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VTuberやアイドルは、恋人をつくると火刑に処されるのはなぜ? 〜歪な構造/続かなくても構わない〜

はろーこんばんわ。

歴史というものは、
繰り返すものです。

先達の轍を行く、
というとポジティブに聞こえます。

実際は、
自分こそはうまくやれると
思っていながらも、
あやまちの前轍を踏んでしまう。

そもそも、
歩みゆくレールが同じなのですから。


さて今回は、

・VTuberやアイドルの
 恋人問題

この話題について、
以下の内容を話していこうと思います。


・なぜ毎回炎上をするのに
 誰もが同じ道をいくのか

・なぜファンはスキャンダルに対し
 過剰に苛烈に怒るのか

・アクターの行いは、
 演じるアイドルというキャラを
 本当に毀損するものなのか


一応、以前に書いた
こちらの記事のリマスター(のつもり)です。





◆砂上の楼閣、春の雪


アイドルやVTuberは、
いつだって恋人のスキャンダルが
つきまとってきます。

誰しもが自分こそはバレずに
上手にやれるだろうと思いながらも
結局のところ、
壁に耳あり障子に目あり。

現代のインターネット社会の前では、
身内だけでの公然の事実なんて
いずれ露呈してしまいます。

だから、
いくら上手くやれるという
自信があったところで、
いずれ恋人がいることは
白日の下に晒されるでしょう。

そしてそれが知れ渡ると、
見物人がたくさん来るような
すごい勢いの火事になってしまいます。

そう考えると、
リスクがとても大きいですよね。

それなのになぜ、
みな同じあやまちを繰り返すのでしょう。

お金を稼ぐための方便として、
恋人がいないことも使っていることが
アイドルやVTuberには多いですから、
会社の方にも危機が訪れる可能性が高い。

だからルールで縛られ、
またファンからの期待にも縛られているのに。


◆刺激され続ければ、我慢は続かない


それでも恋人を作るのは、
欲求は抑えづらいものだからです。

恋人を作ってはいけないというのは、
アイドルやVtuber側に我慢を強います。

けれども、
我慢は我慢であって
欲求が満たされているわけではありません。

みなさんが、
マラソンをしたとしましょう。
終わったあとは、
とても喉が乾いているでしょう。

その時に水を飲むなと言われても、
ちょっと難しいですよね。

同じように、
若い人たちに恋人を作るなと言っても
異性と触れ合う機会が
たくさん与えられていて、
なおかつ自身は魅力的な人であり、
選べる側の立場だとしたら。

その時に恋人を作らないのは、
なかなか難しいように思えませんか?

