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自宅教室の”こくばん”事情

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自宅でフリースクールを運営しています。自宅フリースクールをはじめ、地域の大人同士が気軽に助け合い、教育活動ができるような仕組みが広がればとの思いで、記事を更新しています。

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不登校支援の仕事に”繁忙期”というものがあるとすれば、それは10月だと思っています。
市の教育センターの方とお話をした際にも「一番相談件数が多いのは10月」とおっしゃっていましたし、実際私のフリースクールでも、10月に入ってぐっと問い合わせが増えました。

生徒さんが増えて、もっとも試行錯誤をしたのが「教材」です。
グループ授業で4人程度の生徒さんに一斉に指導をする際に、どんな道具を使うかという問題です。
学校には黒板という便利なものがありますが、私の教室は自宅ですのでそのような設備はありません(というか、今のところ置く予定はありません。狭い部屋が余計に狭くなってしまうから)。

生徒さんの増えた10月、日本一小さなフリースクールが、限られたスペースで、いかにわかりやすく授業を行うか試行錯誤した経緯を、紹介しながらまとめてみたいと思います。


1.Power Pointスライドショーをスクリーンで表示する

例えば英語のフレーズ練習など、フラッシュカードのようにして使う際にはPower Pointはとても便利です。
“パッ、パッ!”とスピード感を大切に、かつ比較的短く簡潔な文言を表示するのに向いています。
一方、「まとめ」のような長い文言を表示するのには適していません。
ライトを発するスクリーン上の長文は、結構ゴチャゴチャして見にくいです。
言わずもがなですが、PCは動画を見せたりする時にはすごく便利ですね~。
私はMicrosoftのsurfaceをずっと愛用していますが、「ちょっとここで、ネイティブのスピーチを聞いてみましょう」というノリで、すぐにネットに接続して動画が見せたりできるので、学校教員時代からすごく重宝しています。


2.印刷物を用意しておく。

一番、時間効率の良いやり方です。
が、個人的に私はプリントベースの授業って好きではないので、あまり積極的には使いません。
教師の作るプリントって要点がまとまりすぎていて、生徒さんが自分の頭で考えたり、理解を深めたりする余地がなくなっちゃうんですよね。
例えば、重要語句を(  )にしておいて、この空欄を生徒さんが補充するようなもの。
はっきり言って生徒さんは(  )の中の語句しか気にしなくなってしまいます。
学校教師時代、プリントベースで授業を行った年度と、板書して生徒さんに自分でノートにまとめてもらう形式で授業を行った年度で、どちらのほうがより達成度が高いか比較したことがあります。
時間が短縮できて、バンバン授業を進められるのはプリント学習でした。

しかし達成度でいえば、もうこれは完全に、【板書ノート派】の年度の子どもたち。英語バリバリできるようになりました。定期試験のデキはもちろんのこと、県学テの結果からも明らかでした。
プリントベースの授業は、親切なようで、あまり生徒の力にはならないんですね。

しかし、プリントはプリントでとても便利な側面があります。
地図やイラストなどを指さしながら会話するトレーニングや、スペルの練習をさせるときなど、”単純なインプット→アウトプット”を繰り返すような類の活動の際にはプリントを活用しています。


3.スケッチブック

で、最終的に落ち着いたのが、スケッチブックを黒板に見立てての指導でした。
一番大きいサイズのスケッチブックを買ってきて、これを見開きで使います。
Power Pointと違って手描きでいけるのでレイアウトも自由自在ですし、サイズもちょうどいい。
うちは多くても4人までの定員で授業を行っているので、この大きさで十分です。
何より、生徒さんから「おぉ!その手があったか」と褒められました(笑)。
見やすくて良いみたいです。
硬さがあるので、生徒さんが板書している時には壁に立てかけておくことができます。
黒板と違って、一度書いたものを消さずにいつまでもとっておくことができるので、「前回の復習ね~」と言って過去の学習内容に簡単に戻ることもできます。

近頃は、手元のパネルに描いた文字がそのままスクリーンに投影できるような便利な教材もたくさんありますが、道具をセットして、電源を入れて、スクリーンを設置して…という手間を考えるとやっぱりちょっと、という気がしてしまいます。
いつか壁一面の黒板またはホワイトボードをを設置して授業をするのがささやかな夢ですが、その日が来るまでしばらくは、スケッチブックを使い続けることでしょう。

本日は自宅フリースクールでの教材事情について書いてみました。
みなさんからのアドバイス、お待ちしております。

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