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韓国への敬意を焼肉で表現してみる

WAGYUMAFIAを始めた時は頑なに韓国色を排除しようとした。ごま油は使わない、キムチはなし、肉に漬け込みもしないなどなどだ。それというのも焼肉というとKOREAN BBQだよね?って海外では聞かれる、それをちょっとでも僕としては日本の焼肉、すなわち日式焼肉としてPRしていきたいと思ったからだった。それでも僕と韓国の関係は古くから深く、韓国のスターも多くやってきてくれてWAGYUMAFIAのPRをしてくれた。そんな韓国には数ヶ月には一度は足を運んで、みんなでゆっくりする。そのときに僕はローカル食をたくさん食べる。韓国料理は本当に美味しいのだ。

先日友人がソウルに開いたサンギョプサルの店に足を運んでみた、これがまた美味い。ソウルではそこまで牛肉を食べない、やはり豚と鶏が中心なのだ。そして日本に帰ってきてから、仕事終わりに食べるのは焼肉である。これがいわゆる典型的な日本と韓国の融合のような焼肉屋さんだ。小さなロストルで焼く肉は格別だ、そのままで食べたらまぁ普通の肉なのだが、甘辛の醤油だれで揉み込まれた肉は脂が硬い分だけ美味いのだ。

韓国から熱烈なオファーを毎年いただいているが、もうそろそろコロナも終わったのだから、ぜひということで僕は長い友人からのオファーを受けることにした。9月に初めてWAGYUMAFIAがソウルデビューする予定だ。韓国へ少しで料理で僕らなりに表現してみたい。そんな想いから僕が韓国で出会った焼肉を、日本の和牛で表現する。お代は5月に渡されて、そこからスタッフと一緒にいよいよデビューした。僕らの食材で本気に韓国を表現したら、それは間違いなく美味い。白菜キムチもカクテキも全て手作りだ。ユッケは尾崎牛のサガリだし、鮮度バツグンの尾崎牛のホルモンを揉み込んでいく。ソルロンタンはテールで上湯を取ってそこに10頭分の牛骨から炊いたスープに合わせていく。

なんとなく先日行った焼肉屋が長蛇の列で、その雰囲気はあきらかに美味いんだけど、肉は全然大したことなかった。だから、今日本気の焼肉をロストルで表現できてよかったと思う。いつものデビュー戦のように、やりたいことを詰め込みすぎてオペレーションがぐっちゃぐちゃだったが、僕も堀江も間違いない手応えを得たので定期開催して、次回は韓国の友人らと遠野のどぶろくで乾杯でもしたいものだ。副産物的に大発見もあった、とにかくロストルでタレ焼きだと煙が大変なことになる。その点ワギュジスカンの特製鍋で焼くとほとんど煙が発生しない。そういえばダクトの吸気レベルを下げていたんだっけと思い出した。このKOREAN BBQをするにはまた再度吸気と排気のバランスをもう一度見直さないといけないのだなぁっと、イベント終わりの空気を思いっきり吸いながらそう思ったのだった。

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