージカル、それが「レ・ミゼラブル」でした。まだ公演が始まって2,3年くらいのころですが初めて観たときの衝撃は忘れられません。おおがかりな舞台仕掛け、桁違いの役者の演技や歌唱力、身なりをきちんと整えて前半と後半の合間にシャンペンを飲みながら談笑する観客たち。その光景は、自分が経験したことのない上流階級の社交界、日本でいえば大正浪漫あるいは鹿鳴館等々を想像させる華やかなものでした。

ブロードウェイの最初の公演、それを収めたCDがこれです。

レ・ミゼラブル、ブロードウェイオリジナル、シカゴのタワーレコードで買ったもの

お気に入りの曲をいくつか紹介します。

At the End of the Day


第一幕、コゼットを養って貧乏ぐらしだったフォンテーヌが工場をクビになるいざこざで流れる曲です。スピード感が素晴らしい。

I dreamed a Dream


直後に流れる曲です。「思い描いていた人生はこんなじゃなかった」I dream a dream 屈指の名曲だと思います。

Come to me


フォンテーヌが亡くなり、ジャン・バルジャンがコゼットを守ると誓うところ。このかけあいは涙なくして聞くことができません。Your child want for nothing。ジャンバルジャンの歌詞は暗記しています。このThemeはレミゼ通して流れるのでレミゼの主題といっていいでしょう。

Do you hear the people sing?


有名な曲。一般的にはこれとOne Day Moreがレミゼのテーマ曲として知られているのかな?6月暴動に立ち上がり、後にコゼットとの恋に落ちるマリウスもその流れに飲み込まれていくことになります。

One Day More


レミゼといえば、この曲。第一幕のエンディングで、登場人物が勢揃いし、それぞれ歌い上げて幕を降ろします。歌唱力が半端ないですね。ぼくは、レミゼはシカゴ、ロンドン、日本で観ていますが、このNY版が一番好きです。日本は鹿賀丈史版しか知らないですが、演技は良いのですが歌は…

10周年の歌ものもいいですね。名曲です。

On my Own


マリウスにふられたエポニーヌの悲しみの歌です。エポニーヌはレミゼの女性の配役で最も歌唱力が求められる役でした。個人的にはフォンテーヌだろ?と思ったりしたのですが、世間的にはエポニーヌ。実際に、エポニーヌ役には歌唱力に定評あるひとが選ばれてますし、後のミス・サイゴンの主役だったり、出世街道の入口みたいな感じになってますね。

Drink with me


六月暴動直前に酒を飲み交わす若者たちが「一緒に飲もうぜ」と歌う感動的なシーン。ぼくはこの歌が好きで、弾き語りで歌ったります。マリウスがコゼットのことを語る後半がちょっと女々しい感じもしますが(笑)。

Finale


死にゆくジャン・バルジャン。コゼットに最後にすべてを明かす感動的なシーン。I write my last confession.Read it well…のあたりからは涙なくして聞けません。

レミゼは映画化されサントラがありますが、はっきりいって歌は聞いてられません(ファンの方申し訳ない)。映画は良いのですが、歌唱力がミュージカルのプロと違いすぎます。歌ものとして聞くならミュージカル版をおすすめします。

ラミンカリムルー

もう10年も前なのに最近知ったのですが、ラミンカリムルーという歌手&俳優がレミゼリバイバル公演で賞をとってるんですね。聞きましたが素晴らしい!そしてなんと、この方、ファントム役もやっているんですね。これがまたすごいのですが、話が長くなりますので、オペラ座については後編で書きます。


それではまた!

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