シンガポールの友人を北九州の照寿司へ

シンガポールの友人が初の福岡に来るということで、せっかくだったら戸畑へ足を伸ばしてもらって照寿司本店へ。たったそれだけのために僕は戸畑までやってきた。馬蹄型の新しくなった照寿司のカウンター、ライティングも大将の渡邉さんがイメージしたスタイルになっている。温泉宿のありきたりの料理を3日間同じメニュー、街には何もなく外食はイオンモールのみと初の福岡がすでに嫌いになりかけていたという友人夫婦。旅館ももう少し工夫してあげればいいのになぁっと、ここをもう少し上手くすればきっとリピートしたのだ。

最初のマグロとウニとキャビアの名刺代わりのワンバイトに、目を輝かせショーアップされた照寿司のステージに感動する。シンガポールの鮨への歴史を見てきた彼にとって、福岡で食べる本物の鮨は感動もひとしおだったのだろう。途中から東京から来ている他のお客さんに新政をご馳走になり、カウンター全員が友達になる、そんな照寿司らしい時間だった。

オープン直後に訪れて以来の照寿司のニューステージ。あの時は新車のような初々しさだったが、すっかり彼の舞台になっていてレストランとしても気のようなものが出ていた。北九州の海の幸に食欲全開となったご夫婦に、エクストラとマグロを三カン、大笑いに歓声とともにこういう楽しい食事が一番いいよと嬉しそうだ。つくづくレストランというものは生き物だなぁっと思う。こうやって空間と人に愛情をかければ、不思議な艶が出てくる。僕らはその独特な空気感がなんとなく分かる。シンガポール大切な友人を連れてきて本当に良かった。

「寿人、ラーメンはどこが美味い?」

そんな彼らを薬院のいつものはっちゃんに向かわせるのだった。彼らはすっかり福岡が好きになり、次回リピートが決まる。地道な活動だが、こうやって日本ファンを僕は作っている。

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