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それは果たして損なのか

「〇〇食べられないなんて人生損してる!」と言われたことがある。
他にも人生を損させるものはたくさん。〇〇を見てないなんて、知らないなんて、行ってないなんてなどなど。

「人生に関わるほどなのか。よっぽどすごいんだろうな。あなたにとっては。」ぐらいの感じなのだが、これは確かに一生食べられなかったら損だったかもな、食べられるようになってよかったなと思うものがふたつある。

ひとつめ

ひとつめは数の子。
ずーっと食わず嫌いだった。匂いと黄色いところが興味をそそられなかった原因だ。あと、人が数の子を食べているときの咀嚼音が、なんだかボリボリいってて意味不明だった。私にとっては見た目と音が合っていなかった。

それが、30歳ぐらいで食べられるようになった。
毎年元旦は義実家でおせちを食べる。数の子は好き嫌いが分かれるので希望者だけに配られる。私は3年ぐらいは「いりません」と言っていた。
なのに30歳のときなんとなく食べてみようと思った。もし無理だったら義妹が残りを食べると言ってくれて、それなら安心だと心置きなく数の子に挑んだ。

すごくおいしかった。ボリボリの硬さもよかった。これは硬さこそが魅力だと思った。
しかも聞いているだけでは気づかなかったが、食べてみるとぷちぷちコリコリする。私は歯ごたえのある食べ物が好きなので、数の子も大好きになった。

今では回転寿司に行くたびに数の子の軍艦を食べる。私のスタメンになってしまった。私の好きな寿司ランキングではまだ4位だけどね。いや、トップ3が強すぎるからしょうがない。

ふたつめ

ふたつめはメープルシロップ。
こちらは食べてみた上で味が好きじゃなかった。子どものときに好きじゃないなと思ってから大人になるまで口にしなかった。

それが、大学3年生のときに変わった。
当時私は就活真っただ中で、企業説明会に参加しまくっていた。そのとき会場の入り口でパンフレットといっしょにカロリーメイトの新商品(試供品?)をもらった。それがメープル味だった。

私は大層食い意地が張っていたのでそれを食べた。「苦手」ぐらいで食べられないことはないので、袋に入っている2本程度なら食べられるだろうと思ったのだ。

結果、味はやっぱり「まぁ食べられる」ぐらいだったが、他の商品にはないザクザク触感のものが入っていて、それが好きで、カロリーメイトのメープル味限定でメープルが好きになった。

時が経ち今はメープルシロップが好きである。ざくザクザク触感を求めてカロリーメイトのメープル味を食べ続けていたらやみつきになったようだ。大塚製薬さん、メープル味にクラッシュアーモンドを混ぜてくれてありがとう。

特にメープルシロップを食べられるようになってよかったと思うのはケンタッキーフライドチキンに行ったとき。ケンタのビスケットには絶対メープルシロップがいる。なくてももちろんおいしいが、メープルシロップをかけると別格だ。あれを食べられないのは確かにもったいなかったと思う。克服できて本当によかった。

損というか得だよね

さて、数の子とメープルシロップが好きになって、確かに楽しみは増えた。人生得しているとは思う。ただ、食べられなかった期間が損かというとそこまでではない。私の人生を豊かにすることはあっても、マイナスに働くことはないなという印象だ。

「損している」という表現、大好きであることを伝えるのに逆説的にマイナスなことを言うのはもったいないなと思う。

私は損しているという表現は使ったことがない。と思う。多分。
私の場合は人の人生を論じれるほどの自信がなかっただけだけど。

でも結果的によかった。魅力を伝えるときはマイナス面に着目するんじゃなくて、いかに魅力があるかを伝えていきたいな。
やっぱり表現力を磨かなくちゃ!!

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