純白よりも真白の 透明よりも濃い存在感 いつのまにか大きくなり きっといつのまにか姿消す その白が染まるとしたら 青か赤紫かピンク色か 妖精はそれをゆるすかな 天使はそれを望むかな 空に似たいと思うかな 朝焼けに似たいと思うかな 明日も同じ道を通る 白紫陽花に出会うため 明日もきっときれい 大きな頭からをゆらゆらしながら 静かに楽しく待っててくれる 狭い路地の奥の奥 雨より晴れが似合う白紫陽花
と、と、と、 しと、しと、しとと、 た、た、た、 ざ、ざ、ざー、 ざあー、ざあー、ざあー 子どもの頃に聴いていた雨音は、 雨が何かにぶつかる音。 雨同士ぶつかる音も混ざっていたかも。 今、聞こえる雨音は、 しゃー、しゃー、しゃー、 しゅー、しゅー、しゅー、 ざざざー、ざざざー、ざざざー 車が道路の上の水たまりを走る音。 雨音というより、 タイヤの音。コンクリートの音かも。 明日、雨が降っていたら 外に出よう。 目的地も荷物も持たず 傘をさして歩こう。 傘の上に落ちる雨音を
自分とはどんな存在か あるいはどんな存在でありたいか 薔薇のように圧倒的に美しくなく 紫陽花のように見事に咲くこともなく 太陽のようなエネルギーはなく 雨のように慈悲的でも無慈悲的でもない 雲のようにふわふわしていたいが、 雲のように高くはなく 風のように自由でいたいが 風のように無鉄砲ではなく 雲に似て風に似て ここにあって、ここにないもの それは、透明綿菓子 ふわふわと自由に動ける 透明だから誰かの視界の邪魔にならない ぶつかりそうになったら人知れずよける そし