見出し画像

WAGYUMAFIAで英語を磨いた料理人たちの戦い

数年前までは全く英語がしゃべられなかったスタッフが、今やロスのイベントの段取りを現地シェフで流暢な英語でこなしているのをみるとつくづく人は環境で育つものだなぁっと思う。海外組はWAGYUMAFIAの中でもTOP GUNチームと呼ばれていて、向上心が高い人間ではないと選抜されない。そんな彼らは世界の食の最前線を体験して、そして英語を会得するという経験値までついてくる。つくづく料理人だったら、WAGYUMAFIAにジョインするのが世界への一番の近道だということが分かる。

ロス最後のイベントは僕の歴史の中でも初めてであろう。全米を代表するレストラングループのマネジメントのテイクオーバーだった。いわゆるファンやセレブリティ向けのプライベートではなくて、完全に同業からのチェックである。「おまえら有名だけどどれぐらいなのよ?」というオファーを真っ向から受けて立とうということでトリのセッションとして敢えて入れた。いわゆる僕らのホームな環境じゃなくて、アウェイゲームをたまには体験しないと僕らの現在の実力が分からない。最初は完全に品定めモードからスタートするという久しぶりの体験に続々とした緊張感が生まれる。

日本からは3名のシェフを帯同させている。うち1名はまだ入って数年で、このLAからのセッションに急遽呼び寄せた男だ。8時間以上のフライトは乗ったことがない、そして海外渡航経験の全てがWAGYUMAFIAという典型的な日本人だ。そんな彼がまだまだブロークンだが、難しい海外ゲストとぶつかり合っている。強面だったゲストたちが我が家に戻ってきたような顔に変わっていく。いまやすっかりWAGYUMAFIAのトレードマークとなった京都の内輪がLAに舞う。メニューにはサインをもらえないかと言われる展開に、つくづく気合い入れて臨んで良かったと思う。

「人生の全てを飲食に賭けてきたけど、こんなダイニングエクスペリエンスは経験したことなかったよ。」

そうグループのオーナーはつい2時間前までの強面フェースを崩しまくって、笑顔で握手してくる。そんな彼らと写真を一緒に撮っていくスタッフをみて、WAGYUMAFIAの次のステージを意識するのである。また次のステージにあがる、そんな鐘の音がしたセッションだった。

料理に携わる人であれば、ぜひWAGYUMAFIAへ。まだ遅くはない、今からがスタートだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?