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Chat AIを使用するサラリーマンへの警告

本記事はAI批判を行うものではありません。
また、あくまで私見ですのでところどころ分かりにくかったり、私自身の勉強不足で間違ったことを述べている場合もあります。その際はご容赦ください。

はじめに軽く自己紹介をさせてください。私はメーカーでDX専門の部署でこれについて研究し、自社の競争力強化に対する戦略を立案する立場の者です。ですから、AIの存在を否定するつもりは全くありません。むしろ先述した通り、AI等のデジタル技術を利用して如何に自社の競争力を高めるか、それを日夜考えています。
そして、このような職に就いていると少し心配に思うことがあります。それはChat AI(近年では大手IT企業から続々と同様のAIがリリースされていますのでここではそれらの総称としてChat AIと呼ばせていただきます。)の大流行によってAIとの共存について誤った認識を持った方が多く見受けられるようになったことです。
早速ではありますがまずはChat AIの担う将来的な役割について私見を述べさせてください。

Chat AIが担う本質的な役割

まずみなさんはChat AIについてどのような認識をお持ちでしょうか。おそらくほとんどの方がその構造について理解されていないことでしょう。そしてそこが肝です。AI自体はかなり昔から存在していましたがChat AIの登場まではAIというものは高度な線も知識を持った人間でしか扱えませんでした。しかし、Chat AIの登場により専門知識を持たない人々であっても、あるいはその構造について全く無知であってもAIを扱えるようになったのです。この1年ほどで全くAIについて知らなかった多くの人々がその実力を目の当たりにし驚嘆したことでしょう。 
ここで分かるのがChat AIはインターフェースとして非常に優秀だということです。Chat AIはマシンです。しかしただのマシンではなく高度な自然言語(日本語や英語など普段の会話で使う言語のことです。)処理を行えるマシンです。これにより人とマシンが人の言語で会話できるようになり、AIの敷居を大きく下げました。つまり、Chat AIの担う本質的な役割とはマシンと人との橋渡し役なのです。
なんとなく分かっていたという方もいらっしゃるでしょうが、これは非常に重要なことですのでしっかり覚えておいてください。

AIと人の共存

最近よく耳にするであろうワードです。実際に仕事などでChat AIを利用しているとこれがマシンと人との橋渡し役であると実感し、共存できていると感じる方も多いことでしょう。しかし非常に残念なことに、あなたが意思決定を行う立場でなければ共存できていると言うことはできません。それこそが記事のタイトルでもあるサラリーマンへの警告です。少し厳しいことを言いますが、もしあなたの仕事がChat AIの登場で少しでも楽になったのであればあなたの仕事はまるでかつての電話交換手のように急速に失われることでしょう。Chat AIへ何か質問しそのアウトプットを仕事の成果とすることはまさに電話交換手のようなものです。
AIと共存する人というのは、AIを活用できる人を指します。そしてAIを活用できる人というのはプロンプトエンジニアリングのようなものではありません。自身のビジネスプランをAIによってより効率的に実現できる人のことです。
AIは日々進歩し、あなたの身の回りを次々と便利に、快適にしてくれることでしょう。これは間違いなくAIと人の共存ですが、一方でAIはあなたと比較することもできないほどのスピードと質でアウトプットを行えるように進化し続けているということです。実際にAIと人が共存するような社会はすぐそこまで来ています。
今、あなたにはそんな社会で自分がどう立ち回るべきかを考えていただきたいです。

プロンプトエンジニアリングについて

先ほど名前が出てきましたので、これについて私見を述べさせてください。
よく「これからの時代はAIをいかに使いこなせるかだ。プロンプトエンジニアリングが重要になる。」と見かけますが、個人的にこれは正確ではないように思えます。AIは何度も言うように日々進歩し続けています。自然言語の処理能力も同じように向上し続けており、人同士のコミュニケーションに近い、ニュアンスなどの曖昧な表現も汲み取れるようになってきています。つまり、プロンプトエンジニアリングについて自然言語処理についての学問として見た際には確かに重要になりますが、先ほどの文脈で登場するようなChat AIへの質問の仕方を工夫するといったそんな内容であれば全く重要でないと言えます。
自然言語処理能力の進歩はおそらく一般人が小手先で質問の仕方を工夫する術を学ぶよりも早くなることでしょう。ですので、そういった意味合いで使われるプロンプトエンジニアリングについては過渡期の技術にすぎないと言えます。

これからどうすれば良いのか

これからの時代はマニュアルのあるような仕事もないような仕事もAIが代替していくと考えられます。究極的にはAIによって代替されない仕事はなくなるでしょう。
しかしそうは言っても、そのような究極的な世界がいつ訪れるのかは全く不透明です。おそらくその頃には人間が労働を行う必要すらなくなっていることでしょう。
少し話が飛躍してしまいましたが、最後に私が思うこれからの世界を生き抜く方法を述べさせていただきます。

少し先の世界を見据えて

数年後から十数年後先の世界を見据えて今から行うべきことです。
あなたの身の回りの仕事をデジタル技術によって行えるようにし、そこで生まれたデータを適切に保管できるよう努めてください。AIと関係ないように思えますがこれも非常に需要なことです。もし自身でそのようなことを行う裁量を持たない方であっても常日頃からその手段について考えるようにしてください。
もし実際に仕事がChat AIへ置き換えられるとなった際に最も重要なことが「データが適切に保管されているか」だからです。これに関するノウハウと既存の仕事に対する知識があれば少なからずあなたの価値はAIによる完全代替まで続きます。さらにその頃までデータの適切な保管に対する技術を磨き続ければ完全代替後もAI関連の職に就くことが出来る可能性は高くなるでしょう。これはあくまでサラリーマンでい続ける術ですが、それともう一つクリエイティブな精神を養ってください。これはサラリーマンでなくても役に立ちます。少し具体的に言うとどこにどうデジタル技術を用いることができるかを考えられるようになれば十分です。そのためにはある程度のITに関する知識は必要になりますがこれが出来るとすぐにAIに代替されるということはなくなります。具体的に何から始めれば良いというのは難しいですがやはり簡単なところからでもITについて勉強すると良いと私は思います。関連する知識があってはじめてクリエイティブな発想ができるからです。

もっと先の世界を見据えて

AIによる労働の代替が進みきった世界はどうなっているでしょうか?このあたりになってくるともはや妄想レベルの話でしかないですが、実際にAIが労働を代替し始めるとお金がお金以上の価値を持たなくなり、本当の意味で人々が価値あるものに価値を見出すようになると考えています。当たり前のような話に聞こえますが実際現代ではそうではありません。多くの人々にお金=価値という考え方が染み付いてしまっているので本当に価値のあることといったものを正しく認識できなくなってしまっています。例えば1000万円の腕時計を買うのか1000万円で貧しい人々を救うのかどちらが価値があると思いますか。道徳的に考えて後者だと答えたいでしょうが、実際の世の中では前者です。この話は長くなるので割愛しますが、これは前者は容易に現金に戻すことが可能であるが、後者は現金に戻すことが簡単ではないからです。
とはいえ、実際に今でも少しずつ本当の価値を見つけるような動きが進んでいます。その最も代表的な取り組みがSDGsだと思っています。このような動きが活発になると、無形であっても現金化ができる、あるいは価値で価値を得れる(例えばお手伝いをしておやつをもらうような)世界になると思っています。
これから世界が変わり始めると新しくビジネスを始める必要に迫られたり、今のビジネスでもやり方を変えるように迫られると思います。そんな時に、お金を稼げるかだけでなくそれがどんな価値を生み出せるのかについて考えるようにしてください。それがこれからの世界の常識だからです。


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