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出会いは偶然~パート1~

個室の病棟から一般病棟の4人部屋に移動した日の夕方。私の病室を訪ねてくれる人がいました。

「若槻校長先生。」と言う声。「はーい」と答えてカーテンを開けると、そこには白衣の看護師さんの姿。

顔を見て、名札を見て、「○○さん」と尋ねると、「はい」の元気な声。10数年前に、小学校6年生の時の顔が思い浮かびました。

私が校長となって初めて勤務した小さな小学校の6年生の子が、今年度から、私が入院した病院の新人看護師として仕事を始めたのです。

10年ぶりの出会いは患者と看護師。私がこの病院に入院しなければ出会わなかったかもしれません。そして、大きな病院なので、彼女が勤務する病棟に私が入院しなければ、すれ違いのまま。偶然に感謝です!そして、出会いは突然に訪れました!

実は、この出会いには、前段があります。

手術後に入った病室(個室)は1日だけでしたが、担当は、親切な副師長さんでした。

この病室は、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)から一般病棟の間に位置する役割で、より慎重な対応が必要な病棟だそうです。きっと容態の急変にも対応することが多いのかもしれません。患者目線でのきめ細かな対応のできる素敵な看護師さんでした。

術後の傷で、私の場合、固定したテープに柔肌(?)が反応してしまい、テープ被れができてしまっていました。水膨れも数カ所できてしまっていました。それに気づいたこの副師長さんが、ガーゼを貼ったりして処置をしてくれました。おまけに、皮膚科の認定看護師の方に相談してくれて、診てもらうこともできました。

話しやすい看護師さんだったので、気になったことを尋ねてみました。

「廊下に新人の看護師さんの自己紹介が掲示してあったのですが、私の知っている教え子と同じ名前なんですけど…。」と話題にしてみました。

その副師長さんが教え子の看護師さんに話をしてくれたそうです。勤務する病棟の仕事が終わり、帰りに私の病室を訪ねてくれたのでした。

小学校時代の彼女は、明るく何でも頑張る子どもでした。6年生は13人しかいない小さな学校でしたので、全校児童がお互いのことが分かる家族的な学校でした。

明るくお茶目な女の子で、スポーツも勉強も両方がんばっていました。私は、校長ではありましたが、総合的な学習の時間等で積極的に授業に参加していました。ポートフォリオを活用しながら自分の夢を叶える学習にも取り組んでいました。

彼女が看護師を将来の夢に決めたのは、小学校卒業後だったようですが、夢を叶えてがんばっている姿に元気をもらいました。

当時彼女を担任していた先生とは、Facebookでつながっているので、彼女に了解をもらって、撮影した看護師姿の写真をメッセンジャーで送りました。

早速、返信がありました。
「若槻先生、こんにちは。順調な回復ぶりに少し安心しました。一日も早いご回復をお祈り申し上げます。このような中、メールで○○ちゃんのステキな姿を送っていただき、ありがとうございました。すっかりお姉さんになられて!立派な姿が見られてうれしく思います。でも、この笑顔(^o^)あの頃の明るさは相変わらず!可愛らしいですね!こうして素晴らしい巡り合わせってあるんですね。○○(地域名)の絆はずっと繋がっていますね。」

世間と離れた入院生活を送っていた私でしたが、懐かしい出会いがあり、そのことをネットで伝えることで、人とのつながりの大切さや縁(えにし)の糸の不思議を感じることができました。

実は、入院中の教え子との出会いがもう一人ありました。それは・・・次回に紹介します。


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