実質金利から見る、外貨投資の選び方


■はじめに

以前のnoteで、
FX口座を利用して外貨預金をする方法について書きました。

FX口座による、なんちゃって外貨預金について
https://note.com/wakadaq/n/nee3eb3d97612

今回のnoteでは、
投資対象とする外貨の選択方法について
自分なりの考察を書いていきたいと思います。

今回の話も、素人の戯言なので
話半分ぐらいに見てもらえれば幸いです。

■投資対象とする外貨の選択方法について

まずは結論からですが、
以下の2点を見て、投資対象とする外貨を選んでいます。

・日本円より実質金利の高い通貨を選択
・政策金利の差分と同様のスワップをもらえる通貨を選択

・各国の実質金利について

実質金利という言葉に、
馴染みがない方もいると思います。

投資や経済の話をする際、
何かと話題に出やすい言葉なので
正確に理解しておきたければ、
専門家の解説を見ておくことをオススメしますが、、

ざっくりと説明するなら、
名目金利(政策金利)から
物価の変動率を差し引いた金利の事です。

その国の通貨が、物価に対して、
どれぐらい強いかを表すバロメーターみたいなものだと
個人的には捉えています。

そして、この実質金利の数値が
日本円と比較して、高い国の通貨を投資対象としています。

一応、注釈なのですが、
通貨の強弱は金利差だけで決まる訳ではなく
通貨の需給、その国の金融政策など
さまざまな要因によって変動します。

あくまで、通貨の強弱を示す一つの指標として
参考にするぐらいが丁度いいと思います。

試しに、2024年4月現在の
各国の実質金利の数値を比較していきたいと思います。
対象とする国は、
前回のnoteでも例に出したSBI証券のFX口座で投資対象となっている
以下の国とします。

日本、アメリカ、ユーロ、イギリス、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、南アフリカ、ブラジル、トルコ、中国、香港、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド

実質金利の計算方法は、以下となりますが

実質金利=名目金利ー物価変動率

ここで
名目金利は、その国の政策金利
物価変動率は、その国のCPI(消費者物価指数)前年比
の数値を利用します。

各国の政策金利

以上の条件で、
各国の実質金利を一覧にしたものが以下となります。

現状だと、実質金利が日本の-2.7%より低い国が、
トルコの-18.5%しかありません。
その為、この条件だけで絞ると
トルコリラ以外すべての国の通貨が投資対象となります。

ここからは余談ですが、、
自分がFX口座で外貨投資を始めた当初、
実質金利を見ず、名目金利の高さだけにつられて
トルコリラ円のポジションを持っていたことがあります。

しかし、貰えるスワップを遥かに上回る、通貨価値の減価をくらい
あえなく損切をしました。。

スワップがたくさん貰えるからといって
それだけで安易に投資すると痛い目を見る、、という
わかりやすい一例です。

以下がトルコリラ円のチャート
実質金利の低さだけが原因とは言いきれませんが、
長期にわたって通貨価値が減価し続けているのがわかると思います。

・政策金利の差分と受け取りスワップの比較

これがどういう事かと言うと、

日本と各国に政策金利の差分があっても
その差分を証券会社からスワップで貰えるかどうかはわからない。
その為、自分でチェックする必要があるという事です。

以前に書いたnoteで、
ドルとユーロに関しては、
日本との金利差分をスワップで貰えていることを確認しました。
計算式は以下となります。

スワップによる年間の想定利回り=
年間のスワップ量÷外貨の保有額=
(1日のスワップ量×365日)÷(現在の為替レート×通貨保有量)

https://note.com/wakadaq/n/nee3eb3d97612

要は、この確認を、
自分が投資対象とする、すべての通貨でチェックするだけです。

通貨によっては、名目金利の差はあるが、
その分のスワップは貰えない、といったものがあります。
そういった通貨に関しては、
本来なら貰えるべきものが貰えていないという事になるので、
投資対象から外したほうが賢明だと思います。

試しに、
2024年4月9日時点、
以下の図にあるSBI証券のFX口座の情報を使って
各国の通貨ポジションを持った時に
貰えるスワップ量をチェックしてみました。
※トルコリラは、この日、市場休場で前日にまとめてスワップが支払われていた為、一日前のスワップ量をプロットしました。
※為替レートは、2024年4月9日12時頃のレートを参考にしています。

スワップ量は、毎日変動するものなので
あくまで想定の数値となりますが、
ざっくり以下の図のような結果になりました。

H列のスワップと政策金利差分の比較は、
政策金利の差分より
多めにスワップを貰える通貨は緑、少ない通貨は赤と色分けしています。

個人的な判断基準としては、
政策金利の差分と比較して-20%以上であれば
許容範囲として投資対象にしています。

この図で言うと
SBI証券のFX口座で外貨を注文する場合、
メジャー通貨は全てOK、
マイナー通貨は、
メキシコペソ、南アフリカランド、中国人民元、ポーランドズロチはOK
トルコリラ、ブラジルレアル、香港ドル、ノルウェークローネ、スウェーデンクローナはNG
といった感じになります。

繰り返しになりますが、
これはSBI証券のFX口座を利用する場合の話です。
特にマイナー通貨に関しては、
証券会社によって貰えるスワップの量に大きく違いのある事が多いです。
その為、投資してみたい通貨があれば、色々調べてみるのも
面白いかもしれないです。

■おわりに

以上が、FX口座を使って外貨預金をする際の、
外貨の選択方法についてです。

といっても、話ばかり長くて、
選択肢をあまり絞れていないので
あまり役に立たなかったかもしれませんが、、

一連のFX口座を利用した外貨預金の話は、
長期間での運用を前提としている為
最終的には保有する通貨を分散して、
資産配分を組むことが理想だと思っています。

今回の話の位置づけは、
その資産配分に使うパーツの選択方法
という位置づけになると思います。

あとは具体的に、
どの通貨をどれぐらいの割合で保有するか決める必要があるのですが、
これに関しての考察はまた別のnoteで書こうと思います。

今回の記事は以上となります。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
<(_ _)>


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