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スーツケースにそっと忍ばせておきたい旅につれていくレイコー

今日はアイスコーヒーの話だ。密かに僕とコーヒーの相方の井崎英典さんと世界一のアイスコーヒーを作るプロジェクトを進めている。その第一弾リリースプロトが完成した。誰よりも早く試飲、そしてその可能性に圧倒される。エグミは一切感じっれず、伸びゆく香りが口の中で途切れることのない通奏低音に変わって響いていく、そして鼻腔から抜ける旨味。これは一緒に旅をしたくなる、そんな素晴らしいアイスコーヒーが出来上がった瞬間だった。

アイスコーヒーは僕は日本が生んだ飲み物だと思っている。世界では19世紀に仏占領下だったアルジェリアで、熱いコーヒーを冷やして飲むスタイルがマサグランで生まれた、パリに持ち帰るも定着することはなかったという。日本では明治になると氷コーヒーが誕生し、大正時代には喫茶店の定着したメニューになる。

僕がアメリカに住んでいた90年代はアイスコーヒーなるものは皆無だったような気がする。今では当たり前のように冷やして飲むスタイルやコールドブルーなど抽出方法にもこだわりが現れてきたが、アメリカでもこの20年ぐらいの変化だ。

大阪では今でもレイコーの呼び名で愛されているアイスコーヒー。あまりにも時間がかかったので、すっかり夏のピークは通り過ぎたが、僕らのこのアイスコーヒーは秋のこの少し物憂げな感じととても良く似合う。BGMは井上陽水のカバー、「シルエット・ロマンス」あたりを聴きながら、角氷とグラスを傾けて鳴らしながら飲んでみたら。

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