もっと簡単な例を出すと、
世にあふれる、
ハーレムものの漫画。

その主人公とと同じ立場になったとき、
恋人を作るなと言われても
無理なことはわかるでしょう。

いくらルールで縛っても、
欲求を抑え続けるのは難しい。

しかも自分が手を伸ばせば、
届く範囲で恋人にしたくなる
魅力的な人物がいる。

これで手を伸ばさない人は、
なかなかいません。

駆け落ちのように、
リスクに見合わないロマンスの話は
いくらでも世の中に転がっています。

なのにVTuberやアイドルとなると
急に見てみぬふりをして、
自分の理想の姿を押し付ける。

そもそもにおいて、
その押し付ける人々の大半は
彼らを自身の恋人に
したいと思っているはずです。

その気持ち、
強い欲求を相手には認めないのは、
同じ人間とは扱っていません。

自分の都合のよいように
踊らない人形が
気に食わないから焼いているだけです。

ファンたちの期待から来る怒り。
それと同等に、
彼らの愛もまた強い欲求から来ています。

だからこそ、
彼らもあらがえずに
自分こそは上手くやれると言い聞かせながら
果実を盗んで走り去るのでしょう。


◆役をこなさない役者は、舞台の上から弾かれる


ファンが怒る理由は、
先ほどちらっと書いたように

・自分たちが期待した振る舞いを
 裏切るような振る舞いをしたから

また、

・嘯いた愛の通貨が、
 金と交換できなくなったから

VTuberやアイドルは、
こういったキャラクターで
こういう振る舞いをします、
とファンに期待をさせて
その振る舞いを見せることで、
愛や好感を手にします。

そして、
その愛をお金に変換させる
ビジネスモデルです。

愛をちらつかせるのですから、
その愛がいつか実るかもしれない。

この希望を捨てさせてはいけません。

愛の空手形を発行することで、
評価される能力にそぐうものよりも
圧倒的に多くの愛やお金を
手にしているのですから。

人は他人が自分の期待を裏切ると
怒りを覚えます。

そして、
その怒りを相手にぶつけて
自分の期待通りに動かそうとします。

その期待をひたすら膨らませ続け、
空手形を通貨に替えているのですから
当然それを裏切られた怒りは
大きいものでしょう。

その空手形は本当の空となってしまい、
もはや銀行に行っても
金には替えられない。

愛という金は、
もはや支払われる見込みが
なくなってしまい、
誰も価値を見いだせない、
紙切れになってしまったのですから。


◆構造から生まれゆく怒り


ここまでで、
恋人を作りたくなるアイドル、
その行為に怒るファン。

どちらも欲求として、
感情として
自然に起こるものだと話しました。

では自然に生まれるものなのに
なぜその折衝は、
未だに上手くいっていないのでしょうか。

その理由は、
上手く行かないことを前提とした
歪な構造を作り出すことで、
不自然なほどの利益を生み出す
ビジネスだからです。

先程も言ったように、
アイドルやVTuberに恋人を作らせない。

これは我慢を強いるものであり、
いつかは決壊するものです。

でもソレによって、
ファンは甘い夢を享受できて、
たくさんの報われない
いつか紙くずになる手形を買い続けます。

つまり、
その構造からして無理があるのが
アイドルやVTuber。

しかしその構造が、
いつでも成り立っているのは
恐ろしいことに代替が、
いくらでもいるからです。

構造に求められる役者には、
能力よりも
愛を囁やけることが重要視されます。

だから、
我慢を続けられなくなった人が
火刑に処されたとしても、
代わりの人はいくらでもいるので、
ダメになったら取り替えれば
構造は維持できてしまいます。

立場に魅入られた、
いずれ火刑に処される若者たちが、
自分こそはうまくやれると信じて
喜んで舞台に上がってきます。

踊らせる側は聖別を続ければ、
いつか外れ値がひけますし
そうじゃなくてもいくらでも、
ガチャガチャはできる。

歪な構造は、
ずっと維持され続けていきます。

虚偽の愛を信じ込む、
民衆がいる限りは。


◆アクターの行いは、アイドルを毀損するのか


わたしが疑問に思うのは、
アクターの行いは果たして
アイドルを毀損するものなのか、
ということです。

アニメのキャラクターの声優が
何をしたところで、
ドラマのキャラクターの俳優が
何をしたところで。

そのキャラクター自体には、
なんの問題もないでしょう。

アイドルやVTuberも、
わたしには同じに思えます。

あくまでもキャラクターから
伸びた影にすぎないアクター。

その主従が逆転するような考えは、
すこし違うのではないでしょうか。

主はキャラクターであり、
アイドルもVTuberも
ただアクターが、
舞台で演じているだけ。

そしてその舞台の外で、
脚本に沿わない動きをしても
別にどうだっていいでしょう。

わたしはそう思います。

日常生活すらをも繋げてしまう
アイドルという構造には
問題があるでしょう。

しかしいついかなる時でも、
キャラクターを演じられるわけではありません。

誰だって、
他人の作り上げた脚本、
生み出された偶像の影では無いのですから。


そうだ 僕がずっとなりたかったのは
あえかなヒロインじゃないさ
救いに行くヒーローだ


◆終わりに


わたしとしては、
アイドルやVTuberに
恋人ができたからと言って、
そのキャラクターは毀損されないように
感じますし、
何よりもライバルが100万人から
たったの一人になりますよね。

だから別にいいんじゃないかな、
と思うのですが
期待を裏切られた怒りというのは
やはり大きいのでしょう。

別に現代では
いくらでも離婚とかありますし、
なんとでもしようが
ありそうに感じますけどね。

そう考えると、
童貞処女じゃなくなったという
その事実が
最も怒りを生むのかもしれません。

あまり
アイドルやVTuberは見ないので、
詳しくはありませんが
構造は生男生娘であることを、
特別な価値として。

それでより愛の値段を
つりあげているのかもしれませんね。

そうしたら、
やはり怒りはある意味で
正当なのかもしれません。

それはアクター個人の感情を、
ただただ無視して
見て見ぬふりをした怒りですが。

それではまた。